スガ旅

35歳を迎え、夫婦で仕事を辞めました。

SUGATABI.

スガ家の旅の記録

私たちのモロッコ探検記⑨【トドラ渓谷】

16日目

Les gorges du todra

今日は午後からクライミングなので、午前中にティネリールの町までお金をおろしに行きました。ここトドラ渓谷にはATMはありません。

ホテル前に出て町に行くタクシーや乗合バスを待っていましたが、なかなか来ず…。見かねた宿のスタッフが車で送ってくれた上、お金を渡そうとすると断られました。優しい…!

午後は待ち合わせ場所のトドラ渓谷へ。同じ宿のイギリス人青年3人組は午前中から登っていて、私たちはまずジュリオが開拓したビアフェラタに挑戦することに。


カメラを向けると余裕のポーズ。

ガイドしてくれるのはフランス人のオーシャンです。
ビアフェラタは、梯子や人工の足場を使って岩によじ登るもので、ハーネスとカラビナも使用しながら安全に上を目指します。

とはいえ、下を見るとけっこう怖い…!

ボルダリングの経験はあるものの、屋外でこんな高さの岩に登るのは初めてです。

この後はクライミングが控えているけど、正直これだけでもう十分なくらいスリル満点で疲れました。

下りはハイキング気分で降ります。オーシャンは片手にリンゴを持ってかじりながら余裕で降りていきます。かっこいい。

ジュリオたちのいるカフェまで戻る途中、クライミング装備で歩いていると、たくさんの観光客に「写真撮ってもいい?」と聞かれました。オーシャンは毎日のことでうんざりしているのか、全て断っていました。かっこいい。

途中でオーシャンに話しかけてきた男性がいて、後から聞くととてもしつこく付き纏われているんだとか。「ヘルメットしてロープを持ってこんなに汚れた私に『君は美しいね』なんて言ってくるのよ、彼らはみんなフランスに行きたいだけなの。私に興味があるんじゃなくて、私の国籍を利用したいだけなのよ」と言っていました。

最強と言われる日本のパスポートを持っている私たちにはピンと来ませんが、モロッコのパスポートでビザなしで行ける国は限られます。
モロッコで出会った人々に、気軽に「日本においでよ!」なんて言っていた自分が恥ずかしくなりました。
アリも、「君が日本での働き口や住居、ビザの手配をしてくれたらいつでも日本で料理を作ってあげられるのに」と言っていたのを思い出しました。
フェズで会った少年も、大学で勉強した後はフランスに行って働きたいと言っていたし、みんな国を出ることに意欲的、いやむしろ、国を出ないと稼げないように感じます。立憲君主制の国の内情はよく分かりませんが、アリは金持ちはより金持ちに、貧乏人はより貧乏に、という政治が生活を圧迫していると話していました。
ほぼ世界中の国にビザなしで旅行出来る日本人は、本当に恵まれた環境なんだなと再認識。旅に出て得るものは大きい。

次にオーシャンとハイキングの話になり、「ツブカル山は行った?」と聞かれたので、昨年ツブカル山の近くでテント泊をしていたハイキング客二人がテロリストに斬首された事件があったので、心配だから行かなかったんだと話すと、「今はセキュリティもしっかりやっていたから大丈夫よ!とても美しい所だったわ。あの事件はショックだったけど、普通に考えて治安もわからない場所で女の子二人で野宿するのはそもそも危険よね」と言っていました。
モロッコ人にも大変ショックな事件だったそうですが、当人の危険を回避する判断も甘かったんだな、と気が引き締まりました。
北アフリカ最高峰のツブカル山、次回は是非登ってみたいな。

ジュリオたちと合流し、今度はクライミングに挑戦です。トップロープと言って、まずはジュリオやエミリー、オーシャンがコースを選び、上まで登ってロープをゴール地点に通し、降りてきます。
ロープの片方は自分のハーネスに固定、もう片方はビレイヤーが操作します。


エミリーにロープの結び方を教わる夫。

トップロープは高校生の時に何度かクライミングジムで登ったことがあるのですが、屋外、しかもこんな絶壁でやるのは初めてです。ビレーはエミリーがやってくれるので、彼女を信じて這い上がります。

