スガ旅

夫婦で世界の大自然を歩いた旅の記録

私たちのJMT(ジョンミューアトレイル)④

6日目(DAY120)

Emerald Lake-Trinity Lakes(10.8マイル/17.4km)


実家で思う存分お風呂に入る夢を見て、すっかり寝過ごしてしまいました。朝7時過ぎに起床です。

今日も熊に襲われず無事に目を覚ますことができました。ユーコンの櫛田さんの教えを守り、毎晩万能ナイフを枕元に置いて寝ています。

朝から蚊の大群に囲まれてオートミールを食べました。止まると寄ってくるので立ちながらぐるぐる回って食べています。本当にストレスです。

朝9時過ぎ、出発です。エメラルドレイクを越えるとルビーレイクがあり、そこを過ぎると当初の宿泊予定だったガーネットレイクがあります。

ガーネットレイクは蚊も少なく感じ、何より景色が素晴らしく、ここに泊まれたら最高だったねーと夫と話しながら通過しました。

その後しばらく下ってシャドウレイクに到着。すでにぐったり疲れていたので、今日レッズメドウまで歩くのはやめて、手前で一泊して明日町に降りることに決めました。これで最初に計画した通りの日程に戻ります。

シャドウレイクからロザリーレイクまでは地獄のスイッチバックがありますが、息が上がらないようゆっくりゆっくり登って行き、そこまで汗もかかずに登り切ることが出来ました。

ロザリーレイクからはデビルズポストパイルまでずっと下りです。これで明日の行程が楽になりました。トリニティレイクスあたりでキャンプ地を探しましたが、やはり蚊がひどい…!夫は今日こそは焚き火がしたいと言っていたので、ファイヤーサークルのあるキャンプ地を探します。

トリニティレイクスを過ぎた辺りに近くに川もあり、ファイヤーサークルもあるキャンプ地を発見。蚊はいるけれど、もう仕方ないね、ということでここにテントを張りました。

何だか疲れ過ぎて動きが鈍い私の横でテキパキとテントを設営し、お湯を沸かしてくれた夫に感謝。今日シャワーを浴びられると思っていたけど浴びられず、テントの中で身体を拭きました。早くシャワーを浴びたい、石鹸で洗いたい…。

今日はご飯をたくさん炊いて、ふりかけをかけて味噌汁と一緒に頂きました。とろろ昆布を少量持って来ていたので、味噌汁に入れました。やっぱり日本の味は落ち着く…。

毎日標高3000m付近でハイキングをしてキャンプをしていますが、風邪も引かずに何とか無事にやっています。

明日町に降りて食料の補給をする予定ですが、カロリーや軽さよりも、やはり美味しさを優先しないと辛いことが分かりました。クリフバーはカロリーも高く行動食にぴったりですが、好んで食べられるナッツやおかきみたいなお菓子の方が減りが早いので、ナッツを大量に買おうと思います。あと、パンとハムとチーズも買えたらいいな。ベビースターラーメンは初日に完食してしまったけど、もう手に入らないだろうなあ。

  • 実際の歩行距離(iPhoneヘルスケア調べ):18.3km


7日目(DAY121)

Trinity Lakes-Devils Postpile-Reds Meadow(6.1マイル/9.8km)

ついに今日はシャワーを浴びられる!
その事だけを考えて、夜中の1時頃から数回目が覚めてしまい、朝6時半には覚醒。夫を起こし、今日はキャンプ場ではなくどうしても宿に泊まりたいとお願いしました。夫はキャンプ場でいいじゃんと言っていましたが、一度宿に泊まって全バッテリーの充電をしたいのと、時間を気にせずシャワーを浴びて、服の洗濯がどうしてもしたいと懇願。夫は渋々承諾してくれました。


「宿に泊まれる!」と恍惚の表情の私。

レッズメドウに着いたら電波が入るはずだから、そこで宿を押さえてバスでマンモスレイクの町まで降りる!頭の中はいかにスムーズにシャワーに辿り着けるか、それだけでした。

レッズメドウまでの道のりは下りのみで、2時間あれば着くだろうと軽く見て、朝ごはんはレッズメドウでハンバーガーを食べると決め、朝8時半に出発。

心なしか足どりがいつもより軽く、汗をかいても後で流せるのが分かっているので不快感も半減。シャワーが私を待っている!

