15日目(DAY129)
Evolution Lake-Muir Pass-Starr Camp(9.6マイル/15.4km)
朝6時半起床。標高は3,100mくらいだったのに、不思議と寒くありませんでした。
キングスキャニオン国立公園では標高10,000フィート以上は焚き火禁止のため、昨晩も今朝も焚き火はなし。そのためいつもより早く準備が出来ました。
私の朝ごはんはオートミール(2袋)、夫はクリフバー1本のみで罪悪感。岩の上に置いておいた水洗いのみの洗濯物も乾いていて、カリフォルニアの乾燥具合にちょっと怖くなりました。
午前8時出発。今日はいよいよミューアパス(標高3,644m)を越えますが、JMTの象徴とも言えるミューアハットを生で見ることができます。
ミューアパスまでの道のりは長く、いくつもの湖を越える必要があります。
まずは昨日の目的地、エボリューションレイクを目指します。朝の空気は冷たいけれど、蚊も少なく一番歩きやすい時間。
大きなエボリューションレイクに到着。ここでキャンプできた人たちが羨ましい!
ミューアパスに向けて水も補給します。
大きな川に差し掛かると、飛石が敷かれていました。靴を脱ぐ手間が省け、大変助かります!
ミューアパスへの道は絶景の連続。3,300mを越えた空中庭園のようです。
ミューアパス手前のワンダレイクへ登って行きます。
ワンダレイクの圧倒的な美しさに感動。どの湖もものすごい透明度です。泳ぎたいけど冷たそう。
ワンダレイクを過ぎるといよいよミューアパスに向けての最後の登りです。お腹すいた…
雪渓もまだ残っていますが、きっとこれでもだいぶ溶けたのでしょう。
ゆっくりゆっくり登り、午後1時半頃やっと到着!
ドキュメンタリー映画でも見た、あのミューアハットに来れた!
クリエイター集団がJMTを歩くドキュメンタリー映画。出国前に3回は観ました…!
到着すると、すでに休憩中のハイカーから「おめでとう!」と声をかけられました。もうここで終わっていいくらい満足。
私の前に到着したハイカーは、「めっちゃ腹減った!」と言ってお湯を沸かしてパスタを食べ始めました。しかもパスタを茹でる間m&m'sをむしゃむしゃ食べていました。
くそっ羨ましい…!パスタが羨まし過ぎて、ミューアハットの感動よりもまた食べ物のことばかり考えてしまいました。
反対側から到着したファンキーなおじさんが、せっかくだからと言って私たち夫婦の記念写真を撮ってくれました。
ミューアハットはこじんまりした避難小屋で、とてもかわいらしかった。
午後2時過ぎ、下山開始。今日はStarr Campというキャンプ地が目標だけど、行ければもう少し先まで行きたい。
ミューアパスからの下りの南側は、登ってきた北側よりも雪渓がたくさん残っていて、踏み跡がない場所は迂回路があるはずなのにそれらしき跡が色んな場所に散らばっていて分かりにくい!
踏み跡がある雪渓も、もう弱くなっている箇所が多く踏み抜いてしまう場所も多々ありました。
深めのスプーンカットをトラバース中に滑って転んでしまい、ザックを下にして仰向けにハマってしまって身動きが取れなくなり焦りました。まるでひっくり返って起き上がれない亀状態。
仰向けのままザックを一度外して雪渓の上でバランスを取りながら体制を立て直し、無事に渡り終えました。びっくりした…。でもシエラの青空は綺麗だった。
そのあともトレイルが水没して迂回したり、なんだか予想を遥かに越えて大変な下りでした。同じ方向のハイカーも、みんな「今日はハードだね…」とゲッソリしていました。
午後5時前、目的地のStarr Campに到着。もうくたくたに疲れたのでここまでにしました。
近くに川があり、とてもちょうどいい岩もあったので、久々に川で髪を洗いました。
水洗いだけだけど、気持ちいい!あとで見たら虫の死骸がたくさん流れていたけど、そんなんもはやどうでもいい。
夕飯は米を大量に炊いてごま塩ごはんと味噌汁!
