スガ旅

夫婦で世界の大自然を歩いた旅の記録

私たちのJMT(ジョンミューアトレイル)⑦

13日目(DAY127)

Bear Creek-Selden Pass-Piute Canyon Trail Junction(13.4マイル/21.6km)

目覚ましをかけて寝ていたのは最初の2日間くらいで、それ以来ずっと自然に目を覚ました時間に起きています。

今朝は7時前に起床。朝ごはんにお湯で作るマッシュポテトを一袋、夫と分け合って食べ、8時半に出発です。

今日はセルデンパス(標高3,321m)を越え、ミューアトレイルランチ(MTR)の先まで行く予定。
MTRはJMTのルートからそんなに遠くなく人気のリサプライポイントとなっておりますが、ストアはないため、基本的にはあらかじめ荷物を送った人が立ち寄る場所です。宿もありますが、現在1泊のみは受け付けておらず、2泊か3泊の客のみ受け付けている様子。私たちは荷物を送っていないため、MTRはスルーしてその先まで行く予定です。

本来であれば13日目の今日はMTRあたりからスタートの予定なので、少しずつ距離を取り戻したい…!

セルデンパスまでの道のりは思いのほかなだらかな登りでしたが、朝ごはんのマッシュポテトが足りなかったのか1時間もするとバテバテの私。休憩のたびに何かを口に入れて凌ぎました。

セルデンパス手前のマリーレイクがあまりに綺麗だったため、ここでも休憩。窪んでいる場所がセルデンデンパス。思ったより低くて嬉しい。

セルデンパスを越えると、すぐにハートレイクが見えて来ます。とりあえずハートレイクまで降りて休憩することに。

VVRで買ったピーナッツバタークラッカーに、トゥオルムメドウでアンソニーからもらったピーナッツバターを塗ってお昼ご飯。


終わって欲しくないくらい美味しかった…。

休憩していると、ヨシュアとクリスティーナが通りました。今日はどこに泊まるの?と聞くと、「MTRの奥の温泉があるところでキャンプするよ!」とのこと。確かにMTRの裏の方に温泉が湧いているポイントがあるという情報はキャッチしていましたが、水たまりのような温泉だとか…。
「MTRにはフリーフードがあるから、もし食糧必要だったら漁りに行こうぜ!」と言っていたけど、私たちはVVRで一応補給済みなので、寄り道はせず前に進むことに。

ここから一気に2.3時間くらい下ったところにMTRとの分岐があります。


分岐の標高は2,547m。

お腹も空いていてMTRのフリーフードが頭の中で手を振っていたけれど、私たちは前に進まないと!と夫と二人MTRの誘惑を我慢し、キングスキャニオン方面へ進みます。

お昼にピーナッツバターを食べてから、ずっとピーナッツバターの事を考えながら歩いていました。
ピーナッツバターをたっぷり塗ったパンが食べたい。オニオンバレーに下りたら絶対にピーナッツバターとパンを買おう。この先の旅でもピーナッツバターは常に持ち歩こう、と。

喉の渇き、止まらない汗、汗が乾いて塩だらけになったTシャツとキャップ、カサカサに乾燥して白くなった唇。
シエラの灼熱の太陽が私たちを苦しめます。とにかく水がある場所まで行かなくては…。

立派な橋が架かった川に辿り着き、水分補給。ここからはキングスキャニオン国立公園に入ります。

実感が湧きませんが、ついにJMTも半分を歩き切ったのです。

この辺でキャンプ地を探そうと、橋を渡って少し行くと、川沿いにファイヤーピットを発見!

もう歩き疲れたしここでキャンプしよう、とテキパキと設営。

あれ、なんかいつもと違う…
蚊がいない…?

川沿いにもかかわらず、蚊がいないことに気がつきました。何ということでしょう。日頃のストレスの90パーセントを占める蚊問題が、突然消えたのです。

すぐにバケツで川の水を汲み、手ぬぐいを濡らして身体を拭いたり頭を拭いたりし、今日汗だくになった服も水洗い。タンクトップでいても蚊に刺されない…!


妖怪あずき洗いかと思ったら夫だった。

とても快適に仕事を済ませ、夕飯の準備。

今日はVVRで購入したフリーズドライフードと、しじみワカメスープ。味も美味しくて大満足!(多分何を食べても美味しい)

ここからは食糧は減る一方、軽くなるのは嬉しいけれど、食べ過ぎて後々飢えないように気をつけないと…。

野菜不足解消のため、食後に二人で青汁を飲んで就寝。明日は当初の行程を取り戻せるかな。

  • 実際の歩行距離(iPhoneヘルスケア調べ):25.8km


14日目(DAY128)

Piute Canyon Trail Junction-Evolution Lake(13.4マイル/21.6km)

朝6時半に起床。今日も食糧は無事でした。

朝からラーメンを食べて今日の長丁場に備えます。
昨日25kmも歩いてくたくただったのに、寝て起きるとまた歩けるのが不思議。私の行動食はあとわずか、オニオンバレーまでは確実に持たないので、朝ごはんのラーメンパワーに期待。

8時半に出発。今日は出発前にアミノ酸の粉を飲んでみました。

今日エボリューションレイク(標高3,314m)まで行ければ完全に行程を取り戻したことになるけれど、無理はせず行けるところまで行こうと思います。

サンホアキン・リバーの渓谷沿いをずっと歩きます。こんな崖っぷちにも馬の糞が落ちていて、馬がここを歩いている姿を想像すると、絵になるなあと思いました。

キングスキャニオン国立公園は、今までとは違った雰囲気。

正午、ちょうど川沿いにいいスポットを見つけたのでお昼休憩。私はお腹が空きすぎて、チーズ1本、サラミ1本、コーンのスナックを食べてしまいました。この後も長いのに止まらない食欲…

この休憩の後、すぐに渡渉ポイントにぶつかりました。浅そうに見えて中央は割と深く流れも強かった…。トレッキングポールは必須だなと感じました。

午後2時半、昨日のキャンプ予定地だったエボリューションメドウに差し掛かりました。日本で予定を組み立てた時はそこがどんな場所だかあまり想像もしていませんでしたが、「メドウ=蚊が多い」ことが多いので、ここに宿泊せずに正解でした。


蚊は多いけど美しい風景。

3時を過ぎてから、暑さと空腹でバテバテに。全然力が出ない…。夫は私より食べていないのにさくさく歩いて、すこし先で私が来るのを待っています。

エボリューションレイクまではまだ登りが続くので、今日の私の状態では無理と判断。エボリューションレイク手前2キロ地点まで登り、キャンプすることにしました。

汗をたくさんかいて髪の毛がベタベタだったので、バケツに川の水を入れてゆすいでもらいました。心なしかさっぱりしたけど、ベタベタはやはり変わらず。

午後6時半、フリーズドライフードを二人で分けて食べ、食後にカモミールティーを飲みました。


VVRのハイカーボックスからゲットしたフリーズドライフード。美味しかった…!

あと6日、飢えとの戦いが始まったと同時に、食べたいものばかりが頭に浮かんできた1日でした。

オニオンバレーに降りたらすぐにコーラとポテチを買おう。ピーナッツバターと食パンも買おう。JMTが終わったらFRIDAY'sのポークリブが食べたい。などなど。

夫はダイエットになるかもとポジティブに考えていて羨ましい…。夕飯を食べ終わったそばから明日の朝食を楽しみにしている私でした。

  • 実際の歩行距離(iPhoneヘルスケア調べ):21.9km

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