スガ旅

夫婦で世界の大自然を歩いた旅の記録

私たちのカミーノ⑭

29日目

Cacabelos → Vega de Valcarce

朝7時過ぎに起床、周りの人たちはもう出発したようです。個室なので、周りの目を気にせず着替えも出来て、本当にいいアルベルゲでした。
8時前に出発。まだ星が見えていますが、もうすぐ夜が明けそう。

8時半に次の村に着いたのでとりあえず朝食。テラスでパンを食べながら日の出を見ていると、昨日知り合ったジョズエとアルベルタも通り過ぎて行きました。

次の村はビジャフランカという村ですが、道が二手に分かれます。道路沿いの道と、山沿いの道。私たちは道路沿いを歩きました。

ビジャフランカに着くと、反対の道を選んだ人たちをずいぶん追い越したようで、かなり早く進んだみたいです。猫がたくさん居たので少し立ち止まりました。


猫の行列。


ついてくる。

後ろからジョズエとアルベルタが来たので、村の中まで一緒に歩きます。

ジョズエから聞いた通り、アルベルタは常に何かを食べています。落ちている栗やクルミを拾って食べたり、木になっている実を食べたり、そしてとても幸せそう。2日前は落ち込んでいたけれど、この陽気なイタリア人たちのおかげですっかり忘れていました。

一緒に2回目の休憩。彼らはイタリア語で注文してもちゃんと通じます。

昨日に引き続き今日もご馳走になってしまいました。アルベルタに、次はどこで休憩する?と聞かれ、連絡先を交換。


子猫の兄弟。

ビジャフランカはとても美しい村でした。ジンから「今日サンティアゴに到着する」とメールが来ました。私たちとマリアに会いにバスで戻ってくると言うのですが、私たちとマリアは現在離ればなれ…。ジンは解決策を見つけてまた連絡すると言っていました。それにしてもめっちゃ早いな…。

マリアからも何度かバスに乗って私たちの所に来る、とメールが来ましたが、ある時は日曜日でバスがなかったり、ある時は私たちのいる所までのバスがなかったりで実現しませんでした。
私にも数日の間に感情のアップダウンがあったように、マリアの過ごした数日にも感情の起伏があったようで、メールの文面からそれが見て取れました。

マリアは最後の1週間は私たちと一緒に歩くことを望んでいましたが、私たちがマリアのためにどこかで待つのも何だか違う気がしていたし、何よりゴールまでにまた必ず会えると確信していたので、マリアを励ましながらいつも通り私たちのペースで進むことにしていました。

イスラエルから来たレウトとシーラに遭遇。彼女たちは昨日の監獄アルベルゲでも一緒で、アストルガからのスタートです。二人とも私より若いけれど祖国の行末をしっかりと考えていて、昨日の夜小一時間ほど話しただけで大好きになりました。歩くのがあまりにも遅いと嘆いていたので、念のため私たちの今日の目的地と、休憩予定地も伝えました。

ビジャフランカを出た後はずっと道路沿いを歩きます。同じ景色をだらだらと歩くので、夫も私も音楽を聴きながら。


栗の木。


イチジクの木。

道路を歩きすぎて疲労…。途中の村で休憩します。


ドアがかっこいい。

入ったカフェで巡礼者メニューを幸せそうに食べるアルベルタを発見。ジョズエはやっぱり逆流性胃腸炎のため食べません。


イタリアのクールマイユールで見た屋根と同じ屋根。

ジョズエたちを追い越す度に「ノ〜!」と叫ばれます。彼らの方が身軽なので、納得いかないみたいです。

「この村で一緒に休憩しよう」と言われた村に到着。先にコーヒーを飲んで30分ほど待ちました。

ジョズエたちも到着。私たちの目的地はあと1.5kmほどですが、ジョズエたちは5kmほど。もっと近くにしたら?と言うと、荷物を送ってしまったために行かなければならないそう。ポーターサービスのデメリットですね…。

ジョズエたちと別れ、私たちは今日の目的地、ベガ・デ・バルカルセへ。
村に入ると「朝食付き8€」の看板が目に入り、吸い込まれるようにそちらのアルベルゲへ。

アルベルゲのオーナーはマリアというかわいい女性で、とても優しい人です。部屋にはぎっしりと二段ベッドが並べてあり、東欧系の大人数グループと一緒になってしまいちょっとうるさい…。

