スガ旅

夫婦で世界の大自然を歩いた旅の記録

vía de la plata(銀の道)㉓

DAY23

El Cubo del Vino → Zamora(31.6km)

疲れていたのか、ものすごく熟睡できた。7時前に起床。顔を洗って食堂へ。

バゲットやお菓子、コーヒーの準備がされていて、冷蔵庫には牛乳やジュースも用意されていた。
バゲットは自分で好きなだけ切って焼いて食べる。
イチゴジャムがなかったので、持参してるイチゴジャムを塗って食べる。ギャビンもジャムに不服そうだったのでイチゴジャムをあげると喜んでいた。

今日は31kmの行程。昨日と同じくらいだけど、8時に出発したので昨日よりは早く着けるだろう。

入り口の馬に別れを告げ、出発!今日は雨は降らない予報だ。

まずは13km先の村を目指して軽快に歩き出す。
昨日あれだけ疲れていたのに、睡眠を取ると回復するのがすごい。後ろからギャビンがやってきて、あっという間に抜かされる。彼の一歩は私の3歩だ。どんどん遠くなるギャビンを追いかけるようにスピードを落とさないように歩く。でもギャビンは見えなくなった。

次にドイツ人のおじさんが後ろからやってきて、「早すぎる、ここまで5kmを55分で歩いてる、早すぎる…!」とぶつぶつ言いながら私を抜かしてあっという間に見えなくなった。みんな早いなあ。

次の村でコーヒー休憩する気満々だったので、一度も休憩することなく13km先の村に到着。が、嫌な予感。Googleマップで見てみると、村にバルがない…だと…?

不安気にゆっくり村の中に入っていくと、後ろからイタリア人夫婦のイヴァンとジョアンナ、そしてドイツ人のマティアスが到着。
マティアスが、「ホテルがあるからホテルならコーヒーくらい出してくれるでしょ」と言ってホテルまで先導してくれた。

ホテルは閉まっていて、でももう座りたかったのでホテル前で4人で座って休憩した。

次の村にあることを祈って!と言ってそれぞれ順々に出発。次の村は4km先だが、ルートから1kmそれた所にある。Googleマップ上では営業しているバルがあった。

ここから4kmがなかなか遠く感じ、だんだんトイレに行きたくなって来た。
ルートからそれて村が見えて来た。膀胱も限界!村の入り口にバルも見えてる!このままトイレに直行だ!

バルの入り口のテラス席にはイヴァン夫妻が座っていて、満面の笑みで私が向かって行くと、「ベリーサッドニュース…バルイズクローズ」と悲しい顔で私に告げた。

嘘でしょ…仕方なくテラス席に座る。トイレに行きたくてしょうがないけどここではできない。
とりあえずエネルギーを注入すべくトルティーヤにマヨネーズを塗って2枚食べた。
イヴァン夫妻は出発、私は途方にくれていた。
神様が、もう無駄な金は使うなと言っているのだろうか。

次の町は目的地のサモラだ、ここから16キロ。
膀胱の限界を感じたままヨロヨロと出発、早くトイレを見つけなきゃ…

村を出て坂を登りながら、ひたすらにトイレが出来そうな茂みを探す。景色なんてもはやどうでもよく、茂みだけを血眼で探した。

坂を登り切ったところに良さそうな茂みがあり、迷わず突入。車からも町からも隠れられそうな場所を発見してよし!と思ったら他の人のトイレの痕跡あり。ここはみんなのトイレだった。

トイレを無事に済ませて生き返った私は茂みを掻き分けて道路に復活。サモラを目指してもうひと頑張り。

丘を登るとサモラの町が見えた!しかし距離はあと11km、こんなに早く町が見えるのは悪い兆候だ。

歩いても歩いても町が近づかない。足が痛い、疲れた、残り6km地点からベンチが出現しないか祈り続けたけど現れず、座れそうな石を見つけて倒れ込んだ。石の周りにはミカンの皮が落ちていて、私と同じ状態になってたんだろうなと察する。

5分くらい座り込み、座っていても町には着かないと言い聞かせて立ち上がる。あと6kmだ、頑張れ!

少し座ったおかげか普通の速度で歩けるようになり、このまま1km1km距離を縮める。

町に入り、黄色の矢印を追って歩く。
川に近づくと、「石橋閉鎖」の看板が出現。アルベルゲは石橋を渡ってすぐなのに…!

仕方なく迂回して他の橋を渡る。とても遠く感じる。

橋を渡り、2kmほど川沿いを歩いて涙のゴール。やっと着いた…!

アルベルゲは教会の裏にあり、寄付制だった。私の到着時にちょうどマティアスとギャビンが受付していた。

受付では、このまま北上してフランス人の道に合流するか、西に折れてサナブレスの道に入るかを聞かれた。サナブレスの道を選んだ。

アルベルゲは外観よりもかなり大きく、地下に向かって広がっていた。一番遅く着いた私は4人部屋に一人きり、結果1人部屋になった。

早く着いた人から詰められていくのか、なんだかラッキーだった。

キッチンはあるか聞くと一番地下にあり、広くてきれいで何でもあって、とにかく最高だった。
電気ポットでお湯を沸かそうとしたら、キッチンにいたイタリア人のアンナが沸かしてくれて、同じくキッチンにいたイゴールと3人でコーヒーを飲んだ。置いてあったクッキーも食べた。
アンナは初対面だったが、私を見るなりニコニコして近づいて来て自己紹介をしてくれて、とても素敵な女性ですぐに大好きになった。

みんなどこから歩いて来たのか、アルベルゲには初対面の人が他にもたくさんいた。

イタリア人のアンナがコーヒーに牛乳を入れたいと言っていたので、買い物がてら商店で牛乳を買って冷蔵庫の「巡礼者用」と書かれた棚に入れておいた。

夕方、マティアスとギャビンと3人で町をぶらぶら歩き、大聖堂を見に行ったけど時間外で中は見られなかった。クレデンシャルにスタンプだけもらった。

晩御飯を食べに行き、夜9時過ぎまで3人で話した。難しい英語はわからず、2人は何度も簡単な英語に言い換えて会話してくれた。「デザート全部頼もう」と言って3種類全部頼み、3人でシェアした。食事代はギャビンが支払ってくれた。「楽しい夜、楽しい仲間だったからいいんだよ」と言ってくれた。私もそんな優しいおばさんになりたい。

カミーノもいよいよ後半戦、もうすぐビアデラプラタを離れサナブレスの道に入る。
ここまで来た自分を褒めてあげたい。

歩いた距離
36.2km
使ったお金
アルベルゲ15€(寄付制)
商店4.8€
合計19.8€(≒3,200円)

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