スガ旅

夫婦で世界の大自然を歩いた旅の記録

オーストラリア旅⑪

Day11

寒すぎてあまり眠れず、何度も目が覚めた。
朝8時に太陽が出始めてからようやく動き出す。

朝ごはんにふみちゃんからもらったフリーズドライの雑炊と、みかさん・つぐちゃんからもらった味噌汁を飲む。凍える寒さの中、身体中に染み渡る…。


餞別にもらった乾燥味噌汁。


食後に大好きなエリーズのチョコバング。元気でる。

テントの結露がひどかったので、ある程度乾かしてから撤収。

9時10分にキャンプサイトを出発。


ディクソンズキングダムのコンポストトイレと水場。


タンクは両方とも空だった。こんな時のためにも水を汲める道具があると良い。

本当は2泊3日で行程を組んでいたけど、次のキャンプ地まで2時間ほどで着いてしまいそう。だったらもう進んじゃおうか、ということで、今日サーキットを完了させることにした。

ディクソンズ・キングダムからボール湖までの道が不明瞭だと海外のブログ記事で読んでいたので少し不安だったが、植生保護の歩道がきれいに敷かれていて迷うことはなかった。

ボール湖に差し掛かると歩道も終わり、山道に入る。ここからはまだ整備途中のようで、道は不明瞭だったが冷静に見ると道はきちんとついていた。


一見道はないように見えるけど…


よく見ると道がある


ボール湖までが心配だったので、湖が見えて一安心

Lake Ball Hutに到着。先行のパーティのうち数人がこの先の崖の様子を見に行っていた。

Lake Ball Hutから先は崖沿いを歩く。

このトレイルでは一番の難所だろう。落ちないように慎重に進む。

崖を越えた所で休憩に良さそうな岩があったので、ランチ休憩。


もちろんトルティーヤ。


昨日より険しい道を進む。

長いボール湖沿いの山道を抜けると、アデレード湖が見えてくる。今日キャンプする予定だった場所だ。

アデレード湖のキャンプサイトはトイレ無しだと思っていたけど、トイレが設置されていた。とてもきれいで手洗い用の水タンクも用意されていた。


立派なトイレ。


手洗い専用タンク。

距離のバランス的にディクソンズキングダムでキャンプする人が大多数だが、ワイルドドッグクリークは1泊目にするには行程が短すぎるし、アデレード湖のキャンプサイトは2泊目にするには近すぎるせいかほぼ無人だった。どちらもとてもきれいで素敵なキャンプサイトだ。

キャンプサイトを後にし、ここから2時間ほどジャンクション・レイク・トラックというルートを歩く。


黙々と…


いつも大体このくらい離れて歩く

今日は壁も見えないし、なかなか単調なフラットウォークだ。動物もあまり見かけない。と思っていたら、前を歩いていた夫が、静かにこっちに来い、とジェスチャーで合図。
そろりそろりと行ってみると、黄色いトゲのあるハリネズミが無心で木の根っこを掘っていた。こちらに構う様子もなく。


かわいい…

想定外の動物に出会えて気分もあがり、残りの道を急ぐ。

降りたらコーラだね!と言いながら、徐々に駆け足になっていく。

もうすぐサーキットの分岐というところで、昨日駐車場で出会ったご夫婦に再会。昨日は壁を通ってエルサレム山までピストンして、今日はアデレード湖までピストン!なんて健脚!
出だしのきつい登りを2日連チャンで登って来るなんて、凄すぎるね…と夫と話す。

トラッパーズハットからは一気に駆け降りて、駐車場に到着!ディクソンズキングダムからアデレード湖を抜けて、5時間かからなかった!頑張った!

記帳ノートに記入していると、男性に話しかけられた。なんと彼は国立公園のレンジャーで、上で困ってる人とかいなかった?と言っていて、タスマニアのレンジャーに会えて嬉しすぎて大興奮してしまった。

私たちは日本の国立公園の中に住んでるんだ、というと、どこ?と聞く彼。分かるかなあ、洞爺湖っていう所なんだ、と言うと、分かるよ!2回行った!と嬉しそうに話してくれた。

彼の名はジョシュ。4年ほど前に北海道を自転車で回って旅をしたそうで、知床や利尻なども周り、洞爺湖でもキャンプしたと写真も見せてくれた。

「あそこ湖で花火もやるよね!ちょっとびっくりしちゃった!」というジョシュに、本当、クレイジーだよね…と言うと、「日本はたまによく分からないことするもんね!」と言われて苦笑い。実際に他の国の国立公園関係者からつっこまれて、恥ずかしい気持ちになった。

ショップカードと名刺も渡して、今度日本に来た時にはぜひ寄ってね!と言って別れた。すごく嬉しい出会いだったな。せっかくだからもっとタスマニアの国立公園について色々聞けばよかったなあ。

駐車場を後にした私たちは、とにかくコーラが飲みたいのと電波のある場所を求めて山を降りた。途中の商店でコーラを買い、デロレインまで走りガソリンも満タンにする。近くにビジターセンターがあったので立ち寄り、小さな土産物も購入。

今日は山道を16kmくらい歩いてなんだかもうヘトヘトに疲れていたので、この辺でキャンプ場を探すことにした。

デロレインの町から15分ほど南下した所に、家族経営らしいこじんまりとしたキャンプ場を発見。予約はしてないけど、とりあえずダメ元で行ってみると電源無しサイトに入れてもらえた。二人で20ドル。キャンプ場中央にはBBQハウスもあり、アメニティハウス(トイレ・シャワー・ランドリー)もあり、もう言うこと無し!


素晴らしくフラットなサイト。


Blundstoneのブーツが鉢替わりになっている。さすがタスマニア!


圧巻。

とりあえずお腹を満たすためテントを設営し、お湯を沸かして最近ブームのミーゴレンを作る。残り食材のプルドポークと玉ねぎも入れてしまおう。捨てるお湯で松茸のお吸い物を作る。完璧なディナー!

二人とも無言で一気食いし、お腹は大満足。次はシャワーと洗濯!

ランドリールームに行くと、家庭用洗濯機が2台と乾燥機が1台あり、なんと無料。ありがたすぎる…!

洗濯機に衣服を放り込み、念願のシャワー!3日ぶりのシャワーで溜まった汗と汚れを流す。助かった…。

BBQハウスの外には共用の焚き火スペースもあって、焚き火をしていたお父さんと話しながら良い夜を過ごした。オーストラリア人と言っていたので、よくウォンバットは見るの?と聞いてみると、道路脇に転がってる死骸ならよく見ると言っていた。みんなそうなんだなあ。

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