シャワー後、村の唯一のレストランで晩ご飯。

ここがものすごく美味しいレストランで感動!今まで食べた巡礼者メニューの中でも一番でした。横に座っていたオーストラリア人ご夫婦とおしゃべりしながら食事して、オーストラリアのおすすめトレイル情報を教えてもらいました。イスラエル人のレウトとシーラも無事到着したようで、同じレストランで再会しました。

夜、寝袋に入ってから誰かのイヤホンからの音漏れが酷く、朝までずっと部屋中にトランスミュージックが流れていました。

30日目

Vega de Valcarce → Fonfria

朝ごはんは宿のキッチンにてセルフサービス。手作りのマフィンやケーキ、パンなどテーブルいっぱいに用意されていました。ノラも同じ宿だったようで、後ろから急に話しかけられ思わず「おはよー!」と日本語で返してしまいました。

歩き始めると先日モリナセカの宿で一緒だったフランクさんと再会。小さい身体で一生懸命歩く姿がかわいい。フランクさんはシリコンバレーの近くに住んでいるそうで、初対面の時は見た目から日本人かと思ってしまいましたが、日本語は話しません。本当に、見た目だけでは国籍はわからないものですね。


のどかな村々を抜けて行きます。

ラ・ファバからは登りになります。今日もちょっとずつ休憩して登り、一気に降りる予定です。山のてっぺんにあるオー・セブレイロで宿泊する人も結構いるみたい。

オーストラリアのママ友3人組に再会。会うたび、別れるたびにハグしてくる人たちです。

登り始めるとノラに追いついたので、しばらくおしゃべりをしながら一緒に登りました。話題は主に私たちの旅行やビーガンのこと。ノラから、ハン先生も奥さんと色んな国に行っていて、各地で無償で治療をしていることを聞きました。また、ビーガンでもこうやって800km歩けるんだから、肉や卵を取らなくたって栄養は十分取れるんだよ、と教わりました。でも私は韓国に行ったら絶対にサムギョプサルを食べたい、と言ったら笑っていました。優しい優しいノラ。

山の中腹で、しきりに巡礼者を呼び止めるイケメンに遭遇。彼はウクライナ出身のエリック。「振り返ってこの景色を見るべきなのに、みんな素通りするんだ…!」と嘆いていました。私たち夫婦とノラも足を止め、さらに後ろから来たフランス人グループも足を止めました。


エリックの見せたい景色。

「僕はしばらくここでみんなの足を止める任務に徹するよ」と言うエリックは、終始「足がクソ痛い」と連呼していました。


馬も通ります。

オー・セブレイロ直前の村で休憩していると、レウトとシーラもやって来ました。二人ともとても辛そう。まだカミーノ5日目くらいのはずなのに、シーラは足裏の水ぶくれが酷いらしく、靴を脱いで休憩。レウトは登りでは息が出来なくて苦しいと言っていました。
2人はユダヤ教なので、カフェに入っても食べられるものが限られます。漠然と、ユダヤ教とキリスト教は仲が悪いのかと思っていましたが、彼女たちのようにカミーノを歩いてみようと思う人たちもいるんだと驚きました。
宗教の話から、突然彼女たちに「仏教で好きな教えは何?」と聞かれ、私は「色即是空」を説明。私の拙い英語ではおそらく2%も伝わらず、「よく分かんないけど、深いね」と返されました。全仏教徒のみなさんごめんなさい。

オー・セブレイロに到着です。こじんまりして美しい村ですが、バスで観光客もたくさん来ていました。一生懸命登ったてっぺんにバスが止まっていると、何だか少しがっくり。

ガリシア州に入ったようです。カラフルな石碑に色々書き込まれていますが、こういった公共のものに直接何かを書き込む精神が分かりません。


お山の上に建つ巡礼者の像。

次の休憩場所を目指して山を下って行きます。

残り150km!ガリシア州に入ったのでタコ料理も楽しみ。

今日の目的地、フォンフリアに到着です。周りには何もなさそうな村なので、アルベルゲで夕飯もお願いしました。昨日の宿で一緒だった東欧系のグループもまた同じ部屋で、散々大声で騒いだ後にフランス人のマダムに「みんな休んでるんだから静かにしなさい!」と怒られていました。助かります。

夕飯会場は別棟にあり、長テーブルでみんなで頂くスタイル。夫の横には足がクソ痛いエリックが座りました。

夕飯はスープとお肉の煮込み、パンに米と嬉しい内容。

ウクライナではこんな山の風景を見たことがなかったと言うエリックに、モンブラン山群の写真を見せる夫。「Amazing!!!」を連呼していましたが、痛み止めを飲みすぎたのかどんどん呂律が怪しくなり、眠そうになっていました。


