スガ旅

夫婦で世界の大自然を歩いた旅の記録

私たちのモロッコ探検記②【シェフシャウエン】

3日目

Tangier → Chefchaouen

お昼のバスでシェフシャウエンに向かうので、近くのカフェで朝食を済ませてから出発。


モロッコの商店はパンが豊富。

メディナのはずれにタクシー乗り場があり、プチタクシーを探します。メーターを使ってくれるタクシーに乗ってバスターミナルへ。

バスターミナルで荷物料金を支払い、しばし待機。予想外に定刻出発となりました。モロッコ快適…!

空いているのになぜか夫と離れ離れの指定席になってしまった私は、近くに座っていたおじさんに話しかけられました。
私がバスの中の写真を撮ったのを見ていて、景色を撮るのは構わないけれど、人が写る写真は断らないとダメだよ、トラブルになるよ、と注意してくれたのです。35にもなって恥ずかしい、当たり前のことだよな、と思い、おじさんにありがとうと言いました。

おじさんはオランダから旅行で来ていると言っていて、私がシェフシャウエンに行くと言うと、彼は今日はその手前のテトゥアンに泊まり、明日シェフシャウエンに行くよと言っていました。

バスがテトゥアンで止まり、トイレから帰ってくると夫とおじさんが話していました。おじさんの名前はアントニオ。「明日彼女とレンタカーを借りてシェフシャウエンに行くから、明後日フェズに行くなら一緒に乗せていってあげるよ」と何とも優しいご提案!レンタカー代半分払いますよと言っても、「いいからいいから、とりあえず明日シェフシャウエンの有名な門の前で待ち合わせしよう!」と言って、連絡先も交換しないまま別れました。

青の町でおなじみのシェフシャウエンに到着し、メディナの外までタクシーを使います。メディナ内は車が入れないため、徒歩で予約していたホステルを探してチェックイン。

何だか移動で疲れてしまったので、夕飯に中華を食べて、ホステルでゆっくりしました。
バストイレが共用だったのですが、あまりに汚くてシャワーは我慢しました。(私が一番汚い)

4日目

Chefchaouen

今日は2時に昨日のおじさんと会う約束があったので、朝はメディナ内で朝食を食べ、観光スポットのスパニッシュモスクを目指してお散歩に出かけました。

割とお山の上に建っているこのモスクは、通常人は入らないそう。スペイン人が作ったモスクなので、観光名所ではあるけど祈りを捧げる場ではないんだとか。
地元の人に聞いた話によると、メッカの方を向いてないから形だけのモスクだそうです。

スパニッシュモスクのある高台からは、シェフシャウエンの町並みが見渡せます。おじさんとの約束もあるので、少し休憩して山を下りました。

写真を撮りたいけれど、人がいる場所では撮れない…。敬虔なイスラム教徒の中には、極度に写真を撮られることを嫌う人も多いそうなので、風景写真を撮るにも気を使うモロッコです。

待ち合わせ場所に向かって歩いていると、「ジャパニーズ?」と声をかけられました。
ついつい足を止めると、彼は「日本のガイドブックに僕の店が載ってるんだ!お茶出すからちょっと待ってて!」と、あれよあれよと彼の店の中へ。

ミントティーを頂き、そろそろ行かないと…と席を立つと、何故急ぐのかと聞かれ、人と会う約束があるんだと話すと、それが誰なのか、どこで知り合ったのか、詳しく聞かれました。

昨日の出来事を全て彼に話すと、「それはよくある詐欺の手口だよ」と言われ驚愕。「旅人を装って近づいて、警戒心を解いた後で知り合いの店に連れて行ったりツアーを組ませて高額な請求をしたりするんだよ。Googleで調べたら出てくるよ!」

確かに、よく考えたら彼は手ぶらだったし、どう見てもオランダ人というよりかはモロッコ人の顔立ちでした。アントニオって顔立ちではなかったような…。
でも、今日は彼女を連れて来るって言ってたよ、と言うと、「そんなの娼婦を雇うだけだよ、簡単だよ」と言われ、青ざめる私。

