スガ旅

夫婦で世界の大自然を歩いた旅の記録

夫のセネガル帰省①

セネガル・ダカールへ

モロッコを後にした私たちは次の目的地、セネガルへと向かいます。

————————————

タイトルに「セネガル帰省」と書きましたが、実は私の夫は小さい頃にセネガル共和国のダカールに住んでいました。お義父さんの仕事の関係ですが、お義母さんから聞く話によると、当時(3歳くらいの頃)は夫はフランス語を話していたとか。

せっかくアフリカ大陸に上陸したので、夫が住んでいた場所を見に行こうとなり、ダカールを訪れることになりました。ちなみに夫によると、当時の記憶は皆無だそうです。
また私のダカール滞在での一番の楽しみは、「ヤッサ」というセネガルの家庭料理を食べまくることです。
お義母さんがたまに作ってくれるのですが、本当に美味しくて私の大好物。食べるたびに夫と結婚して本当に良かったと思うほどです。セネガルに上陸したからには、本場のヤッサを食べ歩くしかありません。

————————————
マラケシュ・メナラ空港は近代的でとても綺麗な空港でした。

同じアフリカ大陸の移動ですが、一度ポルトガルのリスボンを経由してセネガルに向かいます。何だか損した気分。

空港にはお祈りルームの表示が当たり前にあって、異国の風を感じます。愛媛の空港でお遍路着替えルームを発見した時と同じくらいの感動。

ラウンジで時間を潰してから、まずはリスボンへ。
さようなら、モロッコ。必ずまた来ます、次回はレンタカーを借りて。
リスボンで乗り継ぎをして、深夜のダカールのブレーズ・ジャーニュ国際空港に到着です。
事前に「入国審査官に賄賂を要求される」という情報をキャッチしていたのですが、入国審査でとっさに滞在先の住所が出てこなかった私たちに、「50€」と書いた紙をチラチラ見せて、「支払えばすぐに通してあげるよ」と言ってくる審査官。
夜中でしたが宿のオーナーに電話をかけ対応してもらい、無事に無料で入国できました。

チェックインの都合で朝になってから宿に向かう予定だったので、空港で時間を潰します。

空港内で夫に話しかけてきたタクシードライバーが、朝8時に宿に着くように送ってくれると言うので、ちょっと高かったけれど彼にお願いすることに。空港内でSIMカードの購入も手伝ってもらい、スムーズにネット環境もゲット。

私たちだけのタクシーかと思いきや、ほかに2人乗せるとのこと。そもそもその2人の迎えのために空港に来ていて、私たちからも高い料金を取るなんて…とは言えフランス語で文句も言えずに乗客4人でギュウギュウでダカール市街に向かいます。
同乗したお客さんはフランス在住のアルジェリア人。つたないフランス語で少し会話をすると、「フランス語圏に10日も住めば上達するよ!大丈夫!」と励まされました。

お義母さん曰く「ダカールの霞ヶ関」、ダカール・プラトーにて彼を下ろした後、8時まで時間があったので海までドライブ。

しばらく浜辺で時間を潰し、予約していた宿「シェ・山田」に向かいました。


道端で売られている「カフェトゥーバ」。私には無理な味でした。

シェ・山田はその名の通り山田さんが経営されているお宿で、お会いしてみて衝撃、何と私たちよりもお若い方でした。日本人が経営されている宿には初めて泊まるのですが、何となく汚いおじさんがやっているイメージだったので(先入観)、ドアを開けて迎えてくれた山田さんが若くて綺麗な青年で拍子抜けしました。

夜中に電話で起こしてしまったことを謝罪した後は、共用スペースでしばし談笑。日本語でコミュニケーションが取れる幸せを久々に味わいました。

山田さんに近所の定食屋を教えてもらい、お昼ごはんに本場のヤッサを食べに行きました。


記念すべき初・本場のヤッサ・プレ。

味は美味しいけれど、胡椒が効きすぎて辛い…!出されたお水を飲むのが怖くてコーラを頼んでしまいます。汗だくで完食し、本場のヤッサも口に合うことを確認できました。

宿に戻り、ちょうど前の日からダカールを訪れていたNホリさんにもご挨拶し、夜は山田さんにシーフードのお店に連れて行ってもらうことになりました。

若くして単身アフリカに渡り、一人で宿を開くなんて私たちには想像も出来ないほど大変なことだろうと思います。そんな苦労は語らずにゲストの私たちを笑わせて下さる山田さん。そしてスマートにフランス語であれこれ注文して下さります。