絶品のサンティアゴケーキ。

食事の後は大音量で音楽が鳴り始め、スタッフが踊りながらサンティアゴケーキを配るサプライズ。

その後も音楽は止まらず、謎のダンスタイムが始まりました。女将さんは色んな人をダンスに誘っていましたが、みんな相当疲れていたのか参加したのはまさかの2.3人…。ダンスに参加するパワーがゼロのエリックと私たち夫婦はこっそり抜け出しました。外に出るとフランクさんもいて、顔を見合わせて苦笑い。


「他の人より短い」と夫に指摘を受けた寝袋姿の私。

ノリが悪くて本当に申し訳なかったけれど、何だか風邪を引いたようで悪寒が止まりませんでした。昔から我が家が信仰している「改源」を飲み早めに就寝。

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私たちのカミーノ⑬

27日目

Rabanal del Camino → Molinaseca

昨晩寝る前に食べた辛ラーメンで胃がもたれてしまったので、今朝はアルベルゲでコーヒーのみ頂きました。


いつも優雅なセバスチャン夫妻。

宿に貼ってあった地図を見て、いよいよ終わりが見えて来たことを実感。

出かける前にギレンヌに、「石は持った?」と確認されました。今日は山の上に立つ鉄の十字架を通る日で、巡礼者は自分の国から石を持ってきて、ここに祈りを込めながら置いていく、という慣しがあります。
私たちはそんなことは全く知らなかったので、昨日そこら辺に落ちている石を拾って準備しました。

ギレンヌがカナダから持ってきたんだという石を見せてもらうと、とても綺麗なキラキラ光る石でした。「海で探したの」と嬉しそうに話すギレンヌ。私も日本から持って来たらよかった…!

今日もいつも通り日の出とともに出発!

5kmほど歩き、フォンセバドンで朝食休憩です。


道の真ん中に十字架。

ここのトスターダがカミーノで一番美味しかった!朝食を食べているとシェーン&クリスティーン、ウェイン&テレサ、ジェネルやオーストラリアのママさん3人組に遭遇。石を置く日のせいかみんなちょっと興奮気味。

十字架はフォンセバドンから少し登ったところにありました。巡礼者が祖国から持ち寄った石たちが十字架の周りに置かれています。私たちも昨日そこら辺で拾った石を置き、祈りを捧げました。
鉄の十字架が意外に小さかったのが印象的でした。

ここから先は私たちの得意な山道です。他の巡礼者を抜いてぐんぐん進みます。

久々のアップダウンが新鮮で気持ちいい!

足裏に若干の痛みを感じつつも、軽快に下っていきます。途中休憩に寄った村でダグとジョンと再会。彼らも今日の目的地は私たちと同じモリナセカです。ダグとジョンの予約しているアルベルゲを念のため聞いて、後でね!と別れました。

モリナセカに到着です。今日はとてもテンポよく進めました。

ハンガリー人のお友達からのメールで、「僕はモリナセカに泊まらなかったけど、次は絶対泊まりたいくらいかわいい町」と聞いていたので、ここに滞在することにしたのです。

町の入り口からすでにかわいいので上機嫌です。ダグとジョンのアルベルゲは町を出る場所にありますが、町の真ん中に新しく綺麗なアルベルゲがあったのでそこに決めました。


ベリンダ姉さんも同じ宿!

オーナーはとても優しく、日本の四国とこの町は交流があることや、近くのアルベルゲの庭に観音様がいることなどを紹介してくれました。

部屋に二段ベッドが4台あり、私たちと日系アメリカ人のフランクさんの3人だけでした。ベリンダ姉さんは別の部屋。

シャワー後足裏を確認すると、包帯が擦れてしまって悪化し、巨大な水ぶくれになってしまっていました。以前台湾人のチンから教えてもらった方法で、針を刺して水を抜くだけでなく、糸を通す方法を試してみました。糸が通っているので水がある状態で皮が閉じることを防げます。汚くてごめんなさい。

洗濯をしたかったのですが洗い場がなく、5€払って洗濯機を回しました。乾燥機は4€だったので、オーナーに支払ってトークンをもらい、乾燥機も回しました。私たちが乾燥機終了に気づく前にオーナーが気付いて、洗濯物をベッドまで運んでくれていました。優しい…けど高い…。

せっかくなのでオーナーに教えてもらった観音様を見に行くことに。ダグとジョンのアルベルゲの向かいにあるみたいです。


日本語!