私から見たら彼はとても優しい人に見えたけど、確かにそんなに甘い話があるわけないか…。待ち合わせ時間を過ぎ、人との約束を破ってしまったことに罪悪感を抱きながらも、この店に入って助かったと思う気持ちも。


すっかりくつろぐ夫。

この絨毯屋の彼の名前はムスタファ。親戚のお葬式があるらしく、「僕はちょっと出かけるけど、1時間で戻るからここでゆっくりしてて!」と言って出かけてしまいました。

1時間後に帰ってきた彼は絨毯の説明を始め、「買わなくても問題ないよ!もちろん僕は絨毯屋だから売れたら嬉しいけど、買わなかったからって友情が壊れることはないよ!」と、いつの間にか友達になったようです。私たちも何を律儀に1時間も待っていたのか謎です。

彼が次々に広げる絨毯を見ていると、不思議な事にだんだん欲しくなってくる私たち。これはマインドコントロールなのか…。今までどんな町に行っても買い物は全然してこなかったのに、ここに来てめちゃくちゃ嵩張る絨毯を真剣に吟味し始める私たち。

モロッコの商人は本当に商売上手です。買う気のなかったものを欲しい気持ちに持っていくって、素晴らしい才能です。

気付くと私たちは絨毯のための予算を決め、ついに値段交渉の段階に来ました。モロッコに定価はありません。まずはムスタファに紙に値段を書かせ、そこからどんどん落としていきます。
最終的に、絨毯1枚、ブランケット2枚、砂漠で使う用のターバン2枚を300€で買いました。
人間って不思議ですね。1時間前までは何一つ買うつもりじゃなかったのに。

私も商売人の娘なので、彼らの巧みなテクニックは大変勉強になりました。

まず、第一に嫁を褒める
嫁を褒めると嫁の財布の紐が緩くなります。昨日バスで会ったおじさんも私のことを褒めたので、ついつい信じちゃったのかもしれません。

第二に、片付けが大変になるくらい商品を出しまくる
日本人としては、ここまでやらせたら何か一つくらい買わなきゃ申し訳ない…という気持ちになります。本当は全然申し訳なくないんですけどね。

あとはとにかく商品の説明をしまくり、少しでも「買ってもいいかも」と思わせたら勝ちです。

定価などない世界なので、最後は商人と客との根比べです。彼らが売りたい値段と私たちが買いたい値段の落とし所を見つける訳です。
もちろんとことんやり合って買わないという選択肢もありますが、私は彼に負けました…。欲しくなってしまったんです。

これが高いか安いかは分かりませんが、潔く支払いを済ませました。日本への郵送を手伝ってくれると言うので、彼の店で預かってもらい、また明日来ることにしました。そして私は今日もシャワーを浴びませんでした。

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私たちのモロッコ探検記①【タンジェ】

1日目

Tarifa/Spain → Tangier/Morocco

いよいよ初めてのアフリカ大陸に上陸します!私は初めてですが、夫は3度目(?)です。その話は後ほど。

タリファで宿泊した宿は、バスの到着時刻が23時半と遅かったので、 24時間チェックインができるホテルを選びました。チェックイン時間が決まっているホテルが多い中、こちらのホテルは深夜0時に到着しても笑顔で待っていてくれて助かりました。

宿の1階のカフェでスペイン最後の朝食です。サンティアゴ以来のスペインなので、久々のトスターダとカフェコンレチェを楽しみにしていましたが、バターがないと言われてしまいました…。代わりにトマトとオリーブオイルと塩でトスターダを楽しみました。