新鮮で美味しい魚介がとんでもなく安いダカール。

Nホリさんもお仕事でアフリカ各国を何度も訪れているようで、イスラム圏の話題に花が咲きました。セネガルはイスラム教徒が大半を占めており、モロッコと同じく合言葉は「イン・シャッラー」(アッラーが望むなら)。

久々にスカートを履いて海辺でご飯を食べたことが凶となり、足下を大量のノミにやられました。

ンゴール島

翌日は、ダカールの北側に位置するンゴール島に行ってみることに。

まずはタクシーで船の出る場所まで移動。タクシーを降りると、「ンゴール島に行く船はこっちだ」というお兄ちゃんに導かれ、黙ってついて行きます。

船のチケットを買う場所を指差しながら、「船が出るまで時間があるから、僕の村を案内するよ」と言ってまた歩き出しました。

(これ、お金払うやつかな〜)と夫とヒソヒソ話しながらついて行き、漁師の集落のような場所に到着。

一通り集落を回った後に、「ガイド料はいらないけど、今見てもらった村のみんなにクスクスを買ってあげたいんだ。小さいのか大きいの、どっちを買ってくれる?」と言い出す彼。なぜ二択…!夫がクスクスの値段を念のため聞いてみると、とんでもなく高い。
そんなに払えるわけないよ、と言うと、不満そうに「別にいいよ、テランガ(おもてなし)だから…」と言いつつも、船乗り場までの道中ずっと夫に金を要求。
村も見せてもらったし、と結局少し渡しましたが、「テランガの国」を語りながらお金を要求するのはやめて欲しいなと思いました。

船は往復1000セーファ。セネガルの通貨の単位が大きくて、毎回ビクッとしますが、1000セーファで200円しないくらいだと思います。

船は完全に砂浜に上がって来ないので、こちらから膝くらいまで海に入り乗船。座る部分もびしょびしょ。でも一瞬でンゴール島に到着です。

ふらふらと島を回った後は、お待ちかねのヤッサタイムです。


魚のヤッサ、ヤッサ・ポワソン。

観光地価格で高かったけれど、美味しい…!割とマイルドでお義母さんの味に近い。でもソースが少ないので70点!

ヤッサを食べ終わってのんびりしていると、到着した船からほろ酔いのNホリさんが降りて来ました。もう本土で軽く飲んで来たらしく、島を回ることもなく私たちと一緒にのんびり。

帰りの船を待ち、行きで乗ったのより快適そうな屋根付きの船が到着したので乗ろうとすると、「お前らはあっちだ」と言われ断られました。

私たちは行きと同じこっちの船でした。しかも乗る直前の救命胴衣争奪戦に負け、何も付けずに乗船。悲しい。

Nホリさんの今回のセネガル訪問の目的は留学時代の高校の友人に会うことだそうで、今日の夜は日本料理屋に行くと言っていたので私たちもストーキングしてお邪魔させてもらいました。

Nホリさんのお友達はなんと元バスケットボール選手。私は全くもってバスケットボールについての知識はなかったのですが、話を聞いているとすごい人でした。とても紳士で優しく、楽しい時間はあっという間に過ぎて行きました。


久々に本当に美味しい日本料理。

ダカールの人々は容姿端麗でおしゃれな人が多く、すれ違う女性、時には男性にも釘付けになってしまいます。モデルのようにスラッとした人が多く、たるみきった自分の身体と見比べて自己嫌悪に陥る毎日です。

———————————————————————

気持ちが弛まぬよう、旅行ブログランキングに登録してみました。クリックして頂けると励みになります!

にほんブログ村 旅行ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 旅行ブログ 世界一周へ
にほんブログ村

私たちのモロッコ探検記⑩【ワルザザート・マラケシュ】

17日目

Les gorges du todra → Ouarzazate

朝ごはんを済ませて、ジュリオにお別れ。本当に楽しいトドラ渓谷滞在でした!

次なる目的地のワルザザートへは、乗り合いタクシーにて向かいます。チケット売り場でチケットを買うために並んでいると、次から次へと人が割り込んできて、並んでいるのは私だけなことに気が付きました。これじゃいつまで経ってもチケットを買えない…!意を決して日本人の常識を捨て、大声でチケットを頼んで無事ゲット。

子供2人の4人家族と一緒にタクシーに乗ります。私たちのバックパックは屋根に積まれ、不安に思っているとちゃんと紐で縛りつけてくれました。

タクシーは砂漠地帯を猛スピードでぶっ飛ばします。前の席に座ってお母さんのスマホでゲームをしていた小さな男の子が吐いていました。自業自得ですね。

3時間ほどでワルザザートに到着。明日のバスチケットも購入して目星を付けていたホテルに行き、部屋を見せてもらいチェックイン。


ホテル館内。


綺麗な客室。

ワルザザートはモロッコのハリウッドと呼ばれていて、映画の撮影が数多く行われており、ここから近くのアイトベンハドゥは「アラビアのロレンス」や「グラディエーター」のロケ地だとか。モロッコ人はみんなこぞっておすすめしていましたが、今回は一泊なので観光はせずに町でゆっくりすることにしました。