生き木観音です。何だかありがたい気持ちになります。

帰り道にダグとジョンのアルベルゲを通るとちょうど二人とも外にいました。ご飯に誘いましたが、アルベルゲでもう注文しているそう。そしてもう一歩も動きたくないと言っていました。また明日ね!と言って別れ、私たちは夕ご飯を食べに町に戻りました。

宿の前を通り過ぎようとした時、オーナーに呼び止められたので足を止めると、急に「乾燥機のトークンは?」と聞かれました。えっ乾燥機に使ったよ、と言うと、「そんなはずない」の一点張り。「僕はトークンを渡したよね?Yes or No」と言われたので、もらったけど使ったよと言っても「No!」と言われてしまい、彼が何を言いたいのかが全く分からず。
しまいには、私たちが英語を理解していないと思ったのか、「韓国人か?何語なら分かるんだ?」と言われ、Google翻訳を使い始めました。「乾燥機が終わって、私たちの洗濯物をあなたがベッドまで運んできたでしょう?」と言うと、しばらく考えた後思い出したのか、「あー、ごめんごめん、違う人に渡したんだった」と言われました。
その後特に彼を責めることもせず、夫と食事に出かけましたが、怒りは全くおさまらず…。宿のオーナーに腹が立っているというよりも、失礼な態度で傷ついたよと言えなかった自分に腹が立っていました。


29日目

Molinaseca → Cacabelos

腹が立ちすぎてあまり眠れず、朝になってすぐに宿を出発しました。

あまりに怒りを引きずる私を見て、夫は不思議そうに「あの人がアホだっただけなのに何でそんなに怒るの?」と。確かに。

次の町はポンフェラーダという大きな町で、モリナセカを出ると道路沿いを歩くショートカットコースがあります。朝ごはんがまだだった私たちはショートカットコースを使ってポンフェラーダへ。

カフェで朝ごはんを済ませ、ポンフェラーダの旧市街を抜けます。ハン先生夫妻は教会を見学していました。


ポンフェラーダの教会。

美しい風景に心が洗われます。あの怒りの15分のために心を掻きまわされたくない。そして夫にはノーベル平和賞を進呈したい。

ポンフェラーダを抜け、川沿いにサッカー場がいくつも並んでいる横を歩きます。子供達が試合の真っ最中で、つい立ち止まってしまいました。


分かりやすいカミーノマーク。

巨大な鳥の巣を発見。もはやアートです。


マリア様の手いっぱいに花びらが。

途中の村でサンドイッチ休憩。小さなオリーブオイルの瓶を買ったのですが、パン+オリーブオイル+生ハム+チーズが最高です。特製ボカディージョです。


魔女の鍋みたい。

教会前でスタンプ押すよと言われたので押してもらいました。寄付制でした。


幸せそう。

今日の目的地、カカベロスに到着です。町に入る前に後ろからイタリア語が聞こえたので、イタリア語も話せないくせに「イタリアーノ?」と聞いてみると、ものすごくフレンドリーな人たちで一気に仲良くなりました。

英語をほぼ話さない彼らとイタリア語を全く話せない私たちは、Google翻訳を使ってコミュニケーション。レオンからスタートした彼らの名前はアルベルタとジョズエ。ご夫婦かと思ったら友達で、お互いの配偶者も親友だとのこと。

アルベルタに誘われてベッドもまだ確保出来ていないのにレストランへ。私たちもまだお腹は空いてなかったのでコーラだけ頼み、アルベルタだけ巡礼者メニューを堪能。ジョズエは逆流性胃腸炎のため歩く前には食べないそう。


太陽が必要なアルベルタはどんどん遠くに。

ジョズエはGoogle翻訳が気に入ったらしく、日本での結婚式の相場など色々な質問をぶつけてきます。結婚式には市長とか司祭とか来るの?と聞かれたので、結婚式は形だけで、実際は紙を役所に提出したら結婚したことになるよ、と教えると「ノ〜…」とひどく悲しそうでした。

