スガ旅

夫婦で世界の大自然を歩いた旅の記録

私たちのカミーノ③

6日目

Estella → Los Arcos

チェックイン時に朝食をお願いしていませんでしたが、何やら美味しそうだったのでホステルで朝食を食べることに。

パンの食べ放題はやっぱり嬉しい。食パン5枚をペロリ。同部屋だったアイルランド人のバーニーとお別れして出発です。


宿にかかっている大きな広告に日本語が。


「ホステ」

エステージャの教会の前を通り過ぎます。かっこいい。

さあ、今日は噂のイラーチェを通過します。イラーチェにはワインの泉があり、巡礼者はワインを飲むことが出来ます。限りがあるらしいのですが、まだ朝の9時半なので大丈夫でしょう。

すでに多くの人が誘惑に負けています。皆さん朝から楽しそう。

これが噂のワインの蛇口…!横には水の蛇口もあります。

私は飲まないので、夫がワインを堪能。色はロゼっぽくピンク色でした。

イラーチェを去ろうとすると、1人のアジア人男性に話しかけられました。彼は韓国人で、ソンさんといいます。激烈にお話好きのようで、1時間ほど一緒に話しながら歩きました。

途中でベルギー人夫婦と台湾人の女の子と出会い、混沌としたグループで歩みを進めます。フランス語が少し分かる私と中国語が分かるソンさんで、各国の言葉がごちゃまぜに。しばらく一緒に歩いたあと、登り坂に入ったので私たち夫婦はスピードを上げて先に進みました。

小さな村に到着し、カフェで一休み。マリアが後からやってきて、さらにはジンも追いついて、皆で一緒にケーキを食べました。
何の気なしに、マリアに「どうしてカミーノを歩こうと思ったの?」と聞いてみると、マリアは一呼吸おいて、これまでの大変な人生を語ってくれました。
私より若いのに、いっぱい辛い思いをして、夢だったカミーノに来る決心をしたんだなあと思うと目頭が熱くなりました。
トイレとスタンプを済ませ、皆それぞれのタイミングで出発。このサラっとした感じが心地よいです。


今日もぶどう畑。

マップ上で水場マークがあった箇所にジンがいたので休憩。と思ったら水は出ず…。とりあえず座って休憩をしていると、マリアも来て、またみんなで大休憩。ブラジル人の80歳のおばあちゃん(彼女の名前もまたマリア)と、カミーノ上で知り合っておばあちゃんと一緒に歩いているブラジル人の男の子も一緒に休憩しました。おばあちゃんマリアはポルトガル語で話していましたが、何となく通じるのが不思議。
身体は歳を取っても魂は皆と同じだから大丈夫、と言っていました。素晴らしいバイタリティ。


みんなで集合写真。

ジンが生ハムを取り出してみんなに分け始めたので、私たちも持っている食料を出すと、ピクニックが始まりました。私たちのザックがなぜこんなに大きいのか分かった、と感動するマリア。
長い休憩を取ったあと、各々のタイミングで出発します。

今日は炎天下の中、なかなか水場が出てきません。汗だくで前を歩いていた台湾人のチンを追い越します。

次の村まで水が飲めないと思っていたら、突如フードトラックが出現しました。
店じまいの途中でしたが、急いで缶ジュースを購入。一気飲みしました。
チンもギリギリたどり着き、ペットボトルの水を3本も購入していました。よっぽど喉が渇いていたんだな…


ベビーカーでカミーノを歩く家族。

さあ、ロスアルコスまであと少し!
村に入る手前で休憩していた韓国人のソンさんにヨーグルトをもらい、一緒に村に入りました。
ソンさんは友達が宿を確保してくれているとのことで別れ、通りすがりの犬の散歩中だったおじいちゃんに宿はどこかと尋ねると、どこも満員だからうちに来なさいと言われました。
どうやらおじいちゃんは宿のオーナーで、地下の部屋が空いてるから40€でどうだと言ってきました。
部屋を見せてもらうとシングルベッドが2つ、ドアはないものの個室のような感じだったので、35€でハンマープライス。


ドアがないのでたまにいきなり犬が入ってくる部屋。

お腹が空いていたので、とりあえず荷物を置いて広場へ。

夕飯前なのでちょっとだけつまみます。


宿の鍵のアットホーム感がすごい。

ロスアルコスは教会の前が広場になっており、バルもあって居心地が良いです。

村の入り口にこんな門があるのをよく目にしますが、中世からずっとここにあるんだなあと思うと映画の世界のようでうっとりします。今にも馬に乗った騎士が登場しそう。

さて、今日は日本では中秋の名月、お月見です。ジンが、「中国のムーンパーティの日だからみんなでご飯を食べたい!」と言うので、ジン、マリア、チン、私たち夫婦の5人で夕飯を食べることにしました。
シャワーを浴びて、口コミ評価の高かったお店へ。

