スガ旅

夫婦で世界の大自然を歩いた旅の記録

私たちのモロッコ探検記⑥【メルズーガ(サハラキャンプ)】

11日目

Meknes → Merzouga

深夜に1度休憩を挟み、朝まで走り続けるバスの中で爆睡。酔い止めを飲むと怖いくらいに良く眠れます。

朝6時過ぎ、メルズーガの手前のハシラビートという町でバスが停車し、たくさんの乗客が降りて行きました。
私たちは次で降りるのね、と思いながらまた眠りにつこうとすると、「Momo et Taro!!」とバスの入り口から呼ぶ声が。

慌てて降りると、アリのお父さんのアフメッドが待っていました。ここで降りるなら先に教えてくれ…!

アフメッドの車に乗り換え、さらに15分程走ったところにおうちがありました。まだ真っ暗で星以外何も見えませんでしたが、「とりあえず少し寝て、起きたら朝ごはんにしよう」と部屋に案内してくれました。

まだ酔い止めが効いているのか、ベッドに倒れこみ10時まで爆睡しました。目覚めてから外に出てみると、到着時は何も見えなかったけれどおうちの前はこんな感じでした。


ラクダがいっぱい。

そしてアリ家はめちゃでかかった。


ご近所さん。

(ついにサハラに来たんだ…!)と興奮していると、アリの弟が朝食だよと呼びに来てくれました。

朝から盛り沢山の内容で大満足です。夕方からラクダに乗って今日のキャンプ地へ行くらしく、また昼寝でもして起きたら昼食にしよう、と言われました。
そして本当に昼寝をする私たち。


モロッカンサラダ。

お昼ごはんはモロッカンサラダとベルベルオムレツ、フルーツです。


ベルベルオムレツ。


ザクロ!

今後の予定としては、今日はラクダに乗って砂漠に入り、夕日を見た後にキャンプ地に戻って宿泊。
2日目は朝からラクダに乗ってサハラ奥地へ行き、ノマドの家に泊めてもらい、3日目は帰りながらピクニックをして、初日のキャンプ地に宿泊。4日目の早朝にメルズーガを出発、という予定です。

ツアー代金の残りの代金を支払い、いらない荷物は部屋に置かせてもらい、出発です!
アリ家の前までラクダが迎えに来てくれました。

ちなみに、サハラにいるラクダは全て一こぶラクダの雄らしいです。日本語では一こぶだろうが二こぶだろうが「ラクダ」ですが、英語では一こぶラクダはDromedaryと言うらしいです。初耳!

柔らかい砂の上を歩いている時は揺れも少なく快適ですが、かたい道を歩いている時は大きく揺れて体幹が鍛えられます。15分ほど歩いたところでラクダを降りて砂丘に登ります。

砂が細かくて登るのが大変でしたが、登りきると絵のような光景が広がっていました。

ラクダ使いの少年がイケメンでした。

3人で横並びに座り、m&m'sを食べながら夕日を鑑賞。

夫もご満悦の様子です。

日が落ちるのを見届けて、ラクダの元に戻ります。ラクダ使いの少年が「ソリにのるか」と言って、絨毯に私と夫を乗せて砂丘を走り下りてくれました。重過ぎたのか、なかなかゆっくりでした。


私たちのケツ跡。

砂漠ではターバンがとても便利で、少し風が出てくるとターバンで鼻や口を覆って守ります。私たちはシェフシャウエンで購入したターバンを持ってきて、出発前にアリ弟に巻いてもらいました。夫はいい感じに巻かれていたので私もいい感じだと思っていましたが、後で写真を見てみると

ミイラ状態でした。誰か教えてくれたらいいのに。

キャンプ地に戻ると他のお客さんがいました。彼らはフランス人のジュリオとマーク、カナダ人のエミリーの3人組。ジュリオとエミリーはモロッコ在住のクライマーで、マークは休暇を利用してクライミングをしにモロッコに来たそう。明日の朝ラクダに乗って朝日を見て、マラケシュからフランスに帰ると言っていました。

話が盛り上がったので夕飯の席もご一緒させてもらうことに。モロッコでの生活は楽か大変か、と尋ねると、「本当にシンプル。余計なことは考えないし、最高だよ」と言っていました。
ジュリオは私たちがこの後行く予定のトドラ渓谷でクライミングのインストラクターをやっているので、おすすめの宿を教えてもらいました。


タジン鍋。二人では食べきれなかった…。

私もバックパックだけの荷物でもう半年も過ごしていて、本当に必要なものって少ないんだな、と実感しています。でも定住すると生活に彩りが欲しくなるし、また物が増えていくんだろうな。

アフリカに入り、豊かさについて考えさせられる場面が増えてきました。モロッコでは色んなカルチャーショックが激しく、私の中の日本で育ててきた常識を見事に崩してくれます。


遠くのキャンプ地から聞こえる太鼓の音色を楽しみながら焚き火。

明日はアルジェリア国境付近まで移動です。シャワーを軽く浴びて就寝。

12日目

ゆっくり起きて外で朝食。ミントティーもコーヒーも出してくれるのが嬉しいです。

キャンプ地の気のいい二人。日本語を観光客から教えてもらったのか、「ラクダスゴイね〜」「ラクダオドリ〜」と連呼します。ラクダ踊りって何?

