スガ旅

夫婦で世界の大自然を歩いた旅の記録

サナブレスの道⑩

DAY34

Ourense → Cea(22.3km)

今日からサマータイムで1時間時計の針が進んだ。日本との時差は8時間から7時間に。
7時に起床したけど、本当はいつもの6時。外は久々に薄暗い。何だか変な感じ。
8時出発を目標に、キッチンで朝ごはんを食べて準備する。

イングリッドとともに8時過ぎに宿を出て、町を出る前にバルに寄ってコーヒーを飲んだ(宿のコーヒーがまずかった)。

それぞれ目的地は一緒だけど、バラバラに歩く。イングリッドは足が痛そうだった。私もまだ痛い。小さな歩幅で少しずつ歩みを進めた。

オウレンセを出るまでずっと登り坂で、どんどん高いところまで登って振り返って町を見下ろした。
モホンは100kmを示すが、喜びはあまりなく複雑な気持ちだった。歩き続けていたらきっと嬉しかっただろう。こればっかりは仕方がない。

後ろから巡礼者が追いついて、「イングリッドの友達?」と聞かれた。そう!彼女に会った?と聞くと、「20分前に彼女から伝言を預かったよ。全て問題ない、心配しないでってさ」と私に伝えてくれた。良かった、安心した。
彼はオランダ人のピーター。優しそうなおじさんだ。

足の痛みはあったが、ポールをうまく使って負担を軽減させた。目的地までは頻繁に村を通った。1km、2kmごとに村があり、3kmから5kmごとにバルがあった。ご褒美のようなセクションだった。

午後からはかなり暑くなり、汗を流しながら歩いた。暑さに弱い私はどんどんゆっくりになっていった。

イングリッドと合流し、バルに入る。ピーターもいて、あとからスペイン人の巡礼者も来て、みんなでビールやコーラを飲んで話しながら休んだ。

ピーターは四国のお遍路を計画中だそうで、たくさん本を読んでると言っていた。フランス人の道以上に日本のカミーノに興味のある人が多く、しかもみんな結構本気で計画してる。

フランス人の道の時は、「日本にもカミーノがあるんでしょ?!」みたいなテンションの人が多かったけど、この道では「熊野古道も歩いたよ」とか、「今年の秋にお遍路に行く」とか、もっと踏み込んでる感じの人が多い。みんなが口を揃えて言うのが、「日本語が難しい」ということ。

そらそうだ、日本以外で話されてない言語だし、アルファベットじゃなく漢字、平仮名、カタカナと3種類もある。彼らから見たら私たちは希少な言語を操る魔術師なのだ。

スペイン語でにんにくのことを「ajo(アホ)」というのだが、「日本語で"アホ"は"stupid"という意味だよ」と教えてあげると、みんな一瞬で覚えて使い始める。「あまり使わないでね」の一言も忘れずに。

2回ほどバル休憩を入れて、夕方にアルベルゲに到着。オスピタレロは全然現れず、7時頃になって酔っ払った状態で現れた。

その後みんなでバルに行き、オランダ人、スペイン人、ドイツ人、日本人(私)と国際色豊かな面々でご飯を食べた。オランダ人のピーターが、「俺が誘ったから俺が出す」と言ってみんなの分を支払ってくれた。初対面なのになんだか申し訳ない。

銀の道はリタイア後で余裕のある人が多いせいか、度々こういうことが起こる。嬉しいけれど、自分がそう出来ない分少しバツが悪い。

歩いた距離
27.6km
使ったお金
バル2€
バル1.5€
バル2€
アルベルゲ10€
合計15.5€(≒2,500円)

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