スガ旅

夫婦で世界の大自然を歩いた旅の記録

私たちのTMB(ツール・デュ・モンブラン)その1

TMB(ツール・デュ・モンブラン)とは、フランス・スイス・イタリアの国境を越えながら、モンブラン山群をぐるりと一周出来るダイナミックなトレッキングコースです。

毎日アルプスの名峰を眺めながらいくつもの峠を越え、それぞれの国の変化に富んだ山旅を味わうことができます。
通しで歩く事はもちろん、途中をバスでショートカットしたりも出来るので、老若男女問わず自分に合った行程を組めば誰でも楽しめるコースだと思います。
私たちはフランスのシャモニーをスタート地点に、時計回りでスイス・イタリアと周り、最後はフランスのレ・コンタミンヌ・モンジョワにてゴールとしました。
準備が遅く前半の宿がほとんど取れなかった私たちは、テント泊装備で挑みました。4回に分けて記録しようと思います。

1日目(DAY87)

初日はケーブルカーで楽する行程。
宿に不要な荷物を預け、足慣らしに徒歩でケーブルカーの駅まで30分歩きます。

久々に重い荷物を背負っての30分、結構きつい…。ケーブルカーの駅があるはずの場所まで来ると、何だか工事をしている様子。
よくよく貼り紙を見てみると、「2019冬、オープン予定」と書いてありました。私たちのように下調べが甘かった他のハイカーも数組、そこで佇んでいました。


天候は抜群。絶対登りたい…

いきなり予定が狂ってしまい、どうしようと焦る私。とりあえず徒歩で行けるルートを夫と探し、Googleマップを頼りに登山口へ。

何という事でしょう。ここも閉鎖。結局ホテルを出てから3時間ほど歩き、アルジャンティエールという小さな町へ。やっと開いている登山口に辿り着きました。

この時点で午後2時。日本での登山であれば有り得ない登山開始時刻、でもここはシャモニー。夜の9時でも明るい。天気予報は晴れ。
迷いに迷い、上を目指す事にしました。

今日の目的地はLac Blanc(ラック・ブラン)。湖が凍っていなければ、湖とモンブランの絶景が見られるはずです。

本来ならケーブルカーを使って2時間の歩きで到着のはずだったのに…。想定外にも標高差1300mの登りです。Googleマップ上では1時間半と書いてあったけれど、1時間進んでも「1時間12分」の表示。全然距離を稼げていない…!

ただひたすらキツい登りをじりじりと登って行きます。上を見上げる度に「つら…」と何度こぼしたことか…。


午後5時。振り返ると絶景。


たまにアイスランドのような景色。行ったことないけど。

分岐地点で、朝ケーブルカー乗り場で見かけたハイカーと再会。どこに行くの?と聞くと、ここからまた下山して下でキャンプするとのこと。タフだなあ…。
彼らと別れてすぐ、ソロでラック・ブランを目指しているヨーロピアンハイカーに声をかけられました。
「どこにいくの?」
「ラック・ブランだよ」
「僕もだよ。20分くらいで着くよね。さあ行こう。」
(そんなに早く歩けるかよ…!)と心の中で叫びつつ、スタスタと歩いていく彼のペースから早期離脱し、私たち夫婦は亀の歩みでノロノロと歩き続けました。

午後7時、ラック・ブランの下にある、ラック・シェズリーに到着。テントがいくつか張ってありました。
この時点で私も夫も残りHPが3パーセントくらいだったので、先程出会った青年には悪いけどここで野営することにしました。


文句なしの絶景。

雪渓の下から綺麗な水が流れていたので、それを使うことにしました。野生の男・ユウスケ氏だったらそのまま飲みそうなほど透明で綺麗な水でしたが、お腹の弱い私は念のため煮沸しました。

テントからモンブランやグランジョラスを眺めながら夕ご飯。最高です。時々アイベックスが近くまで草を食べに来ますが、シャッター音に反応してこっちを睨みます。ツノがあるのでちょっと怖いです。

午後9時半。この時間に到着するハイカーも結構居て、日本の登山とは違い、天候が良ければ長く歩けるんだなあと感動しました。
ラック・シェズリーでの野営は最高ですが、トイレの場所に困ります。上からはラック・ブランから降りてくるハイカーに丸見えだし、隠れる場所がほぼありません。女性は暗くなってから用を足した方が気持ち的に安心です。(滑落注意!)

歩いた距離:21.6km(iPhoneのヘルスケア調べ)

2日目(DAY88)

ユーコンではあんなに起きなかった夫が先に起き、テントから朝日を眺めながら朝食。


本日も快晴!

Instagramでラック・ブランをチェックするとまだ凍っているようだったので、今日はこのまま次の目的地、レ・モンテを目指すことにしました。


さようなら、アイベックス。

今日の行程は下る一方なので、昨日よりかは楽出来るかな〜なんて思いながら歩き始めます。


こんな道を歩きます。最高に気持ちいい!

平坦な道を爽快に歩きます。お花も咲いていて、天国のようです。

山歩きがあまり好きではない夫も楽しんでいる様子。私のわがままに付き合ってもらってありがたい。

途中寝転べる場所で休憩をしたり、5歩歩いては写真を撮ったり。なかなか進みません。

いよいよ今日最後の下りに差し掛かりました。下には道路が見えています。あの道路まで降りて、さらに30分ほど歩いた場所に今日のキャンプ地があります。
地獄のような急な下りで、登ってくるハイカーを気の毒に思いながら頑張って下山。私は下るのがものすごく遅いので、登りより下りが得意な夫とはいつも離れ離れになります。

なんとかモンテ峠に到着!トイレを拝借後、さらにキャンプ場まで歩きます。

牛たちの横を通って進みます。アルプス感出てきたな〜

足が疲れ過ぎてガニ股気味で到着!