それぞれ巡礼者メニューを選びます。

店内の壁に描かれていた絵がシュール過ぎて、直視できません。

食後に壁画の前で集合写真。マリアがボソッと「私だけ養子みたい…」と言っていました。

広場まで戻るとベルギー人夫婦と再会し、明日が最終日だけどチンにはもう会えなさそうだから連絡先を渡しておいてほしい、と言われ、大事な任務を請け負いました。

7日目

Los Arcos → Viana

朝7時過ぎに起床。久々に熟睡した気がします。
身支度を整えて8時頃宿を出ます。教会前の広場まで行き、朝ごはん。

カフェコンレチェとトスターダ。

食べ終わって村を出ようとした時に、マリアとチンに会いました。昨晩ベルギー人の老夫婦から託された連絡先をチンに渡して、いざ出発です。

今日はログローニョという大きな村まで行く行程を組んでいましたが、距離は29㎞。宿も確保していないしちょっと遠すぎるので、ログローニョ手前のビアナという村を目指すことにします。

トスターダで全くお腹が膨れなかったので、まずは次の村である8キロ先のサンソルへ。日陰なし、単調な道で早速消耗…。1時間半ほど歩くとサンソルらしき村が見えてきました。

前を歩いていたジェニーにも追いつき、一緒に休憩。私は2回目の朝食にクロワッサンを注文。クロワッサンは美味しくて大好きだけど、空気みたいであまりお腹が膨れない。

ジェニーに中国のどこに住んでるの?と聞くと、今はタイのチェンマイに住んでいるとのこと。もともとフリーランスで仕事をしていて、全てオンラインで仕事が出来るそう。かっこいい…!
とはいえ、今の生き方を確立するまでには苦労したんだろうな。

体力のある彼女はログローニョまで行くそうで、私たちの宿泊予定地のビアナでランチするとのこと。休憩中にビアナでのランチスポットを探し、美味しそうなステーキハウスを発見。私たちもここに向かうことにしました。

ジェニーが出発すると同時にマリアとチンも到着。結局1時間も休憩してしまいました。
チンがおもむろに「ここに行きたい」とグーグルマップの情報を見せてきたのが、ジェニーが目指しているステーキハウスでした。
やたらと肉を食べたがるアジア人の私たちに、マリアは終始不思議そうな表情を浮かべていました。


マリア撮影。

ここからビアナまでは12㎞。今日も暑さとの戦いです。流れ落ちる汗が目に入っては手ぬぐいで顔を拭き、「暑い…」と呟きながらぶどう畑の間をとぼとぼと歩きます。途中何度か道路を歩く部分もありました。

午後1時半、道端に「BAR」と書かれた看板を見つけ、こんなところにあるわけないよ…と思いながら歩いていたら本当にありました。

缶コーラ1本2€とお高めでしたが、ついでにパンも買って食べました。マリア様も遅れて到着し、一緒に休憩。日本の映画の話をしたりして、30分ほど足を休めました。

ビアナの町に近づいてきたとき、ジェニーから「今日はお祭りがあるらしくて、ステーキハウスやってなかったよ!」とメールが入りました。
ついでに開いてたレストランの情報も送ってくれて、出来る女は違うな〜と感心。

村に到着し、村に入ってすぐの位置にあるアルベルゲにベッドはあるかと尋ねたところ、一発目で空きありでした。1人10€を払い、部屋に入ります。部屋は2段ベッドが4台、8人部屋でした。

オーストラリアのマイケル、イタリア人のフロールも同じ部屋でした。シャワーを浴びて洗濯をし、ベランダに洗濯物を干しに行くと、座ってタバコを吸っていた夫にお友達が出来た様子。彼はルーマニアから来たイリエ君。日本のアニメが大好きで、夫が日本人と知って色々話していました。
彼はここに来る前精神的にダメージを受けていて、病院に通っていたそう。この旅ではお母さんと一緒に歩いています。

お腹が空いたので旧市街の方に散歩に出かけました。街の人は皆赤と白の衣装で外にテーブルを出して食事をしていて、一体何のお祭りなのかさっぱりわかりませんでした。

ジェニーに教えてもらったレストランへ行き、ペレグリーノメニューを注文。


一皿目、パスタ。


二皿目、チキン。


デザートに自家製プリン!

大満足の内容でしたが、1人15€。ここしかやってなさそうだったので、ちょっと高いけど良しとします。

宿に戻ってベランダに行くと、若者たちがガヤガヤしているテーブルと、おじさんが一人静かに座っているテーブルがあり、おじさんのテーブルにご一緒させてもらいジュースを飲みました。

おじさんはベルギーから来ていて、リタイアしてからすることがなく、奥さんに行っておいでと背中を押されてカミーノに来たそう。さらに、ゴールのサンティアゴで奥さんが待っていてくれるそう。なんていい奥さん…!
ベルギーの歴史なども語って下さり、半分くらいしか分からなかったけれどいい時間を過ごしました。

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