スガ旅

夫婦で世界の大自然を歩いた旅の記録

私たちのJMT(ジョンミューアトレイル)②

2日目(DAY116)

Little Yosemite Valley-Sunrise(8.3マイル/13km)

朝7時起床。

周りにも人がたくさん居たせいか、熊の心配はそれほどしなくて済みました。鹿はたくさん見ました。

朝からオートミールを食べ、準備します。
今日の行程は、ここリトルヨセミテバレーからサンライズハイシエラキャンプまで、13km(8.3マイル)の予定。

夜は暗くて行かなかったけれど、キャンプ場のトイレに行ってみました。2階がトイレで、ボットンですが臭いも少なくトイレットペーパーも完備。さらに汚物入れ、消毒ジェルも完備。ホテル並みですね。

トイレを済ませて、まずはハーフドームの方に進みます。リトルヨセミテバレーはハーフドームに近いキャンプ場なので、ここからハーフドームに行く人も多そう。たくさんのハイカーに紛れて進みます。

川を見つけたら水分補給。サラリーマン時代は1時間に1回くらいトイレに行っていたのに、こんなに水分を取っても不思議と尿意はありません。汗で出てるからかな。

向かいから歩いてきた長老風ハイカーに、すれ違いざまに声をかけられました。
「ロングハイクだね?JMTかい?」
そうです!と私たち。
「JMTのルートなら危険箇所はもうないよ、ミューアパスには雪があったけど、もう2週間前の話だからもう大丈夫。天候は変わりやすいから気をつけて。防寒具は持ってるね?」
色々と情報をくれて、心配までしてくれる優しい長老。長老はハイカールートではなく、上級者ルートで歩いているとのことだったので、プロですね!と何の気なしに言うと、
「プロは金がかかるからね、俺は遊びでいいんだ。プロでも最近の若いのは道具の使い方も分かってなくて…」
と始まってしまいました。
「ソビエト軍が…」
だんだん何の話を聞かされているのかわからなくなってきました。
とりあえず、お話出来て良かったです!と話を切り上げると、
「本当はいいキャンプ地とか色々教えてあげたいんだけど、もう行かなきゃいけないよね…」と少し寂しそうにお別れしました。
私に英語力があればもっとお聞きしたかった…!


ハーフドームとの分岐を過ぎたあたりで、二人組のハイカーに声をかけられました。
「おっきなザックだね!JMTを歩いてるの?」
そうだよ、そっちは?と聞くと、
「僕たちもだよ!21日間でマウントホイットニーを目指すよ!」と、同じ方向に進むハイカー仲間が出来ました。アントニーとリカルド。2人はスペイン語も話していました。

夫が、僕たちはペースが遅いから25日くらいかけて歩くよ、と言うと、
「急がない方がいい!ゆっくり歩いた方が最後まで歩き抜けるよ。急ぐやつらは途中で挫折することが多いんだ」と励まされました。
彼らもサンライズでキャンプすると言っていたので、またね!と別れました。


山火事の跡。

休憩を繰り返しながら歩き続け、サンライズに到着したのは日が暮れる直前の午後7時過ぎでした。

メドウ(湿原)の横がキャンプサイトとなっており、蚊が激しめに居ます。初めて蚊除けネットを装着しました。

午後8時過ぎ、辺り一面ピンク色に染まる中夜ご飯。テントから少し離れた場所で食事をし、夫が明日の朝ごはん用に米を炊いてくれたので、おにぎりを作りました。

  • 実際の歩行距離(iPhoneヘルスケア調べ):15km


3日目(DAY117)

Sunrise-Upper Cathedral Lake-Tuolumne Meadows(10.5マイル/16.8km)

カサカサ音が気になってあまり眠れませんでしたが、途中で夫の寝袋とテントが擦れる音だと気付いてからは眠れました。

朝ご飯に夫の炊いた米で作ったおにぎりを食べたところ、水が少なかったのかかなりパサパサだったので、二人ともしじみスープに沈めて完食。

当初の予定では、今日の目的地はここから5マイル(8km)先のカテドラルレイクでしたが、距離が短いので明日の目的地のトゥオルムメドウまで行ってしまうことにしました。ここから10.5マイル(16.8km)先になります。

しばらくはフラットな道なので、順調に進んで行きます。


お気に入りの行動食①Trader Joe'sオリジナルの小分けになったトレイルミックス。



お気に入りの行動食②ベビースターラーメン。この日1日で完食してしまった幻の存在。

このままずっと天気が持ってくれたらいいな。

午前11時半、カテドラルレイクに到着。
適当な場所を探してすぐに靴を脱ぎ、足を水につけました。最高に気持ちいい…!女性の日でなければこのまま全身浸かりたいくらい。

と思っていると横から湖に入って泳ぎだす夫。「俺だけごめんね〜」と言いながら気持ち良さそうに…。

小一時間休憩した後(夫の水浴び待ち)、トゥオルムメドウに向けて出発です。トゥオルムメドウにはストアやカフェもあるので、食糧の買い足しも行う予定。
残念ながらシャワーはありません。

途中すれ違ったハイカーに、「トゥオルムメドウへ行くの?」と聞かれ、そうです!と答えると、「美味いハンバーガーが待ってるよ!」と言われ、それ以降「ハンバーガーとコーラ!」を掛け声に進んでいきました。

トゥオルムメドウへの下り坂の途中、湧き水を発見!
一応浄水して飲みましたが、冷たくて美味しい…!

午後5時前にトゥオルムメドウのキャンプサイトへ到着。ヨセミテのキャンプサイトと同じく一人6ドルを箱に入れるシステムでした。

テントを張る場所を探していると、先に着いていたアントニーとリカルドと再会。「PCTハイカーが置いていった食料があるから好きなのを持っていきなよ!」と言われ、差し出された箱から私の大好きなピーナッツバターとシナモンロールを頂きました。
夫は随分と吟味した後、カモミールティーをもらっていました。貴公子か。

テントを設営後、真っ先にメドウグリルへ。チーズバーガーとポテト、コーラを注文し、写真を撮る間もなく完食。

ストアではとりあえずウェットシートを買い、シャワーの代わりに全身を拭きました。

横のテントが偶然日本人の方で、なんとPCT(パシフィック・クレスト・トレイル)ハイカーの方でした。PCTはメキシコ国境からカナダ国境までのスーパーロングトレイルで、JMTはその一部が重なっています。
トゥオルムメドウはPCTの通り道でもあるので、PCTハイカーとJMTハイカーで賑わっています。

「久々の日本人だ!」と嬉しそうなチューチューさん(彼のトレイルネーム)としばし談笑していると、レンジャーが来て「この後8時からキャンプファイヤーをしながらお話するから、良かったら来てね!」とのこと。

私たちは疲れすぎてキャンプファイヤーには参加しませんでしたが、ああ、アメリカっていいなあ。と心底思いました。みんなが自然を楽しむことが出来て、受け入れる側のキャパシティの大きさにえらく感動しました。
この広い大自然をみんなで守りながら楽しむ。なかなか難しいけれど、制限を設けながらきちんと成り立っていることがすごい。
私たち部外者も、お邪魔します、といった感じで国立公園に入っています。不思議だなあ。

  • 実際の歩行距離(iPhoneヘルスケア調べ):17.2km

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