DAY26
Tábara → Villanueva de las Peras(14.1km)
朝7時起床。夜中の3時にトイレに起きた時、立ち上がれないくらいのかかとの痛み。つかまり立ちが精一杯で、壁をつたってトイレに行った。
トイレから戻り調べると、足底腱膜炎か?寝起きが一番痛いらしい。でも、しばらく動くと慣れるとも書いてあった。日本にいるショータ君に頼んでテーピングの資料を送ってもらい、朝から試しに貼ってみる、が、急いでいたため正確に出来ているのかはかなり不安な感じ。
朝ごはんは7時半、今日はボブの誕生日で、朝からみんなでハッピーバースデーを歌った。8時にはみんな出発、今日の目的地ではイタリア人のアンナがパスタを作り、みんなでボブの誕生日会をする予定だ。目的地の村には商店がないので、一つ前の村で買い出しをしてから進むことになっていた。今日は土曜日で商店は14時まで。私の足では14時までに商店には着けないと思う、と言うと、みんな「そんなこと君は心配するな、君は何も運ぶ必要はないよ!」と頼もしい返事をもらった。私はとにかく1日かけて22km先の目的地を目指そう。
アルベルゲを出て15mほど歩き、あまりの痛みに落胆した。いや、無理だ、歩けない…。
町から出る直前に方向転換し、町に戻り、バルに入った。10時に開店する薬局の目の前だ。
1時間、ここで頭の整理をしようと思った。夫にも姉にも電話をかけた。そして泣いてしまった。悔しい、情けない、歩けない。
サンティアゴまでは疲れは出ても歩けると過信していた。こんなことになるなんて想像していなかった。
悔しくて悔しくて、どうしようもない。とにかく痛み止めを買い、サポートになるものを買おう。
開店直後の薬局は混んでいたが、私の番が来て、Google翻訳で足底腱膜炎だと思う、と伝える。鎮痛剤や貼り薬、塗り薬、何でもいいから欲しいと。
店主はすぐに鎮痛剤を持って来てくれて、足首のサポーターと、インナーソールも勧めてくれた。全部で24€。ここで準備して行くか?と聞かれ頷くと、店の奥に椅子を用意してくれて、そこで準備させてもらった。薬を飲む用に水も用意してくれた。本当に優しかった。
薬局のお客さん一同に「ブエンカミーノ!」と見送られ、いざ出発。
足の痛みは引かないが、亀の歩みでルートに戻る。一番近い村まで3時間、14km。このスピードでは3時間では着かないのはわかっている。でもとりあえず歩いてみよう。
30分ほどで徐々に薬が効き始める。痛みはあるが何とか歩ける。歩けるうちにと少し歩調を上げる。
2時間ほどでまた痛みが復活、ゆっくりペースに戻る。雨も降ってきた。
今日22kmの行程で良かったと喜んでいたのは昨日のこと、今は22kmが果てしなく遠く感じた。14km先の村ですら遥か彼方のようだ。
ボブの誕生日会のことや、自分の足のこと、色々と考えながら歩き、やっと村に到着。とりあえずバルに入って生ハムサンドとカフェコンレチェを頼んだ。14時過ぎだ。ここから目的地の村まで8km。このまま無理したら今度は右足をダメにするかもしれない。
心配して連絡してきたアンナに、今日はそっちまで行かれないと返信する。マティアスにも、今日はここでストップすると連絡した。
バルを出てアルベルゲに行くと、入り口に電話番号がかかっていた。電話をかけ、入り口にいることを伝えると、4時に行くから中に入って好きに使っていて、と言われた。夕食は食べるかと聞かれ、食べると答える。
中に入るととてもきれいなアルベルゲで、私だけだった。タバラからすぐなので、きっとみんなスルーするのだろう。ありがたく好きなベッドを選び、シャワーを浴びさせてもらった。
4時にオスピタレロが来て、受付してもらう。
ショータ君が心配して日本の夜中にも関わらずメッセージで色々と症状を聞いてくれて、ストレッチ方法を教えてくれた。あまりにも細かく症状を聞いてくれるので、だんだんと目の前にショータ君が見えて来た。ストレッチをするとだいぶ楽になって助かった。
アルベルゲに巡礼者は訪れず、貸切となった。キッチンもテラスも寝室もバスルームも独り占め。ホテル以上だ。これで一泊12€。
夕食は19時にオスピタレロのパトリシアが私一人のために手料理を振る舞ってくれた。一皿目はレンズ豆のスープ。スペインに来て度々食べているが、栄養価が高くボリュームも満点だ。パンをちぎってスープと一緒に食べる。気づけば3日連続でオスピタレロの手料理をご馳走になっている。普通の旅行ならまず体験出来ないので、カミーノならではの体験だ。
二皿目は豚肉のステーキとサラダ。ドレッシングはやはりオリーブオイルとバルサミコ、そして少しの塩。シンプルだけどとても美味しい。
最後はデザートのチーズフラン。絶品だった。
一人でゆっくりする時間が出来て良かった。荷物の整理をしたり、地図を見たりしながら普段なかなか出来なかったことを楽しんだ。今はこれでいい。
寝る前にアンナから写真と共に、"A big group hug"とメッセージが送られてきた。あったかいなあ。
オーディオブックでミヒャエルエンデの"MOMO"をダウンロードして、読み聞かせを聴きながら眠りについた。
歩いた距離
18.1km
使ったお金
バル2.5€
薬局24€
バル3€
アルベルゲ(ベッド+夕食)24€
合計53.5€(≒8,650円)
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