スガ旅

夫婦で世界の大自然を歩いた旅の記録

私たちのカミーノ⑬

27日目

Rabanal del Camino → Molinaseca

昨晩寝る前に食べた辛ラーメンで胃がもたれてしまったので、今朝はアルベルゲでコーヒーのみ頂きました。


いつも優雅なセバスチャン夫妻。

宿に貼ってあった地図を見て、いよいよ終わりが見えて来たことを実感。

出かける前にギレンヌに、「石は持った?」と確認されました。今日は山の上に立つ鉄の十字架を通る日で、巡礼者は自分の国から石を持ってきて、ここに祈りを込めながら置いていく、という慣しがあります。
私たちはそんなことは全く知らなかったので、昨日そこら辺に落ちている石を拾って準備しました。

ギレンヌがカナダから持ってきたんだという石を見せてもらうと、とても綺麗なキラキラ光る石でした。「海で探したの」と嬉しそうに話すギレンヌ。私も日本から持って来たらよかった…!

今日もいつも通り日の出とともに出発!

5kmほど歩き、フォンセバドンで朝食休憩です。


道の真ん中に十字架。

ここのトスターダがカミーノで一番美味しかった!朝食を食べているとシェーン&クリスティーン、ウェイン&テレサ、ジェネルやオーストラリアのママさん3人組に遭遇。石を置く日のせいかみんなちょっと興奮気味。

十字架はフォンセバドンから少し登ったところにありました。巡礼者が祖国から持ち寄った石たちが十字架の周りに置かれています。私たちも昨日そこら辺で拾った石を置き、祈りを捧げました。
鉄の十字架が意外に小さかったのが印象的でした。

ここから先は私たちの得意な山道です。他の巡礼者を抜いてぐんぐん進みます。

久々のアップダウンが新鮮で気持ちいい!

足裏に若干の痛みを感じつつも、軽快に下っていきます。途中休憩に寄った村でダグとジョンと再会。彼らも今日の目的地は私たちと同じモリナセカです。ダグとジョンの予約しているアルベルゲを念のため聞いて、後でね!と別れました。

モリナセカに到着です。今日はとてもテンポよく進めました。

ハンガリー人のお友達からのメールで、「僕はモリナセカに泊まらなかったけど、次は絶対泊まりたいくらいかわいい町」と聞いていたので、ここに滞在することにしたのです。

町の入り口からすでにかわいいので上機嫌です。ダグとジョンのアルベルゲは町を出る場所にありますが、町の真ん中に新しく綺麗なアルベルゲがあったのでそこに決めました。


ベリンダ姉さんも同じ宿!

オーナーはとても優しく、日本の四国とこの町は交流があることや、近くのアルベルゲの庭に観音様がいることなどを紹介してくれました。

部屋に二段ベッドが4台あり、私たちと日系アメリカ人のフランクさんの3人だけでした。ベリンダ姉さんは別の部屋。

シャワー後足裏を確認すると、包帯が擦れてしまって悪化し、巨大な水ぶくれになってしまっていました。以前台湾人のチンから教えてもらった方法で、針を刺して水を抜くだけでなく、糸を通す方法を試してみました。糸が通っているので水がある状態で皮が閉じることを防げます。汚くてごめんなさい。

洗濯をしたかったのですが洗い場がなく、5€払って洗濯機を回しました。乾燥機は4€だったので、オーナーに支払ってトークンをもらい、乾燥機も回しました。私たちが乾燥機終了に気づく前にオーナーが気付いて、洗濯物をベッドまで運んでくれていました。優しい…けど高い…。

せっかくなのでオーナーに教えてもらった観音様を見に行くことに。ダグとジョンのアルベルゲの向かいにあるみたいです。


日本語!

