スガ旅

夫婦で世界の大自然を歩いた旅の記録

私たちのTMB(ツール・デュ・モンブラン)その4

2019年7月5日から9日間、夫婦でモンブラン山群をぐるっと一周ハイキングしてきました。

1日目、2日目の様子はこちらから。
www.hike-osuga.com

3日目、4日目の様子はこちらから。
www.hike-osuga.com

5日目、6日目の様子はこちらから。
www.hike-osuga.com


7日目(DAY93)

今日は休息日。ちょうど結婚記念日でもあったので、クールマイユールでゆっくりと過ごす予定です。

まずは溜まった洗濯物を洗いにコインランドリーへ。ハイカーの集う町なので、コインランドリーは常に混んでいます。朝一に行ったので待たずに入れられました。

待っている間に散策。アウトドアショップやブランド物のお店が並び、なんとなく軽井沢に似ていました。


屋根が石の街並み。


TMBのルートを示すプレート。

カフェに入り、いつものごとくアイスコーヒーはないかと尋ねると、出来るよ!とのこと。
クールマイユールのアイスコーヒーはこちら。


まるでカクテルのよう…!

日本のただの氷がいっぱい入ってうっすくなったアイスコーヒーが恋しい今日この頃です。

ヨーロッパを旅していると、ベリーショートの女性をよく見かけます。みなさんとても素敵だったのと、私のなかなか髪を伸ばせない性格が今日この日に爆発して、目に入った美容室(mod's hair クールマイユール店)に入ってしまいました。

適当なベリーショートの写真を見せて、短くしたいと伝えると、店長らしき大竹しのぶ似のマダムが20分ほどでカットしてくれました。お値段も30ユーロでお手頃でした。イタリアで髪を切るなんて、「ローマの休日」のアン王女のようで嬉しかったです。

スッキリしたところで、楽しみにしていた本場のピザを食べに行きました。こちらのお店は、山小屋でお会いした日本人のおじ様たちに教えて頂いたお店。
お聞きしていた通り、大きくてお手頃でとても美味しかった!日本で食べるピザは何となく胃がもたれるのですが、イタリアのピザはさっぱりとしていてさくさく食べられる!大きくて残すかな、と思っていたけどぺろっと平らげました。


イタリアに入ってジローラモ感が出てきた夫。

国境を越えてから、往き交う人々の挨拶が「ボンジュール!」から「ボンジョールノ!」に変わってきました。イタリア語は全くわかりませんが、とにかく陽気な国民性なのか、感情表現が豊かな気がします。夫は「ニーハオ!」と言われることもありますが、私は「ナマステ!」と言われました。
クールマイユールに関しては、国境付近の町なのでフランス語も通じるようです。

かわいいセレクトショップも多くて、バックパッキング旅行じゃなかったら欲しいものもたくさんありました。荷物を増やせないので、我慢…

人の並んでいるジェラートショップにて本場のジェラートを注文。ダークチョコレートとピスタチオのジェラート、絶品でした…!アメリカのアイスクリームは死にそうなくらい甘いのですが、ヨーロッパのスイーツは日本人好みの甘さなので、正直何を食べても美味しいです。


小さな商店で小分けのオリーブオイルとビネガーを発見!コーヒー用クリームも無くなっていたので補充しました。

ホテルは2食付きのプランだったので、夕食はホテルにて。とても美味しいお肉だったので、何のお肉か尋ねると、「魚ではないと思う…」と微妙な答えが。
私何のお肉を食べたんだろう。

歩いた距離:10.2km(iPhoneヘルスケア調べ)

8日目(DAY94)

洗濯やお風呂、美味しいご飯とベッドで元気をもらったクールマイユール。

今日の行程はクールマイユールからヴェニ渓谷までをバスにてショートカットし、そこからミアージュ湖・コンバル湿原を眺めながら谷底を歩き、セーニュ峠を越えてフランスに入ります。

