25日目
Hospital de Orbigo → Astorga
だいたいのアルベルゲは7時半〜8時半くらいまでに出なくてはならないのですが、こちらのアルベルゲは出発時間が自由でした。何時まででも居て構わないそうです。
寄付制の朝ごはんを食べ、本日も日の出と共に出発です。
町を出るとまたすぐに分岐がありました。私たちは休憩のしやすそうな北の道に進みます。
3kmしか歩いていないけど、次の村で休憩です。窓からお花が垂れ下がっている風景をよく見ます。
村を出た後は約8km、ひたすら畑の間を歩いて行きます。
次の村に入る手前に寄付制の休憩スポットがありました。みんな休憩していたので私たちも一休み。飲み物やパン、フルーツが山のように並べられています。
箱に小銭を入れて、バナナやネクタリンを頂きました。
スタンプがあったので押してみると、何か見たことがある図柄…。そうだ、マリアのタトゥーにそっくり!写真を撮ってマリアにメールで送ると、明日絶対行く!と返信が来ました。
休憩ポイントから少し歩くと、サン・フスト・デ・ラ・ベガに着きます。この十字架モニュメントの裏手でギターを弾いていたおじさんが、私たちを見て「コレア〜ノ〜コレア〜ノ〜」と歌い始めてチップを要求してきたので、ハポネスだよと言って通り過ぎました。それだけ韓国人が多いんですね。
この村でもコーラ休憩をし、先に進みます。5kmほど進むとアストルガという大きめの町があるので、そこでランチをとることにしました。
ランチだけのはずが、町に入る時のちょっとの坂道で体力を消耗してしまい、夫と全会一致でアストルガでステイすることにしました。
町に入ってすぐの場所にある公営のアルベルゲ。健康な私たちは最上階の部屋(エレベーターなし)に通されました。下の階は、年配の方や病気や怪我をしている方のために取っておくみたいです。
シャワーを済ませて洗濯をしていると、隣で韓国人のお母さんが華麗なる手洗いを繰り広げていて、魅入ってしまいました。後ろからノラも入ってきて3人並びで洗濯タイム。
ランチに出かけようと1階に降りると、イタリア人のパトリシアやオーストラリア人のサリーとも再会。
昨日の反動か、どうしてもハンバーガーが食べたくなり、バルでハンバーガーを注文。美味しかった…!
バルを出ると、向こう側で手を振る韓国人の青年が。彼とは何度も顔を合わせていたけれど話したことがなく、この日初めて言葉を交わしました。いつも欧米人グループで歩いていて流暢な英語を話す彼の名はミン君。同じアルベルゲに泊まっているので、また夜ね!と別れました。
その後、カミーノ犬とダリウスにもばったり再会。みんなこの町は素通り出来ないよう。
大聖堂の前に一際目を引く建物がありました。何とガウディ作の司教館です。今は博物館となっていて、お金を払って見学可能です。
バルセロナ行きを取りやめた私たちでしたが、まさかここでガウディ建築を見られるとは思っていませんでした。
充実の内容で大満足!1時間ほどかけでじっくり見学しました。
その後、アストルガ大聖堂も見学。
何だか今日は観光客気分です。アストルガはちょうどいいサイズの過ごしやすい町で気に入りました。
宿に戻り、共用スペースにいたミン君に呼ばれたので行ってみると、韓国人のお父さんによる針治療が行われていました。
お父さんの名前はハン先生。洗濯室で一緒だったお母さんのご主人です。英語を全く話しませんが、スペイン語と英語で書かれた説明文を私に見せてくれました。自分も巡礼者でありながら、無償で人々の痛みを癒す彼の精神に感動しました。
ミン君が通訳となり、足の甲が痛むことを伝えると、手の小指に数本針を刺し、2時間経ったら抜いていいよと言われて終了しました。
それを見ていたイスラエルから来た女子2人も針に挑戦。みんなどこかしら痛いので、効きそうな針治療に興味津々です。