もうすぐデビルズポストパイルに入ろうというときに、今回2度目の渡渉ポイント。
くそっここでタイムロスしてる訳にはいかないんだ…!
重いはずのザックを背負ったまま靴を脱ぎサンダルに履き替えて、速攻で渡渉。冷たいけどそんなことはどうでもいい。シャワーが待っているんだ。

夫に、すごい勢いで渡ってたね、と言われながらすぐに靴に履き替えて下山再開。

午前10時半、デビルズポストパイルに入りました。JMT/PCTはこちら、という道しるべのとおりに進むと、なぜかまた山を登っていく羽目に。

今日の登りは想定外、一気に体力が消耗して行きます。よろよろと登りながら、すれ違う爽やかなハイカーに「ハッピートレイル!」と声をかけられるもハイキングを楽しむどころか完全に早く下界におりたい私。

そして正午少し前、ついにレッズメドウに到着!お腹が空き過ぎて倒れそうです。カフェの外にザックを放り投げ、チーズバーガーとコーラを注文。

至福の時…!W田くんとメーちゃんがよく、「美味しすぎて終わって欲しくない」と言っていた気持ちが痛いほどよく分かるチーズバーガーでした。

さあ、次は宿の予約…と思ったら、私だけ電波が入りません。夫のスマホを強奪し、宿を早急に決め、予約完了!あとは下界に降りるだけです。

レッズメドウからマンモスレイクの町までは、バスを乗り継いでいく必要があります。
まずはレッズメドウのジェネラルストア前から出発するバスに乗り、スキー場まで降ります。1人8ドル。

スキー場からは町の中を巡回する無料バスに乗り換え、町まで降ります。

午後3時、ようやく宿に到着。チェックインの際、「さっき予約してきたばかりだよね、何かあったの?」と聞かれ、本当はキャンプするはずだったけど、どうしてもシャワーを浴びたかったんだ、というと、「それは大問題だ!」と笑っていました。

今日の宿、シエラ・ロッジは朝食も無料で付いていて、ホテル内にコインランドリーも完備。さらに部屋にはバスタブ付きのお風呂とミニキッチンも付いていました。神がかっている…!

夫に先にシャワーを譲り、夫がシャワー中にコインランドリーの場所と値段を確認し、必要なコインをフロントで両替。全て効率良く動かないとゆっくりする時間がなくなる…!

夫と交代で、ようやく私のシャワータイム。しばらくシャンプーが泡立たず、4回くらいシャンプーしました。土と汗と垢が身体から落ちていくことに感動しながら念願のシャワーを堪能しました。

洗濯もし、食器も全て洗剤で洗えて完全にリセット出来ました。夫は、あと4日も不快な状態で居たら慣れるよ、と言っていましたが、私は自分で思っていた以上にひ弱でした。ユーコン川の時はカヌーに乗っているだけでそんなに汗もかかなかったし、蚊も少なかったので不快な想いはしていなかったし、TMBはほぼ毎日お風呂に入れたし、やはり蚊も居なかった。

JMTに来て初めて、たった1週間の自然の中での生活に心折れそうになりました。ここで一度リセットしないと先が辛くなるので、この一泊は私にとって非常に重要な一泊でした…。

スーパーで食糧の買い出しをし、メキシコ料理屋さんで晩ごはん。エンチラーダのプレート料理、これで10ドル。安い!