登ってみると、岩はザラザラしていてチョークがなくても滑りにくく、足場も見つけやすい。ロープで確保されている安心感で、割とスイスイ登れました。

ボルダリング経験のおかげかエミリーの社交辞令か、「素晴らしいわ!何も言うことはないわ!」と褒めてもらって上機嫌。

夫にとっては初めてロープを使ったクライミングですが、夫も楽しいようでスイスイ。

クリアするごとに場所を変えてくれて、計4本か5本くらい登れました。だんだん難しくなってくると、ジュリオが横まで登ってきて「ここに足を置いたらいい」とか助言をくれるのですが、彼はロープなし、しかもスリッパを履いただけなので見てるだけでヒヤヒヤします。全く怖くないんだろうな…

日が暮れるまで楽しんで、みんなで宿に帰って晩ご飯。やってみるまでは恐ろしかったけど、エミリーがしっかりとビレーしてくれて、さらに多少引き上げてくれたおかげで達成感も十分!楽しかった〜。

明日はトドラ渓谷を出て、ワルザザードで一泊する予定です。モロッコ旅も残すところわずか。滞在2週間強でも全然足りません。

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私たちのモロッコ探検記⑧【トドラ渓谷】

14日目

Merzouga → Tinghir → Les gorges du todra

朝6時半に起きて、すぐに朝食をいただきます。起き抜けのアジズが用意してくれました。見上げると満天の星空です。

朝ごはんを食べ終わると、アフメッドの車でアリ家へ。保管してもらっていた荷物をピックアップし、車を飛ばしてバス乗り場に向かいます。


1人90ディルハム、約1,000円。

7時半前にバス停に着き、無事に乗車券も購入。アフメッドにチップを渡し、ありがとう!また来るよ!と言って別れました。

300€プラスチップで3泊4日、私たちは十分に満足出来ました。多くの人が急ぎ足で立ち寄るだけの砂漠ですが、次回は1週間くらい滞在したい…!

バスの中で日の出を見ていたらいつの間にか寝ていました。

目を覚ましてすぐ、目的地のティネリールに到着。バスを降りるとたくさんの客引きが寄って来ました。

「ホテル決まってる?」「トドラ渓谷?」

とにかくお腹が空いたのとバスで疲れたので、トドラ渓谷に移動する前に腹ごしらえをしようか、と夫と話し、カフェが並んでいる場所に向かって歩き出します。

1人の客引きがしつこく私たちにつきまとって来ます。「トドラ渓谷のベルベル人経営のホテルに連れて行ってあげる!」と何度も言ってくるので、とにかく疲れたから休ませてくれ、と言うと、「ここのカフェが安くていいよ!」と言って案内してくれました。そしてなぜか彼も同席。

私たちはジュリオが滞在しているホテルに行くつもりだったのでその旨を話すと、財布から色々なホテルのカードを出してきて、「ここは?日本人がやってるところだよ!」と自分が紹介できるホテルにどうしても連れて行きたい様子。


大好きな焼き鳥。

途中から気持ちを切り替えたのか、なぞなぞを出し始めました。砂漠キャンプで聞いたネタばかりで、いい加減ウンザリです。

トドラ渓谷に向かうため、店を出ようとすると彼が先導して乗り合いタクシー乗り場まで連れて行ってくれました。
ここでの交通手段は乗り合いタクシーしかなさそうで、勝手がまるで分からなかったので彼がいてくれて助かりました。その後やはりチップを要求されたので少し渡しました。彼は乗り場にいた同じ方面に向かう男性に、「この日本人たちはホテル・ベル・エトワールに行くんだ、着いたら教えてやってくれ」と頼むと、偶然にもその男性はそのホテルのオーナーでした。

私たちの番が来てタクシーに乗り込み、トドラ渓谷に向かいます。乗り合いタクシーはここではバスの代わりになっていて、車ごとに決まったルートがありそのルート上であれば好きな場所で降りられるようです。

15分ほどで私たちの目的のホテルに無事到着。
3泊するからと値下げしてもらい、1泊朝・夕食込みで1人2,000円ほど。カナダ人のエミリーから「常時ホットシャワーが使えるわよ」と聞いていたので即決しました。

部屋に荷物を置いた後、散歩がてら渓谷の方まで歩いて行くことにしました。オーナーに聞くと、裏の畑を通って行くのが一番いいよ、と教えてくれたので、そのルートで歩き始めました。

