DAY13
Cáceres → Casar de Cáceres(12km)
久々にゆっくり8時に起床。今日12kmで止まるか、45km歩くかの二択だった。ベッドで散々悩んだ結果、今日も足を休めるために短い距離でストップすることにした。
普段テーピングなんてしたことがないから、初めてのテーピングがあってるのかネットで見ながら貼ってみた。スネの痛みが少しでもマシになればいい。
スーパーで買ったクッキーとコーヒーで朝食を済ませ、9時に出発した。カセレスは坂の町だ。ホテルが坂の上にあったので、坂を下って町を出た。町を出る所でルートに合流。矢印に従って歩いて行くと、気づいたらアプリのルートから外れていた。アプリ上はひたすらに道路沿い、でも黄色い矢印は山に向かっていた。
どうしようかな、迷いながら黄色い矢印に従うことにした。
矢印はどんどん山を登らせる。犬の散歩をしている人や、ジョギングしている人とすれ違う。
空気が爽やかで気持ちがいい。
山の道の頂上ですれ違った人に、「ブエンカミーノ(良き巡礼を)」と言われた。言われ慣れている言葉なのに、この時はすごく胸に刺さった。
山の道にして良かった、ふと、ミゲルが前に言っていたことを思い出した。
「どの道を選んでも正しい」
選んだ道が私にとってきっと必要な道なんだと思い、そして足の痛みも、心の苦しみも今の私に必要だから起こっていることなんだと素直に思えた。
一人で来てるんだから、急ぐ必要もないし、好きな時に立ち止まって好きな時に歩き出せばいい。周りの巡礼者がどこまで行くとか、バスを使うとか、私には関係のないことだった。この短い山道は私にマイペースを取り戻させてくれた。
悪天候や足の痛みで予定よりも遅れていることに少し焦っていたけど、そんなものは流れに任せればいいか、そう思うことができた。
見晴らしのいい道を下りながら、心地の良い風を感じながら、テンポよく下った。足も痛くないし、メンタルコンディションも上がってきた。大丈夫だ。
出発してから3時間ほどで次の町に到着した。町の中を歩いている時も、反対側の歩道を歩いていたおじいちゃんに「ブエンカミーノ!」と叫ばれる。「グラシアス!」と手を振って、アルベルゲを目指す。
町の入り口のアルベルゲは休業中だったので、町の中心部にあるアルベルゲに行った。受付は向かいの観光局で行っていたので、観光局に入る。
スタンプを押してもらい、6€支払うと使い捨ての不織布のシーツと枕カバーをくれた。もう二人いるけど扉は開いてるから、と言われ、アルベルゲに向かった。
アルベルゲにはメルセデスとフアンというスペイン人が二人いて、私が着くとすぐに出かけて行った。
キッチンでトルティーヤを作って食べる。お腹が空いていたのか、4枚も食べてしまった。昨日買ったハムは完食。
コーヒー用のお湯を沸かしていると、続々と巡礼者が入ってきた。次のウェーブだ。
入って来たのはイタリア人、スペイン人、そしてドイツ人にスウェーデン人、アメリカ人、また他のイタリア人。
こんなにアルベルゲがいっぱいになるの、この道で初めてじゃないかな…。久々のアルベルゲ内の喧騒に戸惑いながらも、それぞれがとてもフレンドリーで自己紹介をしてすぐに打ち解けた。
イタリア人のフランキーとスペイン人のフェリペにご飯に誘われたので、せっかくなので着いて行くことに。コーヒーだけのつもりだったのに、一緒にご飯を食べてしまった。遅れてアメリカ人のボブも到着。4人で宴のようになり、お会計は一人20€。高くついてしまった。
フランキーは来年PCTに行くと言っていて、アメリカ人のボブにアドバイスをもらっていた。最終的にプーチンとドナルドトランプの話題になり、日本もアメリカも戦争に加担している、と言われて恥ずかしかった。もちろん彼は私たちを責めているわけではないけれど、何も言えなかった。
高くついたけど本当においしかった
明日は33km先まで歩かなくてはならないので、タクシーを使う人と歩く人に分かれる。
フランキーは明日のアルベルゲに電話して、私の分のベッドまで確保してくれたので安心して歩けそうだ。
アルベルゲに戻る途中虹が見えた。
夜は夜でアルベルゲのキッチンでチーズを食べた。みんなはワインも飲んで、楽しい宴だった。
ドイツ人のアンナとマイカが「明日は最後の10kmはタクシーに乗ろうと思うけど、一緒に乗る?」と誘ってくれたが、頑張って歩いてみようと思う!と断った。
自分のペースで、歩けるところまで。
歩いた距離
13.1km
使ったお金
アルベルゲ6€
おじさんたちとの会食20€
合計26€(≒4,220円)
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