明日からの活力のため、少し気持ち悪くなりながらもたくさん食べました。
マンモスレイクの町の中の移動は無料のトロリーバスが走っていてとても便利ですが、全然時間通りに来ないです。さらにめっちゃ寒いです。

宿に戻ってもう一度風呂で温まり、綺麗なベッドで眠りにつきました…。

  • 実際の歩行距離(iPhoneヘルスケア調べ):14.9km


8日目(DAY122)

Reds Meadow-Deer Creek(6.4マイル/10.2km)


7時半に起床。化粧はしないので顔を洗ってすぐに朝食へ。夢にまで見たトースターがあったので、トーストを3枚、ピーナッツバターとジャムをこれでもかというほど塗ったくって食べました。このままずっとトーストを食べ続けていたい…。

重くなったザックを背負い、重い足取りで出発です。バスを乗り継ぎ昨日と同じレッズメドウに到着。
足りないフリーズドライ食を買い足し、パッキングをし直します。最後の水洗トイレ、最後の石けんでの手洗い。全てが愛おしく、離れがたい。
私に活力をくれたレッズメドウに別れを告げ、出発です!

今日の行程はレッズメドウからディアクリークまでの約7マイル(11㎞くらい?)。ひたすら緩やかな登りです。レッズメドウの次の行程を短めに設定していた自分を褒めてあげたい。

レッズメドウを11時に出発し、1時間に1回ずつ休憩を取りながら、かなりのスローペースで進みました。

私が遅いので夫がかなり離れて前を歩いているのですが、ハイカーと英語で会話する機会がここ1ヶ月でかなり増えたせいか、寡黙な夫も少しずつ英語で会話をするようになってきました。非常に嬉しい。

午後3時頃、今日のキャンプ予定地のディアクリークに到着です。いつもよりも早く到着出来たので、夫はすぐ近くの川で釣り三昧。この環境を楽しんでるなあ。

  • 実際の歩行距離(iPhoneヘルスケア調べ):14.9km

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私たちのJMT(ジョンミューアトレイル)③

4日目(DAY118)

Tuolmne Meadows-Lyell Fork(9マイル/15.9km)


朝6時。目覚ましで目が覚めたけれど、夫はまだ起きる気配なし。
今日は夫より先に起きないと決めて、夫がテントから出た後もしばらく寝袋の中でダラダラしていました。

7時過ぎにテントから出ると、チューチューさんと夫が朝ごはんを作りながら談笑していました。

8時を過ぎると次々にハイカー達が出発していき、私たちは9時過ぎにようやく出発準備完了。チューチューさんと記念写真を撮って、昨日知り合ったオマールにも後でね!と声をかけ、出発!

のはずが、朝ごはんが足りなかったのか、どうしてももう一度メドウグリルに行きたくなり、わがままを言って朝ごはんを食べにいきました。

メニューを眺めていたらパンケーキが目に入ったので、パンケーキとコーヒーを注文。夫はソーダのみ。

三枚重ねのパンケーキにバターとメープルシロップをこれでもかってくらいかけて頂きました。死ぬほど美味しい!

アントニー&リカルドもまだテラスに居て、いらない荷物をここから送る作業をしていました。さっきお別れしたばかりのチューチューさんも朝ごはんを食べに来て、また話し込んでしまい、結局10時半に出発。

今日の行程は一日中フラットな道を進み、ドナヒューパス手前で野営する予定です。すでに1日前倒しして進めているので、気持ち的にも楽ちん。夫の漁券もあるので、川を見ては魚影を確認して、時には釣竿を振りながらのんびり進みました。

すれ違うハイカーに、「トゥオルムメドウはもうすぐ?」と聞かれ、もうすぐだよ、ハンバーガーが待ってるよ!と答えるとみんな「それそれ!」と大喜びしていました。


トレイルからはみ出さないよう、注意して歩きます。

途中の大休憩で私はおやつを食べ、夫が釣竿を入れると一発でかかりました。入れ食いポイントを見つけたようです。


その様子を見ていたハイカーにすごいすごいと絶賛され成果をあげる夫。

またしばらく歩いていると、若いソロハイカーが向かって来て、「JMTを歩いてるの?」と聞いてきました。そうだよ!と答えると、「この先ホイットニーまで何の問題も危険箇所もないから安心して!道はパーフェクトだよ!」と教えてくれました。
今日はトゥオルムメドウに泊まると言うので、美味しいハンバーガーが待ってるよ!と言ってあげると、飛び跳ねて「そうなんだよ!アイスクリームも絶対食べる!」と嬉しそうに去っていきました。