ジョズエはイタリアのサルデーニャ島から、アルベルタはローマから来たそうです。どちらも行ってみたい!子供を連れてこいと何度も言われました。

先へ進むジョズエとアルベルタと別れ、私たちは公営のアルベルゲへ。一人6€と格安ですが、Googleのレビューには「監獄以下」と書かれていたのが気になります。

アルベルゲに到着。受付の女性はとても感じが良く、「アリガトウ」と日本語で言ってくれました。部屋は全て個室にベッド2台となっています。


私たちの部屋。

ベッドの衛生状況が気になりますが、寝袋を使えば問題なし!とても居心地の良い部屋で安心しました。

中庭に行くとハン先生が居て、手招きされたので行ってみました。足裏の水ぶくれのことは言わなかったのに、足裏に手をかざして、また手の指に針を刺してくれました。シャワー前だったので、この後2時間お風呂に入れませんでした。

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私たちのカミーノ⑫

25日目

Hospital de Orbigo → Astorga

だいたいのアルベルゲは7時半〜8時半くらいまでに出なくてはならないのですが、こちらのアルベルゲは出発時間が自由でした。何時まででも居て構わないそうです。
寄付制の朝ごはんを食べ、本日も日の出と共に出発です。

町を出るとまたすぐに分岐がありました。私たちは休憩のしやすそうな北の道に進みます。


振り返ると朝日。

3kmしか歩いていないけど、次の村で休憩です。窓からお花が垂れ下がっている風景をよく見ます。


牛を撮影しながらまた休憩。

村を出た後は約8km、ひたすら畑の間を歩いて行きます。

次の村に入る手前に寄付制の休憩スポットがありました。みんな休憩していたので私たちも一休み。飲み物やパン、フルーツが山のように並べられています。
箱に小銭を入れて、バナナやネクタリンを頂きました。

スタンプがあったので押してみると、何か見たことがある図柄…。そうだ、マリアのタトゥーにそっくり!写真を撮ってマリアにメールで送ると、明日絶対行く!と返信が来ました。

休憩ポイントから少し歩くと、サン・フスト・デ・ラ・ベガに着きます。この十字架モニュメントの裏手でギターを弾いていたおじさんが、私たちを見て「コレア〜ノ〜コレア〜ノ〜」と歌い始めてチップを要求してきたので、ハポネスだよと言って通り過ぎました。それだけ韓国人が多いんですね。


水汲み場にある巡礼者の像。

この村でもコーラ休憩をし、先に進みます。5kmほど進むとアストルガという大きめの町があるので、そこでランチをとることにしました。

ランチだけのはずが、町に入る時のちょっとの坂道で体力を消耗してしまい、夫と全会一致でアストルガでステイすることにしました。

町に入ってすぐの場所にある公営のアルベルゲ。健康な私たちは最上階の部屋(エレベーターなし)に通されました。下の階は、年配の方や病気や怪我をしている方のために取っておくみたいです。

シャワーを済ませて洗濯をしていると、隣で韓国人のお母さんが華麗なる手洗いを繰り広げていて、魅入ってしまいました。後ろからノラも入ってきて3人並びで洗濯タイム。
ランチに出かけようと1階に降りると、イタリア人のパトリシアやオーストラリア人のサリーとも再会。


アルベルゲの向かいには教会。

昨日の反動か、どうしてもハンバーガーが食べたくなり、バルでハンバーガーを注文。美味しかった…!

バルを出ると、向こう側で手を振る韓国人の青年が。彼とは何度も顔を合わせていたけれど話したことがなく、この日初めて言葉を交わしました。いつも欧米人グループで歩いていて流暢な英語を話す彼の名はミン君。同じアルベルゲに泊まっているので、また夜ね!と別れました。

その後、カミーノ犬とダリウスにもばったり再会。みんなこの町は素通り出来ないよう。

大聖堂の前に一際目を引く建物がありました。何とガウディ作の司教館です。今は博物館となっていて、お金を払って見学可能です。

バルセロナ行きを取りやめた私たちでしたが、まさかここでガウディ建築を見られるとは思っていませんでした。

充実の内容で大満足!1時間ほどかけでじっくり見学しました。

その後、アストルガ大聖堂も見学。

何だか今日は観光客気分です。アストルガはちょうどいいサイズの過ごしやすい町で気に入りました。

宿に戻り、共用スペースにいたミン君に呼ばれたので行ってみると、韓国人のお父さんによる針治療が行われていました。

お父さんの名前はハン先生。洗濯室で一緒だったお母さんのご主人です。英語を全く話しませんが、スペイン語と英語で書かれた説明文を私に見せてくれました。自分も巡礼者でありながら、無償で人々の痛みを癒す彼の精神に感動しました。