針を刺してからその場で安静にしていると、ミン君のお友達のドイツ人青年が小声で「ねぇ、あの人たち本物の日本人なの?」とミン君に聞いていました。ミン君が「本物だよ」と言うと彼は興奮気味に私たちに話しかけてきました。大のアニメ・漫画ファンらしく、ドラゴンボールの主題歌をドイツ語で披露してくれました。「チャーラー!ヘッチャラー!」だけが同じで、後はドイツ語でした。
ちなみに「アタックNo.1」もドイツではかなり有名らしく、ドイツ版タイトルは「ミラ・スーパースター」だそうです。
26日目
Astorga → Rabanal del Camino
今日は日の出前に出発。まだ真っ暗闇でしたが、アストルガの真ん中にある市庁舎が美しくライトアップされていました。
アストルガを出てひたすら歩いていると、後ろからカミーノ犬が走ってきて夫の膝上にかわいい足跡をつけて去って行きました。振り返るとやっぱりダリウスがいて、犬のペースに合わせて歩く彼の姿はすぐに見えなくなりました。
先日同じアルベルゲだったハンガリーの男性から、ちょこちょことメールでおすすめアルベルゲ情報が送られてきます。彼は私たちよりも前を歩いているので、ここはとても良かったとか、ここには泊まらない方がいいよ、とか有益な情報を毎日知らせてくれています。
彼のおすすめアルベルゲに行くため、今日はラバナル・デル・カミーノを目指します。アストルガから21km前後の位置です。韓国料理メニューもあったよ、と教えてもらったので楽しみです。
途中、フェンスにたくさんの十字架が刺されていました。
町に到着です。そう言えば、足の甲の痛みがだいぶ良くなっている気がします。でも足の裏にいやな感触。
巡礼路から少し外れますが、こちらがお目当てのアルベルゲです。
ベッドも無事に下段を確保できました。ベッド数の割にトイレが1個、シャワーが2個と少なかったので、トイレには少し気を使いました。
シャワー後足の裏を見ると、再び水ぶくれが出来ていました。再度水抜きをし、触れない様に簡易包帯を巻いてもらいました。
宿の前にプルポの看板が。まさか、ついに名物のタコ料理が食べられる…?
中庭スペースでプルポの屋台コーナーがあり、早速注文。皿の大きさで値段が変わります。
プルポは茹でたタコにスパイスやオリーブオイル、塩をかけたもので、普段からタコを食べる日本人の私たちは何の抵抗もなく、美味しく頂けます。
プルポ屋のおじさんが言うには、ほとんどのヨーロッパ人はタコを食べないんだとか。スペインの一部やイタリアでは食べるそう。
おじさんに毎日食べたいと言うと、「ガリシア地方に入ったら毎日食べられるよ」と教えてもらいました。
ケベックのギレンヌ、セバスチャン夫妻にも再会。私たちがプルポを食べるのを見て、人生初のタコに挑戦です。ギレンヌは思ったより美味しかったと言っていましたが、ご主人は「もう二度と食べなくてもいいかな…」と言っていました。やっぱり馴染みのない人からすると気持ち悪いのかな?
オーストラリアのベリンダ姉さんも同じ宿で、プルポを持って私たちの席へ。横に座っていたアメリカ人のダグとジョンともお友達だったようで、みんなでしばしタコトークをしました。
夕方、夫がシエスタをして暇だったので、教会のミサに行く人々について行ってみました。教会に行く道すがら、ハン先生が路上で巡礼者に針治療を行っていて、ミサに少し遅れて中に入りました。
ミサの最後に聖書の一部分を読む場面では、スペイン語、英語、フランス語、韓国語で朗読されて感動しました。
宿に戻ってから韓国メニューを見せてもらうと、辛ラーメンとキムチとご飯のみでした。セットで頼んで夫と待っているとダグが一人でお酒を持ってやってきたので、3人でおしゃべりしながら食事をしました。
ダグは西海岸に住んでいて、私たちがいかにアメリカの大自然に感動したかを熱弁すると、今度アメリカに来たらうちに泊まりなさいと言ってくれました。
あまりにも色んな人が私の国に来たらうちに泊まればいいと言ってくれるので、私も彼らが日本に来るときは熱烈歓迎したいと強く思うようになりました。
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