みんな大好きトゥオルムメドウのハンバーガーがすでに恋しい。

午後5時頃、川沿いに本当に美しい景観のポイントを見つけて夫と佇んでいると、後ろからチューチューさんが追いついてきました。

今日はもう会えないかと思っていたけれど、チューチューさんも目標が出来て思いの外進めたみたい。私たちは写真を撮ったり魚影確認をしようとしていたので、チューチューさんは「次のキャンプ地に行ってるね〜」と追い越して行きました。

あまりに綺麗な場所で水も湧いているところがあったので、ここにテント張れたら最高だねーと地図を広げてみると、ここにキャンプ地のマークが!

ウィルダネスキャンプはトレイルから離れた場所で行う必要があるので、トレイルから踏み跡がある道に入って奥に行ってみると、キャンプ地らしき場所を発見しました。

髪も洗いたいし洗濯もしたいし、水場も近いし景観も素晴らしい。もう今日はここに泊まろう!と夫と話し合い、テントを設営してすぐに洗濯。そのあと折りたたみバケツに水を汲んで、お互い洗髪し合いました。臭さがいくらかマシになりました。

髪を洗い終わったところに見たことのある人が通りかかりました。オマールだ!

「チューチューと会った?」と聞くオマールに、もう先に進んでるよ!と言うと、スローペースなオマールもそっちに進んでおくとのこと。暗くなるから気をつけてね!と言って、写真を撮って別れました。

晩ごはんは米を炊いて、フリーズドライのビーフシチューをかけて食べました。美味しかった…!

食後に緑茶を飲みながら、この旅に出てから本当にたくさんの人に出会えたことがありがたくて、涙が出てきました。出会うはずのなかった世界中の人々と、最高の景色を共有して、楽しい時間を過ごして、国境が外れたような感覚です。

明日はドナヒューパス越え、気合いを入れてみんなに追いつかないと!

  • 実際の歩行距離(iPhoneヘルスケア調べ):13.1km


5日目(DAY119)

Lyell Fork-Donohue Pass-Island Pass-Emerald Lake(12.2マイル/19.6km)

朝5時に起きるつもりが、寒すぎて寝袋から出られない…!結局6時過ぎにテントを出て、凍えながら準備をして8時過ぎに出発。私たちには起きてから2時間は必要みたいです。

今日はドナヒューパス(標高3,375m)を越えて、サウザンドアイランドレイクスに向かう予定。ドナヒューパスの登りが始まる所まで、2時間ほどかかってしまいました。

ここで生まれて初めての渡渉ポイント!オマールが渡る準備をしていました。

余裕で行けると思っていましたが、雪解けの水なのかものすごく冷たくて痛い…!悲鳴を上げながら無事渡りきりました。

その後はずっとなだらかな登りが続きます。どれがドナヒューパスなのかわからないまま登り続け、途中オマールを抜かして何とか峠を越えました。

ドナヒューパスの標識はありませんでしたが、ヨセミテ国立公園はここまで。ここからはインヨーナショナルフォレストに入ります。

峠を越えて少し降りたところで休憩をして、乾ききらなかった洗濯物を天日干ししました。


シエラの日差しが一瞬で濡れたものを乾かします。

下から上がってくるハイカーに、もう少しだよ!と声をかけると、「みんなそう言うけど一向に着かない!」と返されました。めっちゃ気持ちわかる。

公園ごとに規則が色々と異なっていて、標高何千メートル以上は焚き火禁止だとか、キャンプ地のルールだとか、正直覚えきれません。地図に書いてある標高もフィートで訳がわからないし、ドナヒューパスも気づいたら3000mを軽く越えていたし…。

明日の行程を楽にするためにも少しでも進んでおきたいので、とりあえずアイランドパスの手前かパス越えした後にいいキャンプ地があればそこにテントを張ろということになり、頑張って下山。パス手前でチューチューさんに再会!今日はもっと進もうと思うと言うと、景色楽しめよ!と激励され別れました。

