スガ旅

夫婦で世界の大自然を歩いた旅の記録

vía de la plata(銀の道)⑮

DAY15

Cañaveral → Riolobos(20km)

朝5:30に目が覚める。トイレに行くと、月のものが来ていた。外はまだ雨が降っている。

地下のキッチンに行きコーヒーを入れて、昨日残したパンを食べる。まだ誰も起きてこない。

今日はたくさん歩くか迂回の町で休むか悩んでいたけど、今の賑やかな人たちと少し離れたい気持ちもあり、迂回路の町でストップすることに決めた。後でたくさん歩かないといけない日が増えるけど、気分で決めることにした。

洗面所でノラと会い、ノラがスネが痛いと言っていたので、テーピングをしたらマシになったよと伝えると、テーピングが見たいというノラ。

私がテーピングをするところを見せて、ノラにも1枚ニューハレのテープを分けてあげた。いつから痛いの?と聞くと、3日前にアルベルゲが見つからなくて72kmも歩いたという。それから痛み始めたと。72km…一晩中やん…。私がバカだったと嘆くノラ。

巡礼者が「ブエンカミーノ!」と言って次々に出発し、私も7:30に出発。出だしから雨なので初めからレインパンツとポンチョで。

雨はさほどひどくないが、ルートコンディションは悪い。山道は川になっているし、靴を濡らさないのは至難の業だった。

山道が一旦途切れ、道路を渡った所でフェリペと遭遇。フェリペは私と歩くつもりなのか、「ポンチョを着るからちょっと待って」と私を止めた。スペイン語しか話さないので、会話の内容はほぼ想像。

フェリペの後に続き再び山道に入る。雨が強くなり、小川はジャンプで渡れないくらいに溢れ、靴を脱いで渡渉する人も出始めた。私は足の水ぶくれパッチが剥がれるのが嫌でブーツを脱がずにそのまま入り、ブーツの中に水が入った状態で歩き続けた。何度も何度も川を越え、カミーノってこんなんだっけ…と思いながらも次の町への分岐点へ到着。

分岐点ではアメリカ人のボブとロシア人のアンナが休憩していて、フェリペとボブはそのまま進み、私とアンナはグリマルドの町のバルで休憩しようと二手に分かれた。

アンナは靴が濡れるのを死守しようと、その後の渡渉もきちんと靴を脱いでいた。

グリマルドは予想よりも小さな町で、唯一のバルは閉まっていた。隣のアルベルゲの扉をノックすると、中からイギリス人が出てきた。

何か食べられる店はあるかと尋ねると、「横の店しかないから、閉まってるなら…ないね!」と。
その辺のベンチで休憩しようとしたら、「コーヒーでも飲んでく?入りなよ!」と言ってくれて、中に入った。

小さなアルベルゲだったが、小さなキッチンに小さなバスルーム、洗濯機や冷蔵庫まで全て揃っていた。アンナがコーヒーを入れてくれて、チーズも分けてくれた。

続いて到着したのはスウェーデン人のリー。ブラックティーが飲みたいと言って、リーも自分でお茶を淹れた。

中にいたイギリス人は巡礼者で、自転車でカミーノ巡礼中だった。コーヒーも飲んでトイレも借り、アンナと今日の目的地に向けて出発。

今日はカルカボソを目指す予定だったのを、洪水のためリオロボスに変更した。こんなに予定を変更することになるとは思わなかった。

アンナは昨日のアルベルゲで会ったが、他の人とあまり話さなかったので寡黙な人かと思っていたけど、道中ノンストップで喋りまくっていた。

イギリスに長く住んでいるのでイギリスアクセントの綺麗な英語を話す。時々聞き取れないこともあるが、さほど問題ないだろうと思って聞き流している。

カミーノの話から、スコットランドの話、登山する人はなぜ頂上が好きなのかという話、川旅の話、輪廻転生の話、瞑想の話…

雨の中黙々と一人で歩くより、アンナがいて良かった。話に夢中になり水たまりを避けきれずあれだけ靴を死守してきたアンナも最終的に濡れることはどうでも良くなっていた。

リオロボスに到着し、開いてる商店に走り食材をゲット。アンナは一緒に飲もうと魚介風味のスープ(具なし)も購入してくれた。店を出る時、「お腹が空いてしょうがないんだけど、バルに寄らない?」と誘われ、一緒にバルへ。入ったバルはとても親切なウェイターさんで、肉を食べないアンナのために色々と食材を提案してくれた。私は決まって肉。

パンも美味しかったけど残したので夕飯用に持ち帰り、雨の中宿に向かった。

同じタイミングで反対から歩いてきた巡礼者と一緒にチェックインし、アンナと私がツインの同室、ドイツ人のクリストフは横の寝室、バスルームとリビングは共用だ。

宿のオーナーが、玄関の薪ストーブの近くでブーツを乾かしなさいと言ってくれたのでそうさせてもらった。新聞紙ももらい、ブーツに詰めた。

部屋でベッドに手をつくと、また激痛。やっぱり痛めてる…。

シャワー後足裏を確認すると、右足はほぼ良し、左足が悪化、という感じだった。

リーも到着し、リーはクリストフの部屋に。
明日は皆カルカボソ止まりで、その次の日の迂回路について頭を悩ませた。

カルカボソから先も洪水で正規ルートを進めない。道路を歩くか、ビアベルデという線路跡を歩くか。リーはこんな天気が毎日続いて宿泊費が嵩むなら、もう帰ろうかな、と言っていた。

いよいよバスの選択肢もよぎる。ルートが分断されてしまい、迂回するだけで余計に日数が嵩んでいた。このままじゃ予定通りにサンティアゴには辿り着けそうもないし、道路を歩きに来たわけでもない。毎日色んな情報が入ってくる。

リーも一緒に3人で食事をし、クリストフも後から混ざって4人でお茶をして眠りについた。

歩いた距離
23.7km
使ったお金
アルベルゲ20€
スーパー7€
ランチ10€
合計37€

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