近くの商店でデータのチャージをしたり、

化粧水が切れたのでスーパーに行って格安のローズウォーターを購入したり、アルガンオイルの適正価格を見たり、

その後入ったお土産屋さんで、今まで買うのをためらっていたバブーシュ(スリッパ)を衝動買いしたり。

ワルザザートは町自体は小さいけれど、大型スーパーも小さなマーケットもあって過ごしやすい。バスターミナルも近いし、治安も良さそうだしとても快適に過ごせました。

18日目

Ouarzazate → Marrakech

朝ごはん付きの宿だったので、出発前にホテル横のレストランで朝食。

ホテルから徒歩10分くらいのところにあるバスターミナルへ行き、割と時間通りにバスが来ました。

今日はアトラス山脈を越えて最終目的地のマラケシュへ向かいます。アトラス山脈越えがかなり酔いそうなので、酔い止めを飲んで寝る予定。

山を越えたのか、越える手前なのか、峠付近で運転手さんのお食事休憩。
レストランの店主から「お茶飲んでけ!」と声がかかったので、バスの出発時には教えてねと言って私たちもお茶休憩。こんな山奥で置いて行かれたらかないません。


お茶休憩。

バスは順調に山を下り、目が覚めるとマラケシュ市街に入ったところでした。

マラケシュのバスターミナルは鉄道駅の横にあり、駅前にはマクドナルドなんかもあって都会。とりあえず宿を決めていなかったので駅前のカフェに入り、徒歩で行ける近くのホテルに目星を付けます。

直接宿に行って値段を聞き、Booking.comの方が安いと言うと、だったらそれで予約して、と言われました。フロントにてBooking.comの予約を済ませ、チェックイン。オンライン決済したはずなのにフロントでも請求され、おかしいなあと思ってBooking.comに問い合わせると、やはり2重請求になっていました。無事に返金処理も済ませましたが、気がついて良かった…。

せっかくマラケシュまで来たので、タクシーにてメディナへ。
捕まえたタクシーの運ちゃんにメーターを使ってくれと言っても、「料金決まってるから!」とタクシーの窓に貼ってある紙を指差し、割と高い金額で移動。紙には何と書かれているのかわからなかった…。

途中、「あ!人が死んでる!」と言って、交通事故現場を通り過ぎました。モロッコで道路を渡る時は気をつけないといけませんね。

メディナに到着。どうやら時間が早いようで、まだまだ人は少ない様子。露店も店を開く準備をしている段階でした。

とりあえずぐるっとメディナを回り、モスク横のカフェで休憩。何を買う訳でもないのでお土産屋さんに入るのも憚られるし、もうホテルに戻ってゆっくりしようか、とマラケシュのメディナを後にしました。

ホテルに戻る時、近所にボーリング場を発見。暇だったので1ゲームだけやることに。

値段は一人600円ほどで、日本と変わらず。靴は借りてもそのまま自分の靴でやってもいいようでした。

久々に池袋のロサ会館にいるかのような錯覚を起こします。

私もかなり下手ですが、周りのモロッコ人の下手さ具合には驚きました。日本代表として夫の美しいフォームをモロッコ人たちに見せつけてやりました。

モロッコ人に混ざって夜のマラケシュ(ボーリングだけだけど)を満喫し、近くのお肉屋さんで晩ご飯を食べてホテルに戻りました。

明日はいよいよモロッコ出国!


———————————————————————

気持ちが弛まぬよう、旅行ブログランキングに登録してみました。クリックして頂けると励みになります!

にほんブログ村 旅行ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 旅行ブログ 世界一周へ
にほんブログ村

私たちのモロッコ探検記⑨【トドラ渓谷】

16日目

Les gorges du todra

今日は午後からクライミングなので、午前中にティネリールの町までお金をおろしに行きました。ここトドラ渓谷にはATMはありません。

ホテル前に出て町に行くタクシーや乗合バスを待っていましたが、なかなか来ず…。見かねた宿のスタッフが車で送ってくれた上、お金を渡そうとすると断られました。優しい…!

午後は待ち合わせ場所のトドラ渓谷へ。同じ宿のイギリス人青年3人組は午前中から登っていて、私たちはまずジュリオが開拓したビアフェラタに挑戦することに。


カメラを向けると余裕のポーズ。

ガイドしてくれるのはフランス人のオーシャンです。
ビアフェラタは、梯子や人工の足場を使って岩によじ登るもので、ハーネスとカラビナも使用しながら安全に上を目指します。

とはいえ、下を見るとけっこう怖い…!