生き木観音です。何だかありがたい気持ちになります。

帰り道にダグとジョンのアルベルゲを通るとちょうど二人とも外にいました。ご飯に誘いましたが、アルベルゲでもう注文しているそう。そしてもう一歩も動きたくないと言っていました。また明日ね!と言って別れ、私たちは夕ご飯を食べに町に戻りました。

宿の前を通り過ぎようとした時、オーナーに呼び止められたので足を止めると、急に「乾燥機のトークンは?」と聞かれました。えっ乾燥機に使ったよ、と言うと、「そんなはずない」の一点張り。「僕はトークンを渡したよね?Yes or No」と言われたので、もらったけど使ったよと言っても「No!」と言われてしまい、彼が何を言いたいのかが全く分からず。
しまいには、私たちが英語を理解していないと思ったのか、「韓国人か?何語なら分かるんだ?」と言われ、Google翻訳を使い始めました。「乾燥機が終わって、私たちの洗濯物をあなたがベッドまで運んできたでしょう?」と言うと、しばらく考えた後思い出したのか、「あー、ごめんごめん、違う人に渡したんだった」と言われました。
その後特に彼を責めることもせず、夫と食事に出かけましたが、怒りは全くおさまらず…。宿のオーナーに腹が立っているというよりも、失礼な態度で傷ついたよと言えなかった自分に腹が立っていました。


29日目

Molinaseca → Cacabelos

腹が立ちすぎてあまり眠れず、朝になってすぐに宿を出発しました。

あまりに怒りを引きずる私を見て、夫は不思議そうに「あの人がアホだっただけなのに何でそんなに怒るの?」と。確かに。

次の町はポンフェラーダという大きな町で、モリナセカを出ると道路沿いを歩くショートカットコースがあります。朝ごはんがまだだった私たちはショートカットコースを使ってポンフェラーダへ。

カフェで朝ごはんを済ませ、ポンフェラーダの旧市街を抜けます。ハン先生夫妻は教会を見学していました。


ポンフェラーダの教会。

美しい風景に心が洗われます。あの怒りの15分のために心を掻きまわされたくない。そして夫にはノーベル平和賞を進呈したい。

ポンフェラーダを抜け、川沿いにサッカー場がいくつも並んでいる横を歩きます。子供達が試合の真っ最中で、つい立ち止まってしまいました。


分かりやすいカミーノマーク。

巨大な鳥の巣を発見。もはやアートです。


マリア様の手いっぱいに花びらが。

途中の村でサンドイッチ休憩。小さなオリーブオイルの瓶を買ったのですが、パン+オリーブオイル+生ハム+チーズが最高です。特製ボカディージョです。


魔女の鍋みたい。

教会前でスタンプ押すよと言われたので押してもらいました。寄付制でした。


幸せそう。

今日の目的地、カカベロスに到着です。町に入る前に後ろからイタリア語が聞こえたので、イタリア語も話せないくせに「イタリアーノ?」と聞いてみると、ものすごくフレンドリーな人たちで一気に仲良くなりました。

英語をほぼ話さない彼らとイタリア語を全く話せない私たちは、Google翻訳を使ってコミュニケーション。レオンからスタートした彼らの名前はアルベルタとジョズエ。ご夫婦かと思ったら友達で、お互いの配偶者も親友だとのこと。

アルベルタに誘われてベッドもまだ確保出来ていないのにレストランへ。私たちもまだお腹は空いてなかったのでコーラだけ頼み、アルベルタだけ巡礼者メニューを堪能。ジョズエは逆流性胃腸炎のため歩く前には食べないそう。


太陽が必要なアルベルタはどんどん遠くに。

ジョズエはGoogle翻訳が気に入ったらしく、日本での結婚式の相場など色々な質問をぶつけてきます。結婚式には市長とか司祭とか来るの?と聞かれたので、結婚式は形だけで、実際は紙を役所に提出したら結婚したことになるよ、と教えると「ノ〜…」とひどく悲しそうでした。

ジョズエはイタリアのサルデーニャ島から、アルベルタはローマから来たそうです。どちらも行ってみたい!子供を連れてこいと何度も言われました。

先へ進むジョズエとアルベルタと別れ、私たちは公営のアルベルゲへ。一人6€と格安ですが、Googleのレビューには「監獄以下」と書かれていたのが気になります。

アルベルゲに到着。受付の女性はとても感じが良く、「アリガトウ」と日本語で言ってくれました。部屋は全て個室にベッド2台となっています。


私たちの部屋。

ベッドの衛生状況が気になりますが、寝袋を使えば問題なし!とても居心地の良い部屋で安心しました。

中庭に行くとハン先生が居て、手招きされたので行ってみました。足裏の水ぶくれのことは言わなかったのに、足裏に手をかざして、また手の指に針を刺してくれました。シャワー前だったので、この後2時間お風呂に入れませんでした。

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