スガ旅

夫婦で世界の大自然を歩いた旅の記録

vía de la plata(銀の道)⑦

DAY7

Zafra → Villafranca de los Barros(19.8km)

のんびり7時に起床。10時に出発予定なので余裕だ。一番乗りでダイニングに行き、パンをたくさん食べようと思ったらみんな起きて来た。
私パン3切れ、男性陣パン2切れ。もっと食べたかったけどやめておいた。

天気予報は変わって、8時から午後までずっと雨になっていた。みんなももう出発すると言うし、私もさっさと身支度をして最後に出た。

次の町までは5km程度なので雨の中サクサク歩いた。町に着いたのは9時半頃、私にはミッションがあった。使っているiPhoneの充電ケーブルを壊してしまったのだ。予備も持って来たのに、どっちも折ってしまった。しかもライトニングケーブルだ。携帯電話ショップをGoogleマップで見つけ、店の前で10時の開店を待つ。ひどい雨の中、カッパ姿でじっと立っていると色んな人に見られた。

10時まであと5分というところで、通りすがりのおじちゃんが話しかけてきた。「10時にオープンだけど、開かないかもよ」と。カルナバルと言っていたので、週末の祭りのことだろうか。祭りの後だからきっちりは開けないのだろうか…。

オーケーと言って、希望を持ち続け10:15まで待ったがやはり開かず。諦めて歩き始めた。

少し歩くと、別の男性も話しかけてきて、今日開くと思うけど、かなり遅くなると思うよ、と。
みんなアジア人が携帯電話ショップの外で雨の中懸命に待っている姿を目撃したからなのだろうか、気にかけて話しかけてくれる。
グラシアスと言って、町を出た。

マイモナの町を出てすぐに、昨日オスピタレロからアドバイスを受けた道路に出る分岐に差し掛かる。道路までは道が続いていないので、どこかで線路を渡り、道路に出るルートを探さなくてはならない。

線路に到着したが、どこから渡るのか全く見当もつかない。このまま渡らずに歩いたら道も消えるかもしれないし、と思い切って線路を渡り、工場の敷地に入った。工場の裏側は道とは言えないほど狭く、道路に出ますようにと祈りながら草むらを進んだ。工場の建物が消えると道路に出た。良かった…。

そこからしばらく道路沿いを歩くと、簡単に線路を越えてアクセスできそうな箇所があったがもういい。ここから次の町まで、約10km車道歩きだ。車は少ないと聞いていたけど、全然ビュンビュンやってくる。路肩をひたすらに歩くが、トラックが通るたびに水しぶきを浴びる。

正規ルートで泥水の中を歩くか、迂回ルートでトラックの水しぶきを浴びながら歩くか、どっちもどっちだなあと思いながら、とにかく早く終わらせたく競歩で突き進む。2時間ずっとペースを落とさず、休憩もとらず、とにかく歩き続けて正規ルートに合流した。

車道歩きから解放されると一気に疲れが来てしまい、ノロノロと農道を歩いた。途中で大きなモホン(道標)があったので、その上にザックを置かせてもらい、横にあった大きめのブロック(乾いてみえた)に腰をかけた。疲れた…。
持っていたクッキーを頬張りお茶を飲んでいたら、超低速運転の一台の車が私の前で停車した。
ゆっくり窓を開けてこっちを見たので、オラ、と挨拶をした。

中のおじいちゃんはスペイン語で話し始めたので、「ノーアブロエスパニョール(スペイン語話せません)」と言うと、「大丈夫」と言って、そのままスペイン語で道の説明を続けた。

不思議なことに、おじいちゃんが「もう少し先に行ったら休める場所があるからそこに行きなさい」と言っている気がした。

グラシアスと言うと、「疲れたでしょう、休みなさい。ブエンカミーノ」と言って、ゆっくり発車して去っていった。おじいちゃんの言っていた(と感じた)通りに、もう少し歩くと立派なベンチがあった。腰をかけて、ちょっと泣きそうになった。

話し方が本当に優しくて、その優しさがありがたくて、とても沁みた。

ベンチで少し休んでからまた出発し、目的の町に到着。アルベルゲまで歩いていると、ケンとすれ違った。ご飯食べに行くから気分が乗ったらおいで〜と言われ、私はそのままアルベルゲへ。
掃除中なのでチェックインはちょっと待ってと言われ、ルーフトップに行った。ルーフトップにはクレールが休んでいて、リビングにはアナとスターシャもいた。ミゲルとフアンもいた。みんないた。

オスピタレロは牛乳瓶の底みたいなメガネをかけたセニョールで、準備が整うと皆を部屋に案内。
私はアナとスターシャの部屋の通路のベッドを与えてもらった。

洗濯物をオスピタレロに渡し、と言っても昨日洗濯したばかりだったので、寝巻きや防寒に使っている衣類など昨日洗濯しなかったものを出した。
15€のアルベルゲだが、洗濯・乾燥付きだった。

充電が切れそうだったけど、一定の角度で刺すとギリギリ充電できたため、その状態でホールドして50%まで回復させた。
充電しながら必死に携帯電話ショップを調べて、アルベルゲの近くにある携帯修理ショップに目星をつけ、シエスタが終わる5時オープンめがけてオープン待ち。ショーウィンドウにはライトニングケーブルがある!絶対に5時に開きますように…!

5分前になると中から若いお兄ちゃんがタバコを咥えて出て来たので、捕まえて事情を説明。
お兄ちゃんは手招きして店の中に入り、私が今一番求めているライトニングケーブル・USBを出してくれた。抱きつきたいくらい嬉しい!!

グラシアスグラシアスと何度もお礼を言って無事ゲット。しかも3€しなかった。

急いでアルベルゲに戻り、動作確認。充電できてる!最高だ!

その後スーパーに行き、夕飯と行動食を買う。アナとスターシャにご飯のお礼がしたかったので、ずっと買いたかったけどいつも4個パックで買えなかったプリンを購入。もう一個はクレールにあげよう。お腹が空きすぎて買ったばかりのピザパンを頬張りながらアルベルゲに戻り、キッチンへ直行。アナとスターシャは夕飯の準備をしていたので、私も買ってきたサラダの準備をして、「デザートに」と言ってプリンを2人に渡した。

すると2人はまた私に「リゾットの味見しない?」と言ってプレートを3枚用意。私にもリゾットを分けてくれた。明らかに2人分の量じゃないけど、本当に美味しくてお腹いっぱい頂いた。
そして遅れて入ってきたクレールにもリゾットを食べさせるママたち。私もプリンを渡したら、クレールはとても喜んでいた。

アナとスターシャは元ナース仲間で、もうリタイヤしたので毎年歩きに来ていると言っていた。足は大丈夫?と言われて、水ぶくれが2個出来たよ、と言うと、アナは5個出来たと誇らしげに言っていた。

歩いた距離
21.5km
使ったお金
アルベルゲ15€
充電ケーブル2.95€
スーパー8.58€
合計26.53€(≒4,190円)

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