ボルダリングの経験はあるものの、屋外でこんな高さの岩に登るのは初めてです。

この後はクライミングが控えているけど、正直これだけでもう十分なくらいスリル満点で疲れました。

下りはハイキング気分で降ります。オーシャンは片手にリンゴを持ってかじりながら余裕で降りていきます。かっこいい。

ジュリオたちのいるカフェまで戻る途中、クライミング装備で歩いていると、たくさんの観光客に「写真撮ってもいい?」と聞かれました。オーシャンは毎日のことでうんざりしているのか、全て断っていました。かっこいい。

途中でオーシャンに話しかけてきた男性がいて、後から聞くととてもしつこく付き纏われているんだとか。「ヘルメットしてロープを持ってこんなに汚れた私に『君は美しいね』なんて言ってくるのよ、彼らはみんなフランスに行きたいだけなの。私に興味があるんじゃなくて、私の国籍を利用したいだけなのよ」と言っていました。

最強と言われる日本のパスポートを持っている私たちにはピンと来ませんが、モロッコのパスポートでビザなしで行ける国は限られます。
モロッコで出会った人々に、気軽に「日本においでよ!」なんて言っていた自分が恥ずかしくなりました。
アリも、「君が日本での働き口や住居、ビザの手配をしてくれたらいつでも日本で料理を作ってあげられるのに」と言っていたのを思い出しました。
フェズで会った少年も、大学で勉強した後はフランスに行って働きたいと言っていたし、みんな国を出ることに意欲的、いやむしろ、国を出ないと稼げないように感じます。立憲君主制の国の内情はよく分かりませんが、アリは金持ちはより金持ちに、貧乏人はより貧乏に、という政治が生活を圧迫していると話していました。
ほぼ世界中の国にビザなしで旅行出来る日本人は、本当に恵まれた環境なんだなと再認識。旅に出て得るものは大きい。

次にオーシャンとハイキングの話になり、「ツブカル山は行った?」と聞かれたので、昨年ツブカル山の近くでテント泊をしていたハイキング客二人がテロリストに斬首された事件があったので、心配だから行かなかったんだと話すと、「今はセキュリティもしっかりやっていたから大丈夫よ!とても美しい所だったわ。あの事件はショックだったけど、普通に考えて治安もわからない場所で女の子二人で野宿するのはそもそも危険よね」と言っていました。
モロッコ人にも大変ショックな事件だったそうですが、当人の危険を回避する判断も甘かったんだな、と気が引き締まりました。
北アフリカ最高峰のツブカル山、次回は是非登ってみたいな。

ジュリオたちと合流し、今度はクライミングに挑戦です。トップロープと言って、まずはジュリオやエミリー、オーシャンがコースを選び、上まで登ってロープをゴール地点に通し、降りてきます。
ロープの片方は自分のハーネスに固定、もう片方はビレイヤーが操作します。


エミリーにロープの結び方を教わる夫。

トップロープは高校生の時に何度かクライミングジムで登ったことがあるのですが、屋外、しかもこんな絶壁でやるのは初めてです。ビレーはエミリーがやってくれるので、彼女を信じて這い上がります。

登ってみると、岩はザラザラしていてチョークがなくても滑りにくく、足場も見つけやすい。ロープで確保されている安心感で、割とスイスイ登れました。

ボルダリング経験のおかげかエミリーの社交辞令か、「素晴らしいわ!何も言うことはないわ!」と褒めてもらって上機嫌。

夫にとっては初めてロープを使ったクライミングですが、夫も楽しいようでスイスイ。

クリアするごとに場所を変えてくれて、計4本か5本くらい登れました。だんだん難しくなってくると、ジュリオが横まで登ってきて「ここに足を置いたらいい」とか助言をくれるのですが、彼はロープなし、しかもスリッパを履いただけなので見てるだけでヒヤヒヤします。全く怖くないんだろうな…

日が暮れるまで楽しんで、みんなで宿に帰って晩ご飯。やってみるまでは恐ろしかったけど、エミリーがしっかりとビレーしてくれて、さらに多少引き上げてくれたおかげで達成感も十分!楽しかった〜。

明日はトドラ渓谷を出て、ワルザザートで一泊する予定です。モロッコ旅も残すところわずか。滞在2週間強でも全然足りません。

———————————————————————

気持ちが弛まぬよう、旅行ブログランキングに登録してみました。クリックして頂けると励みになります!

にほんブログ村 旅行ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 旅行ブログ 世界一周へ
にほんブログ村