かわいいレセプション。バーもあります。

得意のカタコトのフランス語で受付をすると、なんと朝食用のパンも注文しておけるシステムでした。さすがフランス!

欲張ってパン・オ・ショコラとクロワッサンを注文した後、ささっと設営完了!
ここでキャンプをして毎日ハイキングに行く人も多いようで、ベースキャンプのように利用している老夫婦も見かけました。


お湯が出る水場。本もあり、おしゃれが溢れて止まらない。

私たちのテントの向かいには牛が放牧されていました。夜には移動するだろうと思っていましたが、無数のカウベルは一晩中鳴り止むことはありませんでした。


歩いた距離:10.2km(iPhoneのヘルスケア調べ)

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登山準備

DAY85

朝食は安定の(価格の)マクドナルドで済ませ、コインランドリーで洗濯をしたり、食料や燃料などの足りないものを買い揃える日にしました。

コインランドリーはエギーユ・デュ・ミディのロープウェイ乗り場の向かいにありました。モンブラン登山者はここから展望台に登り、スタートします。

洗濯・買い出しを済ませ、宿に戻って作戦会議。
当初組んでいた予定では山小屋なしでは厳しかったため、夜中までかけて行程を練り直しました。

もう一日シャモニーに延泊し、反時計回りだった予定を時計回りに変更。それならなんとかスイスの宿もおさえられました。

宿のマダムに延泊出来るか確認し、同じ部屋でもう一泊させてもらえることに。
おかげでブログの更新も済みそうです。

DAY86

食料計画を立て、持っていく食材をスーパーで買い込みました。

ツール・デュ・モンブランのコース上には等間隔で山小屋があるらしいのでそんなに食材は持たなくてもいいらしいのですが、心配性のため荷物が思ったよりも大きくなってしまいました…。


ブランジュリーで買ったサンドイッチが衝撃の美味しさ!

広場ではアークテリクス主催のイベントが行われていました。

いよいよ明日出発です!
ブログの更新が滞りますが、電波があればInstagramの方にはアップしていこうと思います。
晴れますように…!

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山岳リゾート・シャモニー

DAY84

時差ボケで朝5時に目覚めてしまい、空腹に耐えながら朝食開始時間まで待ちました。

地下の食堂に行くと、おそらくオーナーと思われるマダムが対応してくれ、大きなマグカップに並々入ったコーヒーを持って来てくれました。

フランス語で朝食は「プティ・デジュネ」と言って、通常コーヒー、パンとバターやジャム、ジュースと日本人にとってはかなりボリュームの少ない内容のようですが、ここのホテルではハムやチーズ、ヨーグルト、シリアル、卵もあり大満足。

10€の朝食なので、元を取らねばと色々と食べるだけ食べました。特にシリアルにカシューナッツやアーモンドがいっぱい入っていて美味しかった!コーヒーも美味!

朝食後は町の散策へ。山に囲まれる幸せ…

モンブランが輝いています。

夫と私のような像がありました。右が私。

リアル・アルプス天然水が飲み放題です。

ツーリスト・オフィスに日本語窓口があるという情報をもとに行ってみると、今日と明日はお休みのようでした。
私たちが予定しているのは、"Tour du Mont Blanc"(ツール・デュ・モンブラン)という、モンブラン山群の周りを10日〜13日ほどかけてぐるっと一周するトレッキングコースで、歩きながらフランス・イタリア・スイスの国境を越えるダイナミックなコース。
初めての海外トレッキングなのでなかなか不安ですが、英語窓口で残雪の状態を聞くと、雪は残っているけどアイゼンもピッケルも必要ないとのこと。山小屋利用の場合は必ず予約するように、と言われました。

ヨーロッパの山旅は、山小屋での食事が醍醐味と聞いていたので早速ツール・デュ・モンブランの公式サイトで検索するも、直前過ぎてどこも埋まっている…。
テント泊を視野に入れるも、3カ国で野営ルールが異なり、スイスにおいては野営禁止だそうです。

スイス側ではなるべく山小屋を確保するか、山を降りて下界のキャンプ場にテントを張るか、色々と悩むところです。

悩み疲れたので豪勢なランチにしました。美味しかったし、めっちゃ高かったです。

みんな美味しそうにアイスを食べていたので、つられて買ってしまいました。アイスも美味…!

宿に帰って変な時間に寝てしまい、夜0時頃にお腹が空いてしまいました。いつもフロントにいる陽気なご主人に、カップラーメンを食べるのでお湯をもらえないかと聞くと、地下の食堂を開けてくれて、お湯を入れてくれました。

デザートにと朝食用のネクタリンも分けてくれたり、フランスでは食事の時は赤ワインを飲むのが普通だと言ってワインを出してくれたり、本当に優しいご主人。お喋り好きなようで、色々なことを教えてくれます。


横には犬のアピ。

ご主人も英語は話せるのに、私が頑張ってカタコトのフランス語を話すので、全て分かりやすいフランス語で対応してくれます。とても勉強になる。

お腹も心も満足し、やっとぐっすり眠ることができました。

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