宿を出て、海に向かって進んで行くと、

何ということでしょう。すでにここからアフリカ大陸がうっすらと見えています。ここタリファとモロッコのタンジェとの距離は32kmほど。実はバルセロナ初モロッコ行きの航空券の方が安かったのですが、どうしてもジブラルタル海峡を船で渡ってみたかったのでややこしいルートでここまでやって来ました。

人の流れる方向に歩いて行き、フェリーターミナルに到着!カウンターに行き30分後に出発するフェリーに乗りたいと言うと、すぐに発券してくれました。片道一人35€です。パスポートを返却してもらうと、入国審査の用紙が挟まっていました。

誰か見てるのかな、と思うほど雑な手荷物検査をクリアし、乗船です!念のため酔い止めも飲んで挑みます。人も車も同じ場所から乗船し、みんな荷物は適当に車の横に置いていました。

割と時間通りに出発です。さようならスペイン、ありがとうヨーロッパ大陸。

入国審査は船内にて行われるようで、出港前から長蛇の列。私たちは空いてから並ぶことにして、用紙の記入だけ済ませてデッキで景色を堪能。
酔い止めを飲むのが遅かったせいか、船が揺れ過ぎるせいか、ものすごく酔いました。私は吐きませんでしたが、船内には吐く人もチラホラ。袋を配るスタッフもいました。慣れていますね。

入国審査では一言も何も聞かれることなくスタンプを押してもらえました。モロッコを出る航空券をまだ買っていなかったので不安でしたが、心配無用でした。1時間ほどでアフリカ大陸・モロッコに到着です!


こんにちはモロッコ!

フェリーターミナルから旧市街まではとても近く、歩いて行けます。旧市街に宿を取っていたので徒歩で向かいます。

迷うことなくホテルに到着しチェックイン。ここタンジェには2泊し、SIMカードの入手やバスチケットの購入などを済ませる予定です。
チェックイン時にランチ中だったホテルスタッフが、「モロッコの食事、ちょっと試す?」というので私たち用に持って来てもらえるかと思いきや、持ってきたのはスプーン2本。

彼の食べかけの食事を一緒にいただきました。「遠慮しないで!」と言われましたが、ちょっとだけにしました。

モロッコの各都市には必ずと言っていいほど旧市街(メディナ)と新市街があります。観光するのはほぼメディナで、新市街は割とどこも都会です。

「旧市街のレストランはどこも観光地価格で高いよ」と教えてもらったので、新市街にあるおすすめレストランへ。混雑しているので人気店でしょうか。

ミントティーとチキンタジンを注文。
ポテトで何も見えませんが、下にチキンが入っています。味は至って普通でした。
ミントティーのワイルドさにびっくりしました。

2日目

Tangier

近くにモスクがあるので、夜明け前にアザーンが聞こえました。ああ、イスラム世界にいるんだなあ、と実感。


タンジェの新市街。

近くのカフェで朝ごはんを食べた後、新市街にあるバスターミナルへチケットを買いに行きました。

次に向かうシェフシャウエンまでのバスチケットを購入。「モロッコでバスチケットを買う」って何だか難しそうですが、ものすごくスムーズに買えました。バス会社は2つのみで、行き先も時間も限られていて、選択数が少ないのでシンプル。窓口も英語が通じます。

もっとテキトーなチケットかと思っていたら、きちんとしたチケットでした。モロッコ快適。

SIMカードは「Maroc Telecom」の看板が下がっているお店で購入。お店の人にお願いして設定もしてもらえました。SIMカード1枚と2GB分のチャージで50ディルハム(約520円)と激安です。ユーロ圏では2GBで15€くらいしていたのに…!これでネット環境もバッチリ整いました。


「ジョーカー」もやってる。


アボカドジュース。


やけに猫が多い町。

カフェのテラス席には猫かおじさんが必ずいます。


暖を求めて近づいてきた子猫。

モロッコの公用語はアラビア語とベルベル語ですが、フランス植民地時代もあったのでフランス語も通じます。さらに、ここタンジェはスペインからとても近いせいか、スペイン語も通じます。