当初バスに乗る予定はなく歩こうと思っていたのですが、バスに乗って大正解。この後の長い行程がとても楽になりました。

一日休んだせいか、身体もザックも重くてなかなか調子が出ないスタートとなりました。後ろからくるハイカーにどんどん抜かされていきます。


絵のように美しいヴェニ渓谷。

エリザベッタ小屋への分岐のサインが出てきました。

登り始める前にはサラミやチーズ、クッキーでエネルギーを蓄えます。

まずはコンバル湿原を抜けます。

山の中腹にエリザベッタ小屋が見えてきました。2棟見えますが、上の方がエリザベッタ小屋です。

私が遅すぎて夫もはるか彼方です。自分のペースでいいんです。

何とかエリザベッタ小屋に到着!石造りの小さな小屋でした。

イタリア最後の山小屋となるので、スパゲッティを2人で1つ頂きました。味はよく覚えていませんが、山小屋でこんなに素敵なパスタを食べられるのはヨーロッパならではでしょう。やっぱりコーヒーも美味しい。

ヴェニ渓谷からフランス国境のあるセーニュ峠まで来て帰る日帰りハイカーも多く、驚くほど軽装な人が多いです。上半身裸で手ぶら、なんていうツワモノもたまに見かけます。


来た道を振り返る。

エリザベッタ小屋での休憩後、いよいよフランス国境のあるセーニュ峠に向かいます。レインウェアが赤、ザックのレインカバーが青だったため、とんでもなく派手な私も写っています。


初マーモット。たそがれていました。

峠に近づくにつれて雪渓も増えてきました。気温もものすごく下がっているけれど、登っている間は暑くてたまらない…

無事にセーニュ峠に到着です!止まると急に寒くなってきます。


標高は2,512m。

いつも通り峠では休憩せず、すぐに下り始めます。今日の宿はモッテ小屋。初めての雑魚寝部屋となります。


雨が降りそうで降らない。

明日歩く予定のグラシエ村でしょうか。美しい谷を眺めながら下山です。


夫も立ち止まる美しさ。

今日の目的地、モッテ小屋が見えてきました!

途中、マーモットの赤ちゃんがおうちから外の様子を伺っていました。(3匹いました)


か、かわいい…!

マーモットの集落を抜けるとすぐにモッテ小屋に到着です。エリザベッタ小屋に比べてかなり大きな小屋だったので、こちらを予約できてよかった!
早めに着いたおかげで、雑魚寝の大部屋の中でも板で仕切られている2人用スペースを割り当ててもらえました。枕に大きな毛虫がついていましたが、案内してくれたスタッフがすぐにほかの枕と交換してくれました。

夕飯まで2時間ですが、今日の自分へのご褒美にケーキとコーヒー、夫はビール。

馬とロバとマーモットを眺めながら今日一日を振り返ります。数日前に同じ区間を歩いていたフランス人の御一行様に、この前同じところ歩いてたよね!と話しかけられ、お互いの出身地やら今後の行程など、話に花が咲きました。レイチェルたちやおじいちゃんグループには会えなかったので、少し残念。

夕食は大きな食堂で、決まった席で頂きます。食堂の前でスタッフがどこのテーブルか教えてくれて、披露宴みたいだなと思いました。

この日のメニューは野菜スープ、サラダ、チーズ、パン、肉の煮込み、ご飯、ラタトゥイユと盛りだくさん!山で野菜が食べられるのは本当にありがたく、ここの山小屋もやはりおかわり自由。

大皿で各テーブルに配られるので、近い人がみんなの分を取り分けてくれます。
夕食時横に座っていたアメリカ人カップルは、ハネムーンでTMBに参戦したそう。私たちが来月アメリカでハイキングすることを話すと、心底羨ましがっていました。アメリカ人であっても、仕事をしていたらなかなか数週間のハイキングなんて出来ないですよね…

料理が全て出たところで、山小屋女将によるオルゴール演奏が始まりました。最初は知らない人はいない「Les Champs-Élysées(オー・シャンゼリゼ)」を流し、お客みんなで大合唱。その後も「イマジン」や「イエローサブマリン」など、みんなが知っているナンバーを流してくれました。


デザートも!