お腹いっぱい米を食べて、久々に満足できました。
食後はVVRでバラで1つだけ購入したココアを一口一口大切に飲み、心から幸せを感じました。
- 実際の歩行距離(iPhoneヘルスケア調べ):17.4km
16日目(DAY130)
Starr Camp-Deer Meadow(11.8マイル/19km)
今日も6時半起床。向かいの山が朝日に照らされて綺麗でした。
昨日の米が効いているのか、二人ともあまりお腹は空いていません。
夫と相談し、朝は抜いて昼ごはんにフリーズドライを食べようということになりました。何も食べないのも良くないので、夫はサラミとチーズを、私はジップロックに入れた原型をとどめていないミニドーナツのクズをスプーンですくって食べました。
8時に出発。今日はパス越えはないものの、明日のマザーパス越えに備えて少し登っておきたいところです。
キャンプ地からはひたすら下りが続きます。絶景の連続で、まだ私にも景色に感動する心が残っていることに感動。
1時間も経つと、だんだんお腹が減ってきました。今日はなぜか9時過ぎから猛烈に暑い…。いつもは10時半くらいまで動きやすい気温なのに、おそらく日陰が少ないからでしょう。トレイルの白い砂や白い岩は太陽が反射し、上からも下からもモワッとした熱気が襲ってきます。まだ下りは終わらないのか…
しばらく降りると、ビショップパストレイルとの分岐がありました。ビショップパストレイルからビショップの町に降りる人も多く、昨日ミューアハットで出会った奥様もビショップに降りて、オニオンバレーへショートカットすると言っていました。
ビショップパストレイルに向かうハイカーを羨ましそうに眺めながら休憩。いいなあ。コーラ飲みたいなあ。
そこから更に下ると、今日の行程の一番標高の低いポイント(標高2,472m)に着きます。ここからはマザーパス(標高3,688m)に向けて登りになるので、11時前ですがお昼ごはんにします。
フリーズドライのラザニアを二人で分けて食べました。美味しい…そして足りない…。
ラザニアを平らげた後、力を振り絞って登りに入ります。汗が滝のごとく流れ落ちる。
自分から嗅いだことのないような臭いにおいがして、メンタルも崩壊寸前。今すぐ川に飛び込みたい。
今日の目的地まであと4㎞。どうでもいいから早く川に入りたい。
午後3時半、獣臭のする二人がやっとたどり着いたキャンプ地は、目の前に川が流れる理想的なサイト!
急いで設営し、ズボンもまくらずにジャバジャバと川へ入り豪快に頭をゆすぎました。冷たいけど気持ちいい…!
流れが強くて全身浸かることは出来ないので、手ぬぐいを絞ってテントの中で全身拭きました。その後、着ていたものも全部水洗い。バケツの水がすぐに真っ黒になるくらい汚れていて切なくなります。
洗濯物を干し終わり、晩ごはんの準備を始めていると、二人のハイカーがやってきて、設営場所を探しているようでした。
私たちのすぐ横がフラットだったようで、ここに張ってもいいかと聞かれたので、もちろん!と返答。良かったら焚き火もしてるからこっちでごはん食べてね、と言うと、すぐに嬉しそうに焚き火の方へ移動して来たかわいい二人。
二人はカリフォルニア在住で、セクションハイクのよう。私たちとは反対方向で歩いていて、オニオンバレーから来て今日が4日目とのこと。
二人とも日本に来たことがあって、今までの旅行先でベスト3に入るくらい京都が良かったと話していました。好きな日本食は「モチ」だそう。
私たちの旅行の話も興味津々で聞いてくれて、アルゼンチンの料理は最高だから絶対行った方がいい!と言っていました。行きたい…!
私が日々の中で疑問に思っている英語を投げかけると、丁寧に二人で解説してくれたり、思いがけず楽しい夜になりました。
寝る前に連絡先を聞いてくれて、今後の動向も教えて!と嬉しいことを言ってくれました。
VVRに向かっているそうで、どうだった?と聞くので、天国みたいなところだよ、と教えてあげました。私たちが明日越えるマザーパスは彼らが今日越えたばかりで、「本当に美しいから覚悟して!」と言われました。
- 実際の歩行距離(iPhoneヘルスケア調べ):16.9km
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