初めてメキシコに降りたった時は言葉が1mmも理解出来なかったけれど、今は何となく理解出来る喜び。使える言語が増えるって素晴らしいな、としみじみ感じました。

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束の間のポルトガル

ポルトで数日間の休養

マリアと別れた私たちは、ヨーロッパ内の格安バスでお馴染みのFlixBusにてポルトガルに移動しました。

バスはあっという間にポルトに到着。あいにくの雨です。
カミーノを歩いている時は、サンティアゴからポルトガル人の道を通ってポルトまで歩こうとか、自転車を借りてキャンプしながら行こうとか言ってましたが、体力と体調と天候を考慮してバスにしました。


B級グルメのフランセジーニャ。

ポルトでは観光はほぼせずに、ぶり返した風邪を治すべくairbnbのアパートでゆっくりしました。
街の中心からは遠いけど、観光よりも療養が第一なので問題なしです。


エッグタルト。

カミーノ仲間のギレンヌ&セバスチャン夫妻ともポルトで再会し、一緒にご飯を食べました。

ギレンヌは、ポルトの街なかでカミーノの矢印を発見したんだと嬉しそうに話していました。きっとみんな、矢印を追う毎日が終わってしまって寂しいんだろうな。
彼らは明日からレンタカーを借りて南下し、2週間ポルトガルを満喫すると話していました。


いつもエレガントなご夫婦。

ポルト最終日にやっと晴れたので、少しだけ街を散策しました。魔女の宅急便みたいな街並みが美しかったです。

ポルトからレンタカーで南下

観光地で何をしたらいいのか戸惑ってしまう私たちは、レンタカーを借りてキャンプをすることにしました。

ポルトガルではマニュアル車が普通なのか、オートマ車を選択すると値段が跳ね上がりました。

途中で寄った薬屋さんのお兄さんが英語も話せて、症状を伝えると効き目バッチリの薬を出してくれました。飲む数なども英語で書いて貼ってくれて、優しさに涙が出そうでした。

ポルトガルのキャンプ場は、閑散期なのか全く人がいませんでした。ポルトガルではキャンプ場以外でのキャンプは禁止で、焚き火も固く禁止されていました。JMT以来のテント泊でしたが、焚き火の出来ないキャンプに少しだけテンションが下がりました。


かわいい共用キッチン。

とても綺麗に管理されているキャンプ場でしたが、1泊だけにしてさらに南下することにしました。

次に訪れたのはナザレという町。サーフィンが有名らしく、久々に海を見ました。


コーンの部分がチョコレート!

とてもかわいい町だったので、急遽ホテルを探してここで一泊することに。薬が効いたのか、体調もすっかり良くなってきました。


雲が西洋画の雲。

翌日はユーラシア大陸最西端のロカ岬を訪れました。
カミーノでフィステーラを訪れることが出来なかったので、最果ての地に来たかったのです。


「ここに地終わり海始まる」

とくに駐車場代も取られませんでしたが、どんどこ観光バスが押し寄せるので、少し休憩してすぐに出発。

都会のリスボンは通り過ぎます。

この日のキャンプ場に到着。2人で1泊1,700円くらい。夕食は外で済ませ、完全に寝るだけのキャンプです。焚き火も出来ないし。

ポルトガルでのキャンプを楽しめないと悟った私たちは、一気に返却地に近い場所に南下することにしました。

2泊で3,700円と、キャンプ場並みに破格のアパートホテルを発見し、ここでゆっくりすることに。久々にスーパーに行き、自炊しました。

駆け足でポルトガルを縦断しましたが、私たちの目的地はさらに南、再びスペインに入ります。

レンタカーをポルトガルのファロ空港で返却したのち、FlixBusにてスペインのセビーリャへ。

バスの乗り継ぎ時間に最後のタパスを楽しみ、夜のバスでスペイン南端の港町、タリファに降り立ったのでした。

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