DAY14
Casar de Cáceres → Cañaveral(33.1km)
夜中に何度も目が覚めて、朝6:00起床。アルベルゲに10人以上は今回初かもしれない。
寝袋を圧縮する際、手に体重をかけたら手首に痛みが走った。あれっやっちゃったかな?もう一度トライするとやっぱり痛い。まずいな…足ならともかく何で手なんか…。
タクシーを使う組はみんなで時間を合わせて出発。自力で歩く組はパラパラと出発していった。私は7:30に出発。
朝焼けがとてもきれいで、何度も町を振り返った。
町の出口に1匹の犬がいて、かわいくて写真を撮った。
テーピングのおかげかスネの痛みはなく、足裏も少し歩いた感じでは大丈夫。テンポも良く調子がいい。サクサク歩いていると、トットッと後ろから足音が。振り返るとさっきの犬がついて来てる!手を出すとペロッと舐めてからゴロンと横になり、お腹を出した。泥だらけ過ぎてお腹は撫でてあげられなかったけど、しばらく頭を撫でて再出発。犬も起き上がってまたついてくる。
そんなこんなで30分以上一緒に歩き、最後に頭を撫でて犬が先に行った。犬を追いかけるように私のペースも上がり、12kmほど休まずに歩けた。
しばらく歩くと橋を渡る箇所があり、そこで雨が降って来た。橋の上でレインパンツを履き、カッパを装着。後ろから来ていたフランキーが颯爽と抜かして行った。
そこから少し歩くと自然公園に入り、すぐに東屋が出現。迷うことなく休憩した。
雨は一向に止まないので再出発。自然公園はとても美しいトレイルで、雨じゃなければ本当に最高だった。湖にさしかかり、ここからずっとアスファルトを歩く。ちょっと疲れたけど、まだあと半分あるので頑張らなくては。雨が上がり、ナッツを口に放り込みながら歩く。
ガードレールを跨ぐときに手をついたら手首に激痛が走った。やばい、やっぱり捻挫かな…。
慌てて専門家のショウタ君にメッセージを送る。
ショウタ君はどの辺が痛いのか、どうしたら痛いのか、この動きはどうかなどメッセージで診てくれて、とりあえずなるべく圧をかけないようにしてたら大丈夫と言われホッとした。
病院に行くほどのことじゃなくて本当に良かった。
長らく道路を歩いたら、また自然公園に入る。自然公園に入った途端また雨。そして東屋の出現。
迷わず東屋にザックを置き、道路を見下ろしながら雄大にトイレも済ませた。
雨が結構激しく、休みすぎると身体も冷えて来る。休憩もそこそこに、また歩き出す。雨が川のようにトレイル上を流れて来て、石の上が特に滑る。転んでケガをするのは一番避けたいので、慎重に足を運ぶ。
山の上まで登り切ると、町が見えた!でもまだちょっと遠い…。
風も強くなってきて、手が冷たくなってきた。降りて行くとなんとまた東屋が!とりあえず雨風凌ぎに東屋に入る。あと3km。すぐなんだけど、なかなか進まない。
温かいお茶を飲んで、もう一踏ん張り。
歩き出して少し進むと、急に前を牛が走りながら横切った。「びっくりしたァ!」一人で叫ぶ。
牛は右側に立ち、こっちを睨んでいる。
え、赤いポンチョだから?これってまずい状況?
牛との睨み合いが続き、ちょっと前に進むと威嚇しながら後ろに走り去った。よく見ると子牛がいた。
「あ、死ぬかも」と思った。牛に威嚇されたのは初めてだし、本当に怖かった。
そこから一刻も早くこの牛ゾーンから抜け出したく、足を滑らせながら山を下って行くと、最後のゲート(鍵を開けて通らなくてはならない)にさっきの牛親子が…。嘘でしょ…。
遠巻きに、初めて牛相手にホイッスルを吹く。
みんなこっち見る。
そっと近づきながら、雨の中フードを脱いで(なんで?)敵ではないアピールを精一杯する。
子牛は先に逃げたが、母牛がさっきと同じ距離でこちらを睨んでくる。
「すみません、すみません…」と言いながら横切り、ゲートの鍵を開けてすぐに出た。ゲートは大きな水たまりにあったのでブーツは水浸しになったが、牛にどつかれるよりはマシだった。
どっと疲れが出たが、「町まで1km」の看板を見て何とか歩き続けた。
雨はひたすら降り続き、ずぶ濡れでアルベルゲに到着。フランキーがベッドの予約をしておいてくれたので、スムーズにチェックインできた。とても綺麗で新しいアルベルゲだった。
ずぶ濡れのブーツに新聞紙を詰め込み、シャワーを浴びた。水ぶくれがひどくなっていた。
その後唯一空いていたバルに入って注文しようとすると、「フードはもう終わったよ」と言われる。がっかりして店を出て、アルベルゲに戻る。キッチンがないと思っていたけど、スウェーデン人のリーが紅茶を飲んでいたので聞いたら地下にあった。
リーは明日のルートについて、洪水だから迂回しないといけないよと情報をくれた。
地下に行き、ラーメンを作っていたら先にいたイタリア人男性が同じテーブルに誘ってくれた。
彼の名前はジョバンニ。宮沢賢治の銀河鉄道を思い出す。
ジョバンニはイタリア語しか話せないのでGoogle翻訳を多用したが、彼は自転車でカミーノを走っていた。1日に100km走り、10日間でビデラプラタを走るそうだ。
私の食事を見かねてなのか、バゲットと魚の缶詰をくれた。みんな優しい。
ジョバンニが去るとフィンランド人の女子がやって来て、同じテーブルで食事をした。彼女の名前はノラ。私の名前を言うと、ノラもドイツ人のアンナやマイカも「あの本の?!」と言うので、「そう、ミヒャエル・エンデの」と言うととても喜んだ。「モモ」は世界中最も愛されている本の一つだろう。
ノラはサバサバした女子で、スペイン語も英語も流暢に話す。中国語は途中で諦めたと言っていた。
明日は迂回するかどうするか…明日の自分に決めてもらおう。
歩いた距離
34.5km
使ったお金
アルベルゲ
16€
合計16€(≒2,530円)
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