畑を通り、川を渡り、また畑を通り

見えてきました。奥まで続いていますが、明日ハイキングでまた来る予定なので今日はここで引き返します。


巨大な鳥がいました。

宿に戻りミントティーを入れてもらいました。「何か飲む?」と言われたのでサービスかな、と思いましたが、チェックアウト時しっかりと請求されてました。

15日目

Les gorges du todra

朝ごはんを食べに下に降りると、ジュリオとエミリーと再会。クライミングをしたいことを相談すると、初心者用のコースで明日の午後からガイドしてもらえることになりました。
今日はハイキングに行くよと話すと、おすすめのコースを教えてくれました。

11時前に宿を出てトドラ渓谷方面に歩いていると、道端でたくさんのおじさま達がたむろ。

「おいでおいで!クスクスを食べていきなさい!」

朝食を食べたばかりでしたが、断るのもなんなのでおじさま達の輪にお邪魔することに。
今日は「預言者生誕祭」と言って、預言者ムハンマドの誕生を祝うイスラム教徒にとっては重要な日みたいで、道ゆく人にスプーンを渡し、みんな少しずつ食べて去って行きます。キリスト教のクリスマスみたいな感じなのかな?

おじさまに、いつもモスクから聞こえてくるアザーンの文言を教えてもらい、何度か復唱しましたがちんぷんかんぷんでした。すれ違う人同士皆胸に手を当てて挨拶をして、幸せそうに談笑。イスラム教って、本当に平和な宗教なんだろうなあ。

おじさま達にお礼を言い、トドラ渓谷に向かい再び歩き出します。

5分も歩かないうちに、今度はホテルの中から声をかけられます。

「ランチは済んだ?うちのレストランで食べて行かない?」

私たちは山頂でお弁当を食べようと思っていたので、サンドイッチをテイクアウトできるかと尋ねたところ、

「出来る出来る!中身は肉と野菜でいいかい?すぐ作るから待ってて!」

と値段も聞かずにオーダーしてしまいました。


とりあえず座って待つ。

おじさんはミントティーを持って戻ってきました。
「今作ってるから、お茶でも飲んで待ってて!屋上のテラスからの眺めは素晴らしいよ!」


とりあえずお茶が基本のモロッコ。

大好きなお茶をいただきながら、テラスでのんびり。

もはや今日ハイキングに行けるのか微妙になってきましたが、暗くなるまでには戻って来られるでしょう。

待つこと30分ほど、「サンドイッチ出来たよ!」とおじさんが呼びにきました。予想外のデカさにびっくりしつつもミネラルウォーター2リットルも追加して値段を聞くと、「100ディルハム(1,000円くらい)」。めっちゃ高い。でももう作ってもらったからしょうがない。
手持ちが200ディルハムしかなかったので渡すと、お釣りがないとのこと。「帰りにまたお茶飲みに寄って!その時までにお釣り用意しておくから!」と言われ、若干疑いつつも承諾。いよいよ出発です。

トドラ渓谷はマラケシュからのツアーなどで日帰りで訪れる人が多いようで、大きな観光バスが入ってきてはたくさんの観光客が降りて写真を撮っていました。

よく見ると登っている人がいました。エミリーかな?

渓谷を抜けたところに階段があり、そこからスタートです。風が強く、砂が目に入って痛い。

ハイキングコースはこんな感じで、ずっとガレた道を歩きます。

途中山から降りてくるノマドの方々に「金をくれ」と言われますが、何度も断ります。息が切れ切れのハイキング中にこれは辛い!

いつも通り夫とだいぶ差が開いては、私が道を間違えて崖をよじ登り、を繰り返します。

振り返るとまるでグランドキャニオンのような景色!川の浸食って本当にすごいですね。クライマーにとっては天国のような場所でしょう。

汗だくで開けた場所に到着。山の頂上まではあと少しなので、上まで登ってしまいます。


あの山のてっぺんを目指します。


頂上からの景色。遠くにティネリールの町が見える。

頂上に着くと、2組ほど先客がいました。ランチにしようかとも思いましたが、強風過ぎて10分ほどで撤退。この後通る予定のノマドさんの家で食べよっかということになりました。ジュリオから、ノマドの家でお茶をいただけるよ、と聞いていたのです。

意気揚々と下り始めます。登りはしんどかったけど、帰りはサクサクなはず…

思いっきり道を間違えたようです。通るはずだったノマドさんの家が向かいの山の中腹に見えます。

私たちが進んでいた道は途中で消えました。このまま進むと垂壁の上に出そうな気がしたので、どうにか元のルートに合流できるように谷に下ってから登り返しました。

やっとの思いでルートに戻れました。通常こんなに疲れるハイキングコースじゃないはずですが、いつも通り道を間違えてしまい余計に疲れました。ノマド家ももうないので、道端で1,000円のサンドイッチを食べます。