シャワーはあまり温かくならずにみんな絶叫しながら浴びていましたが、スタッフの感じの良さ、料理の美味しさ、トイレの綺麗さから、モッテ小屋が私たちのTMBの中で最高得点の山小屋となりました。絶対にまた行きたい!


歩いた距離:19.4km(iPhoneヘルスケア調べ)

9日目(DAY95)

朝6時45分きっかりに朝食を食べに食堂へ行き、パン、グラノーラ、コーヒーの簡単な朝食を頂きました。食堂を出る際に、頼んでおいたお弁当を受け取り、7時半過ぎにモッテ小屋を後にしました。

グラシエ村に差しかかると、放牧中の牛の群れに出会いました。

放牧地に立っていた女性が、急に何か叫び始めました。初めは私たちに何か言っているのかと困惑しましたが、どうやら牛に対して何かを歌っているよう。

その直後、遠くにいた牛たちも近くの牛たちも、みんな女性の後に行列を作ってついて行きました。牛を呼んでいたんですね…!すごくびっくりしました。かっこよかった…

グラシエ村から、今日のハイライトであるフール峠を目指します。

宿を出発して2時間、峠と思っていた所を越えてもまた峠、という状態が続きます。

振り返ると、グラシエ村も見えない所まで上がって来ていました。もう少しでしょうか…


疲れて来たので早めのランチ。ゆで卵やトマトまで入っていて、モッテ小屋のサービスに感心!


あれが峠だといいな…と地道に進みます。

さすがにここだろうと思われる雪渓付きの峠に到着。繰り返す峠越えに、ぶつぶつ文句を言いながら登りました。


めっちゃ急。

長い雪渓を登ると、何かを発見した様子の夫。

昨日夕食で一緒だったアメリカ人夫妻がランチしていました。冗談で「メーデー!」と叫んでいました。

ようやっとフール峠に到着!雪も残っていてかなりの寒さだったので、雪渓が切れた辺りで休憩しようと少し下ることにしました。


スキーが欲しい。

途中、ボンノム小屋がありましたが、こちらには立ち寄らずに避難小屋を発見。この中でスナックを食べて強風を凌ぎました。

ここまで来ると、今日の目的地のバルム小屋まで1時間。バルム小屋は予約していないので、敷地内にテントを張っても良いか確認しないといけません。

最後の峠越えも終わり、私たちのTMBも終わろうとしています。バルム小屋に向けて下っていると、なんだか見覚えのあるシルエットが下の方に見えました。

「モモ〜!」と下から叫んで来たのはエステリーナでした。再会出来た!嬉しい!
急いでエステリーナ・レイチェルの所まで降りて話をすると、今日中にシャモニーに戻り、明日にはイギリスに帰国するとのこと。

とりあえずバルム小屋に着き、テント泊のことを聞いてみると無料で張っていいと言われたのですが、エステリーナ・レイチェルとご飯でも食べたかったなー、という気持ちが勝り、急遽予定変更。私たちもシャモニーに戻ることにしました。


ゴール地点のノートルダム・ドゥ・ラ・ゴルジュ。

バスにてル・ファイエという村まで行き、そこから4人でタクシーを拾おうという作戦でしたが、ル・ファイエに着くもタクシーは見当たらず…。結局列車に乗りました。

私たちは今日の宿を取っていなかったため、列車の中で血眼で探しましたが、今日は土曜日、明日は祝日でパリ祭。空いてる宿が一泊3万以上しかなく、キャンプ場を当たってみることにしました。

シャモニーの割と街中にあるキャンプ場は大混雑でしたが、オーナーが場所を探してくれて、何とか隙間に張ることが出来ました。オーナーの話によると、この週末クライミングの大会があったので混んでいるとのこと。たしかに私たちのテントの周りは明らかにクライマーと思われる装備の人たちでごった返していました。

疲れすぎていた私たちは、トレイルフードで夕食を済ませ、シャワーも浴びずに早々に寝てしまいました。夜11時頃から30分ほど、花火が打ち上げられていました。
Happy Bastille day!!

歩いた距離:18.2km(iPhoneヘルスケア調べ)

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