アイランドパス(標高3,115m)は簡単だと聞いていたので、越えたところでテントを張ろうと決めて頑張って今日2回目のパス越え。テント跡っぽいところはあるものの、水場が近くになくてキャンプできそうもなく、彷徨い歩いて午後7時。だんだん暗くなってきてしまいました。

夫と相談し、このまま下ってエメラルドレイクまで行っちゃおう、と腹を決め、急ぎ足で下山。午後8時前にエメラルドレイクのキャンプ地に無事到着!日没前に設営も出来て、やっと安心出来ました。

私はお腹が空いて死にそうだったのでラーメンを食べましたが、夫は食欲がないようで青汁を飲んでいました。心配。


蚊がひどいので歩きながら食べる。

明日はレッズメドウまで行き、間に合えばバスでマンモスレイクの町に降りる予定。久々に電波入るかな。

  • 実際の歩行距離(iPhoneヘルスケア調べ):22.8km

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私たちのJMT(ジョンミューアトレイル)②

2日目(DAY116)

Little Yosemite Valley-Sunrise(8.3マイル/13km)

朝7時起床。

周りにも人がたくさん居たせいか、熊の心配はそれほどしなくて済みました。鹿はたくさん見ました。

朝からオートミールを食べ、準備します。
今日の行程は、ここリトルヨセミテバレーからサンライズハイシエラキャンプまで、13km(8.3マイル)の予定。

夜は暗くて行かなかったけれど、キャンプ場のトイレに行ってみました。2階がトイレで、ボットンですが臭いも少なくトイレットペーパーも完備。さらに汚物入れ、消毒ジェルも完備。ホテル並みですね。

トイレを済ませて、まずはハーフドームの方に進みます。リトルヨセミテバレーはハーフドームに近いキャンプ場なので、ここからハーフドームに行く人も多そう。たくさんのハイカーに紛れて進みます。

川を見つけたら水分補給。サラリーマン時代は1時間に1回くらいトイレに行っていたのに、こんなに水分を取っても不思議と尿意はありません。汗で出てるからかな。

向かいから歩いてきた長老風ハイカーに、すれ違いざまに声をかけられました。
「ロングハイクだね?JMTかい?」
そうです!と私たち。
「JMTのルートなら危険箇所はもうないよ、ミューアパスには雪があったけど、もう2週間前の話だからもう大丈夫。天候は変わりやすいから気をつけて。防寒具は持ってるね?」
色々と情報をくれて、心配までしてくれる優しい長老。長老はハイカールートではなく、上級者ルートで歩いているとのことだったので、プロですね!と何の気なしに言うと、
「プロは金がかかるからね、俺は遊びでいいんだ。プロでも最近の若いのは道具の使い方も分かってなくて…」
と始まってしまいました。
「ソビエト軍が…」
だんだん何の話を聞かされているのかわからなくなってきました。
とりあえず、お話出来て良かったです!と話を切り上げると、
「本当はいいキャンプ地とか色々教えてあげたいんだけど、もう行かなきゃいけないよね…」と少し寂しそうにお別れしました。
私に英語力があればもっとお聞きしたかった…!


ハーフドームとの分岐を過ぎたあたりで、二人組のハイカーに声をかけられました。
「おっきなザックだね!JMTを歩いてるの?」
そうだよ、そっちは?と聞くと、
「僕たちもだよ!21日間でマウントホイットニーを目指すよ!」と、同じ方向に進むハイカー仲間が出来ました。アントニーとリカルド。2人はスペイン語も話していました。

夫が、僕たちはペースが遅いから25日くらいかけて歩くよ、と言うと、
「急がない方がいい!ゆっくり歩いた方が最後まで歩き抜けるよ。急ぐやつらは途中で挫折することが多いんだ」と励まされました。
彼らもサンライズでキャンプすると言っていたので、またね!と別れました。


山火事の跡。

休憩を繰り返しながら歩き続け、サンライズに到着したのは日が暮れる直前の午後7時過ぎでした。

メドウ(湿原)の横がキャンプサイトとなっており、蚊が激しめに居ます。初めて蚊除けネットを装着しました。

午後8時過ぎ、辺り一面ピンク色に染まる中夜ご飯。テントから少し離れた場所で食事をし、夫が明日の朝ごはん用に米を炊いてくれたので、おにぎりを作りました。

  • 実際の歩行距離(iPhoneヘルスケア調べ):15km


3日目(DAY117)