夫が突然「あっ」と言ったので見てみると、


サンドイッチをちぎったところに藤原ヒロシ氏がいました。モロッコの新聞広告ですが、驚きました。

ここからは正規ルートを辿って下山。安心安全な道でした。久々のハイキングでしたが、身体も重く呼吸も辛かったです。完全に運動不足です。

おじさんに100ディルハムを返してもらうべく、下山しておじさんのホテルへ直行。
とりあえずお茶でも飲みなよとミントティーを入れてくれました。

おじさんはフランス語を練習したいと言って、極力フランス語で話してきます。次来た時はうちのホテルに泊まってくれと言い、家族構成を聞かれました。
「15人部屋があるから家族みんなでおいで!」と言われましたが、家族全員で一部屋はちょっと…

今度は「工房を見せたい」と言って地下室に連れていかれ、織り機を見せてくれました。

ベルベル衣装も着させてくれて、この流れは…と思った矢先に絨毯を広げ始めました。
絨毯はもう買ったから買えないよ!と断ると、クッションカバーを出してきて、「物々交換でもいいよ、日本の薬とか…」と言われましたが断りました。
最終的に100ディルハムを無事返してもらい、おじさんと別れました。
モロッコ人の90%は絨毯商人なんじゃないかと思いました。


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私たちのモロッコ探検記⑦【メルズーガ(サハラキャンプ)】

13日目

昨晩はアジズが私たちに毛布を4枚もかけてくれたため、朝までぐっすり眠れました。彼は毛布1枚で寝ていました。


私たちの寝たテント。

寝癖をつけたまま外に出るとアジズがもう起きていて、私たちを見るなりすぐに朝食の準備を始めてくれました。

荒野にブランケットを敷いてちゃぶ台を出し、優雅な朝食タイム。
昨日ラグジュアリーキャンプでランチをした時は、快適すぎてこのまま泊まりたいと思ってしまいましたが、荒野の中でぽつんとちゃぶ台を囲むなんて、これこそ贅沢キャンプ!負け惜しみじゃありません。

朝食をいただいた後、出発です。お世話になったお母さんにお礼を言ってチップを渡しました。お母さんは私の手にチュッとキスをしました。

ノマド家の近くに水が湧いている場所を発見。他にも井戸のあるところがありましたが、井戸水に砂が入っていたりするので、砂漠の民は自分のターバンを口に当てて濾過して飲んでいるようです。

砂漠の奥まで来たせいか、周りには観光客の姿が見えません。見渡す限り、サハラの中に私たちだけ。

前日のタイヤ痕や足跡は風が消し去ってくれたのか、なめらかで美しい砂丘を歩きます。

風紋と言うのでしょうか、一晩のうちに自然が生み出す芸術ですね。本当に美しい。

ここで、夫が乗っているラクダのジミーがストライキを起こしました。どうしても砂丘を登りたくないようで、鳴きながら嫌がっています。
私たちは一旦ラクダを降り、徒歩で砂丘を越えることに。ラクダたちはアジズがだましだまし進ませて、砂丘を越えるよう。

サラサラと滑る砂丘を越えるとまた大きな砂丘が見えました。山登りより大変だな…。

遠くでアジズがラクダに悟られないよう、低い丘を越えようとしています。

ジミーとバラクも砂丘を越え、しばし休憩。ラクダの座り方が愛おしい…。


遠くで一服するアジズ。

急な下り坂だったので、夫がジミーを誘導。立派なラクダ使い!

午後2時ごろ、ラグジュアリーキャンプ跡地に到着。排水管やケーブルなどが散乱していましたが、井戸や木陰がありました。アリのお父さんのアフメッドがバギーで先回りして、昼食を持って待っていてくれました。

ラクダたちも自由に食事休憩となり、各々お気に入りの草を食べに行きました。アジズは私たちのランチを出した後、近くの井戸で着ていた衣装やターバンの洗濯を始めました。自由…!