準備が出来るとアフメッドの車に乗って移動。
車を降りると、ラクダ使いとラクダ2匹が待っていました。


2日間お世話になるラクダのジミー。ちなみに砂の上のチョコチップみたいなものは全部ラクダの糞。


バラク。ハエが…

ラクダ使いはアジズというベルベル人。ルーツはマリと言っていました。「ベルベル」という呼び方は本来差別的とされていますが、モロッコに来てからベルベル人は自らベルベル人だと名乗るので、私もそのまま使っています。

小さな足跡を発見。何の足跡?と聞くと、「キツネだよ」と言っていました。砂漠にキツネ?と疑っていましたが、この後逃げ去るキツネにも遭遇。あっという間の出来事で写真に収められませんでしたが、是非「フェネック」で画像検索してみてください。とってもかわいかった〜!

アジズは無口ですが、5分おきに「Very good?」と聞いてきます。「Very good!」と答えると、決まって「アフリカ〜!」と叫びます。

昨日は短時間のラクダライドでしたが、今日は長時間。1時間くらい経つと股関節が痛くなってきました。股関節の柔らかい私の親友のクライマーOL、ミウラさんだったらドヤ顔で何時間もラクダに乗れそうだな、と思いながら砂漠の中を進みます。

砂漠ツアーはラクダの他に4WDでのツアーもメジャーなようで、タイヤ痕だらけ。ちょっと残念。

2時間ほど歩いたところで突如ラグジュアリーなキャンプ施設が現れました。ここで昼食休憩を取るようです。

サハラ内でのキャンプ施設は政府の方針で今年全て撤去となったと聞いていましたが、ここはサハラの外なんだそう。衛星写真で見てみると確かに砂漠の外でした。ずいぶんと歩いたもんな…

到着するとお茶とお菓子を用意して頂きました。これが噂のラグジュアリーキャンプか…!(ちなみに写真のトイレットペーパーは、今朝アフメッドから渡されたもの)

おトイレを貸して下さいと言うと、客室のトイレに案内されました。砂の上に敷き詰められた絨毯!これがラグジュアリーキャンプなのか…!

客室(テント)の中に入ると、何ということでしょう。まるでホテルです。綺麗なシーツでビシッとベッドメイクされています。

部屋の奥にはスーパー清潔なシャワールームとトイレが。しかも水洗。これはラグジュアリー!

上機嫌で用を足し、敷地内散策。お客さんはまだ誰もいません。スタッフも昼寝しています。

恐らく夜はここでキャンプファイヤーと太鼓の演奏が行われるのでしょう。ラグジュアリー!

私たちは泊まることの出来ないラグジュアリーキャンプにてランチです。ちなみにWi-Fiまでありました。


恒例のベルベルオムレツ。


恒例のフルーツてんこ盛り。

気になって値段を検索してみると、1泊27,000円ほど。宿泊代金のみなので、ここまで来る車やラクダ代金は別途必要でしょう。

夕方まで休憩していいよと言われたので、お言葉に甘えてのんびりと過ごさせていただきました。


ラグジュアリーキャンプにて全く映えない私。

4時を過ぎた頃、車にて続々とお客さんが到着。スタッフが大きなスーツケースを必死に運んでいました。ラグジュアリーな客たちは私たちが会釈してもガン無視。くそっ

ラグジュアリー客を眺めているのも何なので、アジズの所に行って一緒にラクダたちにエサをあげました。


砂漠の中にソーラーパネル。不思議な光景。

午後5時頃、ラクダに荷物を載せて出発です。今晩お世話になる「ノマド」とは、遊牧民族。最近よく聞く「ノマドワーカー」の「ノマド」はここから来てるんですね。


遠くに見える岩山の上からアルジェリア。

20分ほどでノマドのお宅に到着です。お母さんが出迎えてくれました。

私たちはこちらのテントに案内されました。お茶とピーナッツを頂きます。

荒野の中にポツンとあるノマド家。今は遊牧民ではなく定住しているそうです。

久々にこんな荒野に来て最高の気分です。JMTを思い出すような静けさです。

夕日を見にテントの外に行くと、アジズが記念写真を撮ってくれました。その後、ノマド家から若い女性が出てきて、私たちの前に手作りのお土産を並べ始めました。
ここで買ってあげるのが一番良いのでしょうが、買いたい物が一つもない…。明日チップを渡すことも考慮して、何も買いませんでした。

アジズにどこでトイレしてもいいと言われたので、アルジェリアの国境を眺めながら用を足しました。最高に自由だ!
私たちに必要なのはラグジュアリーキャンプではなくこれなんだよな、としみじみ思いました。


電気がないため夜はロウソク。しかもちゃぶ台に直に立てるワイルドさ。そしててんこ盛りのクスクスが運ばれてきました。

みんなで食べるのかと思いきや、私たち夫婦とアジズの3人での夕食でした。アジズに「これ3人前…?」と聞くと、「10人前」と言われ、完食を断念しました。


フルーツを切ってくれるアジズ。

彼はまだ20代の若者で、小さい頃からラクダと共に生活してきたそう。「砂漠の中では地図は必要ないの?」と聞くと、「地理は把握してるし、万が一迷ったとしても陽の落ちる方向や星の位置でわかるよ」と言われ感心しました。

幼い頃、父が買ってきてくれた「アラビア物語」シリーズが大好きで、毎晩寝る前に一話ずつ読んでもらうのが楽しみでした。その頃から私の中のアラビア世界に対する憧れは強く、サハラでラクダ使いと共に過ごす夜はまるで物語の中にいるような心地でした。


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