スガ旅

夫婦で世界の大自然を歩いた旅の記録

サナブレスの道⑫

DAY36

O Castro → A Laxe(18.5km)

寝ている時も足が痛み、何度か目が覚めた。
朝7時に起床。イングリッドは先に起きていた。
ピーターも起きてきて、パンをカット。イングリッドはコーヒーを入れて卵を焼いてくれた。
みんな揃って朝食をとって、イングリッドは嬉しそうだった。

後片付けをして、8時半に出発。鎮痛剤は飲んだがなんだか右足も調子が悪い。

今日は20kmほどの行程で、足が大丈夫そうならもう少し進もうと思っていた。出だしからかなりゆっくり歩いて、3km先の村で早速バルに入った。サンティアゴで巡礼証明書をもらうには、サンティアゴから100kmの場所から1日に2個以上スタンプをもらわなければならない。アルベルゲで1個はもらえるが、他はバルに立ち寄った時にもらうのを忘れないようにしないといけない。

のんびり歩いていると、後ろからルイスがやってきた。私がスマホアプリでルート確認していると、矢印を信じろ、スマホなんか見なくて大丈夫だ!と言って颯爽と抜かしていった。そうだよな、いつからこんなにスマホを見るようになったんだろう。

サラマンカ以降、人と一緒にいることが多くなって少し疲れていた。歩き始める前は「孤独に耐えられるだろうか」と心配していたのに、終盤になって「一人になりたい」と願っている自分に笑えた。

自分のペースを崩さない強い意志が必要だ。人のペースに引っ張られては、自分の旅でなくなってしまう。

たくさんの人に抜かされたけど、今日のアルベルゲはベッドがたくさんあるから大丈夫。ゆっくり行こう。残り少ないカミーノを楽しもう。そんな気持ちでまたバルを見つけて立ち寄った。

好きな時に歩いて好きな時に休む。全て自分の好きにしていい。誰かに合わせる必要なんてない。

2回目のバル休憩の後は5kmで目的地に到着した。アルベルゲは人口50人の村にあるとは思えないほど近代的なデザインだった。中に入るとちょうどルイスとイングリッドが受付しているところだった。

受付を済ませ、コーヒーを入れてチョコレートを食べた。太郎に電話もかけた。

シャワーから出ると、数日前に会ったソフィアが到着していて再会を喜んでいたら、受付の方から懐かしい声が聞こえてきた。ボブだ。めちゃくちゃ嬉しい!久々の再会だった。

その後も次々に巡礼者が到着し、夕ご飯は大人数でバルに行った。

ボブに、「次はどのカミーノを歩くんだい?」と聞かれ、「北の道に行ってみたいけど、今回歩けなかったセクションもまた歩きに来たいな」と答えた。
ボブは、「歩く必要はないよ、君がその足で毎日歩いた20kmは、普通に歩ける人の40kmよりはるかに重いんだ。歩けなかったパートのことなんて考えなくていい」と言われ、急に涙が溢れてきた。同じ道を同じ条件で歩いた人に言われたからなおさらだ。ボブは私の1日後にセビージャを出発していて、全部わかっている。「ありがとう、ありがとう」ボブの手を握ってそう言った。

歩いた距離
21.2km

使ったお金
バル1.5€
バル2€
バル9€
アルベルゲ10€
合計22.5€(≒3,600円)

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