ミン君が通訳となり、足の甲が痛むことを伝えると、手の小指に数本針を刺し、2時間経ったら抜いていいよと言われて終了しました。
それを見ていたイスラエルから来た女子2人も針に挑戦。みんなどこかしら痛いので、効きそうな針治療に興味津々です。

針を刺してからその場で安静にしていると、ミン君のお友達のドイツ人青年が小声で「ねぇ、あの人たち本物の日本人なの?」とミン君に聞いていました。ミン君が「本物だよ」と言うと彼は興奮気味に私たちに話しかけてきました。大のアニメ・漫画ファンらしく、ドラゴンボールの主題歌をドイツ語で披露してくれました。「チャーラー!ヘッチャラー!」だけが同じで、後はドイツ語でした。
ちなみに「アタックNo.1」もドイツではかなり有名らしく、ドイツ版タイトルは「ミラ・スーパースター」だそうです。


26日目

Astorga → Rabanal del Camino

今日は日の出前に出発。まだ真っ暗闇でしたが、アストルガの真ん中にある市庁舎が美しくライトアップされていました。

アストルガを出てひたすら歩いていると、後ろからカミーノ犬が走ってきて夫の膝上にかわいい足跡をつけて去って行きました。振り返るとやっぱりダリウスがいて、犬のペースに合わせて歩く彼の姿はすぐに見えなくなりました。

先日同じアルベルゲだったハンガリーの男性から、ちょこちょことメールでおすすめアルベルゲ情報が送られてきます。彼は私たちよりも前を歩いているので、ここはとても良かったとか、ここには泊まらない方がいいよ、とか有益な情報を毎日知らせてくれています。

彼のおすすめアルベルゲに行くため、今日はラバナル・デル・カミーノを目指します。アストルガから21km前後の位置です。韓国料理メニューもあったよ、と教えてもらったので楽しみです。

途中、フェンスにたくさんの十字架が刺されていました。

町に到着です。そう言えば、足の甲の痛みがだいぶ良くなっている気がします。でも足の裏にいやな感触。

巡礼路から少し外れますが、こちらがお目当てのアルベルゲです。

ベッドも無事に下段を確保できました。ベッド数の割にトイレが1個、シャワーが2個と少なかったので、トイレには少し気を使いました。

シャワー後足の裏を見ると、再び水ぶくれが出来ていました。再度水抜きをし、触れない様に簡易包帯を巻いてもらいました。

宿の前にプルポの看板が。まさか、ついに名物のタコ料理が食べられる…?

中庭スペースでプルポの屋台コーナーがあり、早速注文。皿の大きさで値段が変わります。

プルポは茹でたタコにスパイスやオリーブオイル、塩をかけたもので、普段からタコを食べる日本人の私たちは何の抵抗もなく、美味しく頂けます。
プルポ屋のおじさんが言うには、ほとんどのヨーロッパ人はタコを食べないんだとか。スペインの一部やイタリアでは食べるそう。
おじさんに毎日食べたいと言うと、「ガリシア地方に入ったら毎日食べられるよ」と教えてもらいました。

ケベックのギレンヌ、セバスチャン夫妻にも再会。私たちがプルポを食べるのを見て、人生初のタコに挑戦です。ギレンヌは思ったより美味しかったと言っていましたが、ご主人は「もう二度と食べなくてもいいかな…」と言っていました。やっぱり馴染みのない人からすると気持ち悪いのかな?

オーストラリアのベリンダ姉さんも同じ宿で、プルポを持って私たちの席へ。横に座っていたアメリカ人のダグとジョンともお友達だったようで、みんなでしばしタコトークをしました。

夕方、夫がシエスタをして暇だったので、教会のミサに行く人々について行ってみました。教会に行く道すがら、ハン先生が路上で巡礼者に針治療を行っていて、ミサに少し遅れて中に入りました。

ミサの最後に聖書の一部分を読む場面では、スペイン語、英語、フランス語、韓国語で朗読されて感動しました。

宿に戻ってから韓国メニューを見せてもらうと、辛ラーメンとキムチとご飯のみでした。セットで頼んで夫と待っているとダグが一人でお酒を持ってやってきたので、3人でおしゃべりしながら食事をしました。
ダグは西海岸に住んでいて、私たちがいかにアメリカの大自然に感動したかを熱弁すると、今度アメリカに来たらうちに泊まりなさいと言ってくれました。
あまりにも色んな人が私の国に来たらうちに泊まればいいと言ってくれるので、私も彼らが日本に来るときは熱烈歓迎したいと強く思うようになりました。

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