夕方までここで過ごすようなので、昼寝。静かで涼しくて気持ちいい。

アジズが「お茶飲む?」と聞いてきたので、飲みたい!と答えると、枝を拾ってきて火を起こし始めました。

私はモロッコのお茶が大好きです。「ベルベルウィスキー」と言って、お酒を飲まない彼らが一番よく飲むお茶。普通の紅茶にでかいブロックの砂糖を沈めて沸かしたものです。こだわる人は色んなハーブも入れたりしています。ミントとか。

サハラの火の神と池袋の火の神が夢の競演…!夫は「俺今サハラ砂漠で焚火してる…!」と死にそうなくらい幸せそうでした。


気づくとすぐ後ろにいたバラク。

アジズに、ラクダ使いの仕事は好きかと尋ねると、「世界中の人と会えるし、世界中の言葉を学べるし、大好きだよ。家族は他の仕事に就けって言うし、弟はカムカムキャンプ(昨日のラグジュアリーキャンプ)で一緒に働こうって言うけど、キャンプで働けば客室の清掃やスーツケース運びもやらないといけない。俺にはフリーでラクダ使いをやってる方がずっといいんだ。」と言っていました。

アジズは、今まで会ったモロッコ人とは少し毛色が違いました。欲がなく、満ち足りてるというか、余裕を感じるというか…。砂漠でゴミが落ちていたら拾うところも、モロッコ人らしくない。(失礼)

井戸で洗濯した衣装は砂の上で天日干しをして、食器を洗った後は私たちとお茶をしながらおしゃべりしたりして過ごしました。すごくいい距離感。
今度は自分のテントを持ってきてキャンプしたいな、その時は絶対アジズと一緒に。

日が傾いてきた頃、初日のキャンプ地に向けて出発です。ちょっと寂しい。

キャンプ地まではまだかなり距離があります。見渡す限りずっと砂漠。

帰り道、ラグジュアリーキャンプについて考えていました。つい最近から砂漠内でのキャンプが強制退去となったおかげで、なるべく人工物を見ずに、人にも会わずに静かに過ごすことが出来ました。
今まで長い間砂漠キャンプを営んできた方々には大打撃だろうし、そこで働いていた人たちも仕事がなくなり苦しいと思います。でも、個人的にはこのタイミングで来られて良かったと思いました。
思い描いていたサハラ砂漠にホテルのように快適なキャンプがたくさんあったら、きっとまた来たいとは思わなかっただろうな。
観光客の立場から、快適さは町で求めるべきだと思うし、美しい砂漠はそのままの姿で守って欲しいと思いました。

暗くなって来ましたが、まだまだ辿りつきません。このまま夜になって月明かりで歩くのもいいなあ。

と思ってたら、本当にこのまま日が暮れました。アジズは砂漠を知り尽くしているので全く怖くありません。

「月の砂漠」を頭の中でリピートしながら、贅沢なひと時を噛みしめていました。太陽が完全に沈み、星が見え始めます。月が明るいので満天の星空とまではいきませんが、本当に来て良かった。モロッコに来て良かった。アリに会えて、アジズに会えて良かった。

8時前、キャンプに到着!遅くなったのでアフメッドが心配して外まで探しに来ていました。
夫からアジズに感謝の気持ちとして多めにチップを渡しました。アジズとの2日間は本当に最高でした。絶対にまた来ます。

キャンプには新しいお客さんが来て焚き火を囲んでいました。フランス人女子の3人組で、話しかけてみるととっても気さくでいい子たちでした。

一緒にご飯を食べることにしてまたテーブルをくっつけます。「ラクダどうだった?」「お尻痛くなかった?」とやたらと乗り心地の心配をしていました。
私が「アジズ!」と呼ぶと、フランス女子が異常に反応して大爆笑。聞くと、映画「フィフス・エレメント」でのワンシーンで、アジズという少年に"Aziz, lumière!!"(アジズ、明かりを!)と言うシーンがあるとかで、その後誰かが「アジズ!」と呼ぶたびに「リュミエール!!」と言ってゲラゲラ笑う3人娘。
何回観たの?と聞くと、好きすぎて400回は観た、と言っていました。

食後はお茶をいただき、焚き火を囲みながらアジズたちの演奏を聴きました。隣のキャンプとジャンベを共有しているらしく、隣のキャンプの演奏が終わるまでみんなでなぞなぞを出しあって盛り上がりました。
また奇遇なことに、3人娘は昨日までトドラ渓谷に滞在していたらしく、ジュリオたちのガイドでクライミングも楽しんだとのこと。絶対やった方がいいよ!と言われ、挑戦することに決めました。

夜中の0時頃までみんなで楽しんだ後、テントに戻り仮眠です。明日の朝7時半のバスでトドラ渓谷に向かうため、アフメッドが7時に迎えに来る予定です。

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