スガ旅

夫婦で世界の大自然を歩いた旅の記録

vía de la plata(銀の道)①

DAY 1

Sevilla → Guillena(21.9km)

朝7時起床。ゆっくり身支度をして、同室の女性と一緒にエレベーターで下に降りる。
今日出るの?と聞かれたので、今日から歩いてサンティアゴを目指すよ、と言うと、なんと彼女もその予定でセビージャまで来ていたという。健康状態の問題で今回はやめることにしたらしい。
彼女の名前はサブリナ、ベルギーから来ていた。
一緒に地下のキッチンまで行って、コーヒーを飲みながら話していると、急に折り畳んだ5€を私に差し出し、「サンティアゴに到着したらわたしの為にキャンドルを灯して欲しい」と言って泣いてしまった。私は「もちろんだよ」と抱きしめてあげることしかできなかったけど、彼女のおかげで強い目的ができた。ありがとうと言って別れた。

チェックアウトを済ませ、観光局に向かう。
今回、クレデンシャル(巡礼手帳)がどこで手に入れられるのか全く調べずに来てしまい、ホステルのスタッフに聞いたところ、観光局ならあるのではないかという返答だった。

9時に観光局が開き、すぐに中のスタッフに聞いてみると、スタンプはあるがクレデンシャルはないとのこと。
でもすぐにありそうな場所を地図に印をつけて渡してくれて、無事オテルシモンにて買うことが出来た。

その後また観光局に行ってスタンプをもらい、日付を書き込んだスタッフに「いい日取りだね!」と言われる。2025年2月25日。確かに。
「ブエンカミーノ!」の言葉をもらってスタートした。

セビージャは大きな町なので出るまでが長い。
歩く人の少ない銀の道には道標も少ないのかな、と心配していたけど、旧市街の中から頻繁に黄色の矢印が発見できて助かった。カミーノにおいてはほとんどの心配が無用なのだ。

町を出る直前にスーパーを見つけたので寄ってみた。朝ごはんにクッキーしか食べてなかったので、ピザパンとチョコパンを1つずつ買った。なんと2つで1€。助かる!

ピザパンをかじりながら歩いていると、私と反対方向に歩く巡礼者を見かけた。その後、大きな道路を渡る前にも見かけ、あらぬ方向に進んでいたので手を振ってこっちだよと教えてあげた。

町を抜け、川沿いの道に入ってやっとカミーノらしい景色になった。自転車はよく通るが、巡礼者の姿はほぼ見かけない。さすが、一番歩く人が少ないビアデラプラタ。アルベルゲがオープンしていることだけを願う。

途中から雨になり、カッパを装着。カミーノではザックごと守れるカッパがとても便利。天気予報は晴れだったけど、すぐに出せるところに入れておいて良かった。

すれ違う自転車や、農機に乗ったおじさんに「ブエンカミーノ!」と言われる。カミーノに戻ってきたことが嬉しくて、ジーンとくる。


道中なかなかだった

20キロ歩き、Guillenaの町に到着。アルベルゲは2軒あり、公共の方に行こうと歩いていると、観光局があったので立ち寄る。どっちが開いているか聞きたかったのだ。

中に入ると「ペレグリーナ?」と聞かれ、スペイン語で色々と聞かれた。「イングレス、ポルファボール」と言うと、英語で話してくれた。彼女はアルベルゲに電話して開いてるか聞いてあげるね、とすぐに電話をかけてくれて、私設のアルベルゲに行くよう案内してくれた。公共の方は、私設がいっぱいになったら臨時で開けるらしい。

お礼を言って私設のルスデルカミーノへ。
こじんまりしたアルベルゲで、オスピタレロ(世話人)はスペイン語しか話さないがとても優しい女性だった。スペイン語の単語単語はなんとなく覚えていたので、だいたい何と言っているか理解することができた。「靴はここ」とか「キッチンは工事中だけど朝には使えるよ」とか。

キッチンが使えないしお湯も沸かせないので、外食にしようかと町をぶらぶらし、せっかくだからスーパーも見てこようと遠くまで足を伸ばしてみた。


生ハム原木が普通に売られている

チンするだけのチャーハンが売られていたので即決。チャーハンとコーラを買い、4€。外食より安く済んだ。本当は肉も食べたかったけど調理済みがなかったので我慢。

戻って屋上のテラスで食べていると、イタリア人の男性に声をかけられた。食後に少しゆっくり話をしたが、彼の第一声が「カミーノ初めてじゃないよね?」だった。銀の道を初めてのカミーノに選ぶ人は稀で、だいたい人気のあるフランス人の道やポルトガルの道を初めてに選ぶ。

6年前にフランス人の道を歩いたよ、というと、何と彼も6年前にフランス人の道を歩いていた。
それ以来毎年2週間ほど休みをとってカミーノの色んな道を歩いているんだそう。

「全部歩くの?」「その予定だよ」

彼は心底羨ましそうだった。いつか仕事をやめたら全部歩いてみたいと言っていた。

夫が来月からポルトガルの道を歩き、サンティアゴで合流するんだ!と言うと、ポルトガルの道はずっと海沿いで最高だよ!と言っていた。

そして最後に、ごめん、何人なの?と聞かれ、日本人だよ、と言うと、彼は少し興奮気味に日本人の素晴らしさについて語り始めた。

日本人のキャパシティは信じられない、本当に周りの人への配慮が素晴らしい。それがみんなが言う「日本人は優しい」ってことなんだ。
他の人が不快にならないように気を使う日本人は素晴らしいよ!と。
そして、ハネムーンで日本に訪れたことも教えてくれた。次はあまり観光っぽくないことがしたいと言っていたので、いつか北海道においで、と言って別れた。彼は明日45キロ歩くと言っていたので、きっともう会わないだろう。

海外の人が日本のどこにそんなに惹かれるのか、彼との会話で分かった気がした。
彼らが体験したいのは神社仏閣だけでなく、日本人の日本人らしさだ。
気を遣う、ということは一見ネガティブな要素だけれど、それは優しさだとイタリア人に教えられた。

20時に就寝。


歩いた距離(iPhoneヘルスケア調べ)
26.8km(スーパーがやけに遠かったのでそれも含まれてる)
使ったお金
パン1€
アルベルゲ15€
スーパー4€
合計20€(≒3,160円)

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