Sunrise-Upper Cathedral Lake-Tuolumne Meadows(10.5マイル/16.8km)

カサカサ音が気になってあまり眠れませんでしたが、途中で夫の寝袋とテントが擦れる音だと気付いてからは眠れました。

朝ご飯に夫の炊いた米で作ったおにぎりを食べたところ、水が少なかったのかかなりパサパサだったので、二人ともしじみスープに沈めて完食。

当初の予定では、今日の目的地はここから5マイル(8km)先のカテドラルレイクでしたが、距離が短いので明日の目的地のトゥオルムメドウまで行ってしまうことにしました。ここから10.5マイル(16.8km)先になります。

しばらくはフラットな道なので、順調に進んで行きます。


お気に入りの行動食①Trader Joe'sオリジナルの小分けになったトレイルミックス。



お気に入りの行動食②ベビースターラーメン。この日1日で完食してしまった幻の存在。

このままずっと天気が持ってくれたらいいな。

午前11時半、カテドラルレイクに到着。
適当な場所を探してすぐに靴を脱ぎ、足を水につけました。最高に気持ちいい…!女性の日でなければこのまま全身浸かりたいくらい。

と思っていると横から湖に入って泳ぎだす夫。「俺だけごめんね〜」と言いながら気持ち良さそうに…。

小一時間休憩した後(夫の水浴び待ち)、トゥオルムメドウに向けて出発です。トゥオルムメドウにはストアやカフェもあるので、食糧の買い足しも行う予定。
残念ながらシャワーはありません。

途中すれ違ったハイカーに、「トゥオルムメドウへ行くの?」と聞かれ、そうです!と答えると、「美味いハンバーガーが待ってるよ!」と言われ、それ以降「ハンバーガーとコーラ!」を掛け声に進んでいきました。

トゥオルムメドウへの下り坂の途中、湧き水を発見!
一応浄水して飲みましたが、冷たくて美味しい…!

午後5時前にトゥオルムメドウのキャンプサイトへ到着。ヨセミテのキャンプサイトと同じく一人6ドルを箱に入れるシステムでした。

テントを張る場所を探していると、先に着いていたアントニーとリカルドと再会。「PCTハイカーが置いていった食料があるから好きなのを持っていきなよ!」と言われ、差し出された箱から私の大好きなピーナッツバターとシナモンロールを頂きました。
夫は随分と吟味した後、カモミールティーをもらっていました。貴公子か。

テントを設営後、真っ先にメドウグリルへ。チーズバーガーとポテト、コーラを注文し、写真を撮る間もなく完食。

ストアではとりあえずウェットシートを買い、シャワーの代わりに全身を拭きました。

横のテントが偶然日本人の方で、なんとPCT(パシフィック・クレスト・トレイル)ハイカーの方でした。PCTはメキシコ国境からカナダ国境までのスーパーロングトレイルで、JMTはその一部が重なっています。
トゥオルムメドウはPCTの通り道でもあるので、PCTハイカーとJMTハイカーで賑わっています。

「久々の日本人だ!」と嬉しそうなチューチューさん(彼のトレイルネーム)としばし談笑していると、レンジャーが来て「この後8時からキャンプファイヤーをしながらお話するから、良かったら来てね!」とのこと。

私たちは疲れすぎてキャンプファイヤーには参加しませんでしたが、ああ、アメリカっていいなあ。と心底思いました。みんなが自然を楽しむことが出来て、受け入れる側のキャパシティの大きさにえらく感動しました。
この広い大自然をみんなで守りながら楽しむ。なかなか難しいけれど、制限を設けながらきちんと成り立っていることがすごい。
私たち部外者も、お邪魔します、といった感じで国立公園に入っています。不思議だなあ。

  • 実際の歩行距離(iPhoneヘルスケア調べ):17.2km

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